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漏斗

「質問力を高めるにはどうしたらいいか?」

たまに、こんなことを聞かれます。
私は決して質問力が高い人間ではないと思っているのですが、私にこの質問をした方からすると、質問力高めの人に見えたのかもしれません。
#聞くより話す方が得意

で、この質問力の高め方ですが、
1,000人くらいインタビューしたら上手になるよ!
とは、言えなかったので優しい答えを返しておきました。

実際、1,000人インタビューしたら、ものすごく上達すると思いますけどねw

私の答えは、
質問力を高めたいと思っている人ほど、相手の話をしっかり聞いていないことが多いですよ。

というもの。
そんな事ない!と反論されそうですが、
これ、ホントにそうだと思います。

しっかり聞くというのは、相手に興味を持って素直に聞くということです。

少し詳しく説明します。
誰かに質問する時、多くの方が「こんなことを聞き出したい」と目的を持っていると思います。

この目的を持つということ自体は別に問題ないことなんですが、質問をしていく中で何となく自分なりの答えみたいなものが見えてきてしまう瞬間があるんです。

で、そうなった時に質問がどうなるか?

「私はこう思うんですが、、、」
「その考えだと私とは少し違って、、」
「今のお話を私なりに考えてみたんですが、、」

身に覚えがある方、いらっしゃいませんか?
こうやって文章として書かれると、ちゃんと違和感があると感じて頂けるはずです。

そう。『私』の話をしたがる方が本当に多いんです。

はっきり言って、質問されている側からしたら、
「知らんがな」という話。

討論をしたいのであれば、別に問題ありません。他でやって下さい。目的は目の前の相手から情報を引き出すことだったはず。
#目的を忘れないで

引き出した後に、自分なりに解釈するのは良いことです。けれど、相手を否定しながら(本人はそんなつもりないと思いますが)自分の考えを伝える事は百害あって一利なしです。

自分なりの解釈は、別の場面で活用して下さい。

質問されている側も人間です。
話している相手が、本当に興味を持って素直に聞いてくれていれば、質問の中身が上手い下手なんて正直どうでも良い。聞いてないことまで、気持ちよく話してくれるんです。

そこに質問者の考えをぶつけるなんて、本当にナンセンスです。質問力以前の問題ですよね。

ここからは、相手に興味を持って素直に聞くという最低限の姿勢が整っている方向けのお話です。

特に目新しい話でもありませんが、相手に質問をする場合に私が気をつけていることを書いておきます。

①事前に調べられる情報は調査しておく
②相手の方が所属する業界の業界用語を調べておく
③言葉の意味が分からなかった時は、話を止めずにメモだけしておいて後から調べる(もしくはあとから質問の中でちゃんと聞く)

この3つです。
①・②は説明不要かと思いますが、相手の大切な時間を頂いているという認識をもって、向き合う姿勢があった方が良いよねという事です。

で、③について、最近誰かと会話した場面を思い出して頂きたいのです。

内容云々は置いておいて、人の話の多くは「表面的な話」の話から始まって、聞き手が興味を持って聞くことで、「具体的な話」が少しずつ入ってくるという流れになっています。

つまり、ひとつの内容についてより長く話せば話すほど、話している本人も気持ちよくなって、具体的な情報がたくさん出てくるんです。

もし、その途中で話の腰を折られるとどうなるか?

分かりますよね?
「表面的な話」に戻るんです。

よく見かけるコミュニケーションの1フレーズでもありますが、『どこまで話したっけ?』というアレ。この言葉が相手から出たら要注意です。

これは、ほとんどの場合、聞き手が話の腰を折っているか、脱線するような質問を途中に投げ入れているかのどちらかです。

このフレーズが出る会話は、ほとんどの場合、終始「表面的な話」が繰り返されていて、本当に意味の無い結果となることが多いです。

誤解を防ぐため、念の為ですが③は分からない言葉が出た時に、知ったかぶりをした方が良いということではありません。

相手が気持ちよく話しているのを止めないでほしいというだけです。もし質問したければ、最後まで話を聞いた上で、「ところでこんな表現されてましたが、〇〇という意味で合ってますよね?」と聞けばいいです。

気持ちよく話をした相手は、不快に思うことなく説明してくれます。

少し長くなりましたが、今日のお話が質問力を高めたいと考えている方にとって参考になっていたら嬉しいです。

人間の身体の構造上、コミュニケーションにおけるインプット器官としては手足、耳、目、鼻(穴)であり、それぞれ2つずつある方が多いのに対して、アウトプット器官としての口は1つです。

こんな”漏斗”みたいな構造になっている意味を少し考えてみたら、『私』の話をすることがどれだけ無駄であるか感じて頂けるかもしれませんね。

本日のまとめ
・質問力の高め方
・しっかり聞くとは
・具体的な情報を引き出すための注意

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