解約王中杉
不動産の仕事に戻り、以前不動産会社に勤めていた時のことを良く思い出します。
入社してまもなく上司に恵まれた僕は順調に契約を頂き、不動産営業として好スタートを切りました。ですが、多少強引とも言える契約の取り方をする上司だったので中には契約後に解約の申入れをしてくるお客様もいらっしゃいました。1ヶ月に4本の契約を頂き、その内の3本が解約騒動を引き起こし、非常に忙しい1ヶ月があったのを強く覚えています。それ以降は契約をこちらから強く促す事をやめました。あくまでもお客様に自分で決断してもらっています。
契約時には手付金を支払い、それを放棄することにより、買主は契約を解除することができる。これは知ってる人も多いルールです。
僕のお客様も百万円という手付金を支払い契約したものの、後から親族の反対にあい、泣く泣く解約するといったものでした。奥様が僕たちの前で憔悴しきっていたので今でも良く覚えています。
その当時の僕の上司は、契約の履行に着手してる事を主張し、その手付金をそのまま受領し解約に応じました。これは合法です。ですがそんな事する必要があったのでしょうか?今思えばあの時の手付金は受け取らない方が良かったと思えてならないのです。手付金は一旦お返しして、改めて別の家探しのお手伝いをする。他社で決められてしまうリスクもあるでしょうし、上司は会社の売り上げも踏まえ判断したのでしょうが、僕が胸を張れる生き方としては確実に返すべきでした。
その当時は右も左もわからないまま、なすがままにされてしまいましたが、次に同じような場面に出くわした時、今度は自分らしく対応をしたいと思います。きっと今の会社なら理解してくれるはずです。
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