男子大学生でもおかあさんといっしょが好きだ
僕はNHK「おかあさんといっしょ」が好きだ。
普通ならここで「…と言っているが僕が言いたいのは…」と弁明が始まりそうだが僕はそのつもりはなく、まさにタイトル通りの気持ちである。
はっきり言ってなぜ好きなのか、自分でもよく分かっていない。ただ一言で表すなら「落ち着く」だろうか。
「夢のパレード」や「にじのむこうに」「ホ!ホ!ホ!」などたくさんの名曲があるがそこのあるのは懐かしさであり、落ち着く感覚である。
タイトルだけではわからなくてもメロディーを聴くとなぜか歌詞が出てくるあの感覚は不思議なもので。
こういう幼少期の記憶は誰にでもあるような気がする。ふとした時に思い出す感覚はこの年になって最近増えてきた。特に子どもと話しているとすごく感じる。幼稚園や小学生の時は(いや、中学もかな)かっこいいの基準が何ともおおざっぱというか、よくわからなくて。パカパカ開ける筆箱よりもチャックで開け閉めするやつをかっこいいと思ったり、やたらスポーツブランドのものばかり集めたり、野球チームに入ってるような人は試合用の応援歌を意味もなくでかい声で叫んだり…
でもそんな思い出が嫌だというわけでもなく、ちょっとした恥ずかしさと、ニヤリとしてしまう未熟さがいいなって思ったり。
話しを戻して「おかあさんといっしょ」はそういった当時の記憶(正確には記憶というよりももっと抽象的な感覚に近い)を感じられる魅力がある。
こんなこと言うのもなんだが、この世の男性を歌のおにいさんになれそうな人、なれなさそうな人の2種類に分けるとしたら、まあ、前者かなと。もっと言えば前者の中でもそこそこいい線いってるんじゃないかというのが僕の今の心の奥底の浅い考えである。(実際はとてもじゃないけど務まらないと思う)
歴代の歌のおにいさんの坂田おさむさんという方がいる。この方は自分自身でおかあさんといっしょ用の楽曲を提供しつつ、歌のおにいさんも務めたというほんとに素晴らしい方で、いつかぜひお会いしたい。
そんな、おさむおにいさんがある日Twitterで述べられていたことが印象に残っている。
おさむおにいさんは、自分の楽曲はいつかみんな忘れてしまう。でもふとした時、例えばベビーカーを押しながらふと空を見上げた時、仕事帰り電車の中から夕陽を見た時「どこからかやってくる遠い記憶の歌」を作っていきたいと話されていた。
幼少期の記憶は誰にでもある気がする。
そんな記憶を大切にしたい。