【ステージ3】あなたは何レンジャーであるべきか?
唐突だが、あなたは子供の頃に戦隊ヒーローもののTV番組を観たことがあるだろうか?
戦隊ヒーローものは各キャラクターの役割をとても上手く体現している。
さらに、それをカラーとリンクさせているのだから、子供心ながらに赤色はリーダーで、黄色は面白いキャラなんていうイメージが染み付いていたりする。
戦隊ヒーローはだいたい5人組だ。シリーズが変わっても人数はあまり変わらない。話が少し逸れるが、男性アイドルグループも5人の場合が多い。5人組…まるでバンドみたいだなと思わないか?
そう。バンドの個性を有効に発揮する役割分担はまさに「戦隊ヒーローに見習え」なのだ。
ここでイメージしてほしい。
全員が全員、イケメンで歌も上手、ダンスも得意で頭脳明晰、目立ちたがり屋の集まりが5人集まったらどうだろう。上手くまとまるだろうか?
個人個人は素晴らしいスキルを持っていたとしても、それがグループとなった時に生かせなければ意味がない。
要するに10のスキルを持っている個人が、とあるグループに属することで10のスキルしか発揮できないのであれば、その個人からしたらグループでやるメリットがないのだ。
10のスキルを持つ人が、グループに属することで20並みのスキルを発揮する、これが本来のグループのあるべき姿だ。
私たちはもっと、グループがどうすれば最大の効力を発揮するのかをちゃんと考えなければならない。
話を戻そう。
戦隊ヒーローでよく出てくるキャラクターと色の振り分けはだいたいこうだ。
赤色:みんなを引っ張る頼れるリーダー
青色︰実力No.1の慎重派
黄色:お調子者のムードメーカー
桃色:紅一点の愛されキャラ
緑色︰頼りないけど底抜けに優しい
おおよそこんなイメージだろうか。
(ほぼ主観だから多少の違いは大目に見てほしい。)
あなたのバンドは、赤レンジャーになりたい人たちが集まっていないだろうか?
はたまた緑レンジャーだけで無難にまとまっていないだろうか?
多くの「成功した側の人たち」のバンドは、私の知る限り、必ずと言っていいほど各メンバーの個性が活きる役割分担をしている。
ここからは私の個人的な推測だが、おそらくどのバンドも最初から役割分担ができていたわけではないと思う。
目指す方向性と到達したいビジョン、それに加えてどうやってそれを実現していくかを考えて行動して積み重ねていった結果、自然と最も効果的な役割分担ができ上がっていったのではないだろうか?
元々人はそれぞれ個性があり、戦隊ヒーローもののように5人が5人とも5種類のタイプにバラバラに収まるはずがない。
要するにどこかで軌道修正を掛けていないと辻褄が合わないのだ。
ドラマーはいつしかドラマーのできる限界に気づく。それはライブハウスではボーカルのようなフロントマンの働きがしにくいというメンタル的な話だけでなく、自分の外音を自分で聴くことができないという物理的な制約も理解していく。
では、そのバンドのドラマーで居続けるためにはどんな個性が必要なのだろうか?
それはボーカルを最大限活かすことやギター、ベースとの円滑なコミュニケーションなど、演奏以外の部分で存在感を発揮していくことなのではないだろうか?
技術はもちろん必要だが、技術的に上手い人はいくらでもいる。パフォーマンスも然りだ。
そのバンドでの存在意義。そういったことを真剣に考え続けた人が集まったからこそ「成功した側の人たち」は、最適解とも言える役割分担に収まっているのではないかと、私は思っている。
完璧な人間などいないから、誰かの欠点を誰かの長所で補い、その人にしかない長所を徹底的に伸ばすこと、これこそがバンドの総合力を上げていく、たったひとつの方法ではないかと思う。
あなたのバンドは、互いに補って総合力を高められる配置になっているだろうか?各々の存在意義を、是非いま一度考えてみてほしい。