ちいさなお部屋とおおきな地球 (わたく詩)
コップの中の嵐が過ぎて
やまいの時間が降り積もる
一年かけて暖房と冷房は巡り
綿埃は掃除機のお腹の中に安らいでいる
あした 晴れれば 晴れるだろう
窓を 開けば 風が吹き込み あかりの傘を揺するだろう
嵐の去った空は青い(ひとの目には そう映る)
たくさんの粒が私をみたす
たくさんの粒が世界をみたす
開かれないマトリョシカのように
うまれては砕けて消えてゆく
雨の後の水溜りに生まれた文明はあっという間に消えてしまう
心地よい風が吹くのは空気のおかげ
太陽のおかげ
誰かの小さなため息のおかげ
地球の片隅で揺れる木の葉のように
わたしも静かに揺れていよう
120210208