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大器晩成
変態シリーズ解説編②
今日の内容は、蝉の回の解説編です。
ウタくんが生まれてから死ぬまでのストーリーは、たくさんの気づきがあったと思います。
私自身、蝉タイプの人間だなと感じながら書いていたので、その内容を踏まえながら解説していきます。
努力家だけど自惚れ屋さんのウタくんのお話。
比較的、男性に多いこの性質。感覚的には日本人男性の50%くらいいるのでは?
ウタくんの話は、成虫である蝉になってからの話ではなく、あえて地中の期間をメインとしました。というのも、蝉は種によっては17年もの間地中で生活するため、この期間の生活が一生の9割を占めているからです。
ちなみに本編では、ウタくんは同じ木の下から移動することをしませんでしたが、実際のセミの地中生活では、生まれた木の根元から吸うことができる栄養が十分でなくなると、横穴を掘って別の木に移動すると言われています。
この17年。
日本人の学生期間とほぼ同じなのは面白いと思いませんか?
生まれてからすぐに自力で地中に潜り、木の根から栄養を吸い続けることを習慣とする生き方。
これは、人間が生まれてから吸収していく知識やスキル、世の中を生きていく術を両親や友人、先生などから吸収していくことに似ています。
将来、自分自身が立派な大人になることを夢見て、そのために必要となる様々な栄養素を吸い続ける。
この時、人間のケースでは様々な得意・不得意を認識するようになっていきます。
それ自体は当たり前のことですが、そもそもこの段階での得意・不得意などたまたま近くにいた誰かと比べてみた結果でしかないので、決めつけてしまうことは本人の可能性を狭めてしまうことにしかなりません。
実際、大人の皆さんの中には大人になってから、"学生時代よりも勉強をたくさんしている"という人も多いはず。けれど、当時は勉強が苦手だと思っていませんでしたか?
そして、この得意・不得意の認識の内、問題があるのは実は「得意」だと認識したほうです。
学生時代に出会う人の数は、本当に限られています。にも拘らず、その少ない周りと比較して”自分はできる”と勘違いしてしまうと、多くの人は努力することを止めてしまいます。
それが、将来の自分を苦しめるだけであることに気づかずに。
ちょうどウタくんが地上に出たときのことを考えていて”自分はライバルとは違う”と勘違いしていた時のように。
さらに悪いことに、人間の場合はこの”得意”を逆手にとって、他人をマウントしようとするからタチが悪い。
言葉を選ばずに言います。この時期に勉強ができたところで、スポーツができたところで、将来には"直接"役に立たない子のほうが圧倒的に多い。
得意なことを見つけたうえで、
「自分はもっと上に行ける」「まだまだ頑張らないといけない」
そう思えた一部の子たちの、さらに数パーセントだけが職業としてその得意を職業にできるのだから。
けれど、職業にすることができなかった場合でも、驕ることなく努力を続けることができた場合には、その過程で得られた”努力する力”や”継続する力”をしっかり身に付けられているため、社会では十分に生かすことが可能です。
そしてこんな風に書いていくと、
「そうだね。学生は頑張らないとね」と、当事者意識を持たない大人たちが生まれてしまいそうなので、なぜ、蝉という生き物を選択したのかも含めて解説します。
蝉の一生は長いもので約205ヵ月です。
そのうち、地中での生活期間は204ヵ月。
ものすごい大器晩成型なんですね。
これ人間に換算すると、人生100年だった場合、一生は1,200ヵ月です。
蝉が成虫として地上を飛び回るいわゆる成功期間というのは99歳と半年からの約半年間だけ。
これほどに長い期間、腐ることなく養分を吸収し続けたものだけが、成虫として日の目を浴びることができ、さらにその先の競争や天敵との闘いを勝ち抜いた者だけが命を繋ぐことができる。
こんなシビアな世界なんです。
つまり、少しくらい頑張って、結果が出なかったからと夢や目標を投げ出してしまってはいつまでたっても成虫にはなれません。
蝉と比べるとかなり優しめに言っても、一生のうち8割は努力し続けるというような覚悟と本気をもって取り組まなければ、望む結果なんて手に入れられないというメッセージを蝉を通じてお伝えできたらと考えたんです。
子どもに頑張るようにアドバイスしながらも、自分はテレビを見たり、Youtubeを見たり、私が書いたようなしょうもないnoteを読んでいるあなたに言っています。
このままで、今のままで本当に良いですか?
やりたいことはすべてやり切りましたか?
なりたい自分にはなれていますか?
私は冒頭、男性に蝉型が多いと書きましたが、そう考えている理由は特に日本人の男性には、これを表に出すかは別問題として「いつか成功したい」という気持ちを持っている方が多いと感じているから。
#自分は大器晩成
成功したいという気持ちを表に出すことなく、「やればできる子」を演じている人が本当に多い。
#やらないとできない子はできない子
それって面白いですか?
そして。本音を表に出していない男性諸君、何を恥じる必要がある?
堂々と言えばいい。
「成功したい」と。
成功したいと言えない人の多くが、人に言ってしまうことで、
『結果が出なかったときに恥をかく』
『頑張っていない姿を見せられなくなる』
『追い込むと後が大変になる』
などのしょうもない言い訳や自分を守るための小さなプライドを優先する。
#こんなところで堂々と恥をさらしている私
#恥ずかしくなんてない
本当に成功したいと思っていない人。ごめんなさい。
そのままでいいです。
私は、本音を表現せずに、コソコソ隠れて自分を守ってる"昔の私"みたいな人達が、震える身体を鼓舞しながらでも一歩を、恐怖と戦いながら大きな大きな一歩を踏み出してほしいと思っているんです。
その第一歩が、自分の本音をさらけ出すこと。
誰にでもできそうなのに、なかなかできないこの一歩。
その先には、本当につらくてきつくて、投げ出したくなるような現実が山ほど待っています。裸一貫で戦場の前線に立つのだから当たり前です。
けれど、それでも今日この日に『一歩目を踏み出した時の熱い気持ち』を、『自分に向き合った誇り』を忘れなければ、望む未来を自らの手で、勝ち取ることができるはずです。
それは90歳を超えてからかもしれません。
良いじゃないですか。90歳で大成功しているおじいちゃん。めちゃめちゃカッコいいです。
そんなこんなで、蝉の回の解説は
今を必死に生きなければ、望む未来を手に入れることなどできない。をメインテーマに、
・驕る暇があったら死ぬほど努力し続けて、誰も手の届かないところへいこうよ。
・しょうもないプライドなんか捨てて、全裸で自分を出していこう。
・今からだって、いつからだって遅いなんてことはない。
というメッセージを伝えるための暑苦しい内容で締めたいと思います。
いつか、この記事を読んだことで頑張る気になれたよという人と、今はまだ1滴も飲めないお酒(下戸なのでw)を酌み交わせることを楽しみにしています。
じゃ、またね。