力の大きさ

 物理学には量子力学領域の「極小」世界の「強い力」「弱い力」と、「極小」世界と日常世界の両方にまたがる「電磁気力」と我々の日常世界よりも大きい世界の「重力(万有引力)」の4つがある、とされている。

 なーんて前振りをすると「物理、ダメ、絶対!」と拒否られちゃうかしらん。

 電磁気力は相当広範な力です。
 我々生き物が存在できる根本ですね。なんせ分子ってこの力なしには成り立たないですから。
 気体分子で空間が満たされているからこそ「音が伝わり聞こえる」んだし、電磁波としての光を「見ることができる」。そう考えると五感とされるものは全部が電磁気現象ですね。嗅覚、味覚は物質の受容体との結びつきだし、結びつくのは電磁気力の効果ですから。触覚もそうですね。ちなみに指で皮膚をつついて指と皮膚とが一体にならずにそれぞれ「指」と「皮膚」のままでいられるのも電磁気力の効果です。すごいね、電磁気力。

 そんな電磁気力ですが、日常生活の貼り付けて使う「フック」では磁石式が最弱って感じになってます。永久磁石は原子の周りに存在する電子の粒の仮想の自転の向きが揃っていることから生じます。まあ、電子そのものはあまりにも小さいので直接観察することが出来ないんで「振る舞い方」から理屈の筋が通るように「中身」が想定されているんですね。
 フックで一番便利なのは接着剤などを用いるタイプか釘とかネジとか壁に固定するタイプ。この二つは「電磁気力」ですね。そもそも物体が物体として形や性質が維持されている根底に電磁気力がありますからね。

 もうひとつ、吸盤式ってのがあります。
 つるつるの面で空気が吸盤と壁面の間に侵入して来ない限りはピッタリ貼り付いてくれる。外す時は意外と力がいる。
 あれは「重力」と「電磁気力」の効果です。一番大きいのは地球の重力ってことになるでしょうか。大気圧ってのが作用している。大気圧ってのは地球上の大気を形成する気体(ガス)の総重量です。人間は地球の引力に引っ張られているというより、ひとつひとつは軽いけれど集まるめっちゃ重い大気の気体によって地面にギュッと押しつけられている、という面もあるということです。

 まあ、そんなこんなで、フックひとつのことで力について思いを巡らすことも出来ますよ、というお話(だったのだろうか?)でした。

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