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回転寿司もニューノーマル?<14/1000>
【ラジオ体操319日目】
『ニコチンレス生活40日目』
こんばんは。
お寿司屋さんでアルバイトをしていた頃に身に付けた「魚を捌くスキル」が、良いおじさんになったのに役に立つ気配を見せないので、釣りを趣味にしてみようかと企んでいるコマリストです。
今日は『役割が変わっても活用され続けるけれど・・』というテーマで書いていきたいと思います。
皆さんは、最近回転ずしを食べに行ったでしょうか?
例のウイルスの影響もあって、なかなか外食にいけない状況が続いていましたが、ようやく飲食店が賑わい始めたのを見ていると、ほっこりします。
先日、久々に地元ではかなり有名な回転ずしチェーンへ食事をしに行ってきた時のことです。
レールの上を一つも寿司が回っていないんです。お店の名前に『回転ずし』と入っているにもかかわらず、回転していないw
回らない寿司としてリニューアルしていたわけですが、”レール”はちゃんと残っていて、しかも役割に変化があったんです。
今日は、ニューノーマルの時代と言われて、変化するのは人間の役割だけではないという現場に直面して考えさせられたお話です。
日常生活の中で、こんなことを考えていると疲れないのかな~という冷ややかな目で読んで頂けたら喜びます。
#ドエムなので
回転ずしの誕生
さて、皆さんは回転ずしがいつ頃から存在するか知っているでしょうか?
実は、私も知りませんでしたw
調べてみると、驚いたことに50年以上前の1958年に大阪で誕生したものみたいです。
#私より年上
#大先輩
当時は、寿司といえば高級品で、とても敷居が高かった状態。これを変えてやろうと立ち食いの格安寿司(一皿20円)の立ち上げをしたSさん。
これが、大ブレークしてお客さんがひっきりなしにお店に来るけれど、一人では相手できるお客さんの数に限りがある。
ということで、考案されたのがレールの上を回って、遠く離れたお客さんのもとに自分から移動する『回転ずし』だった。
とはいえ、あまりにもニッチすぎるサービスだったので広がることは無いだろうと言われていたそうです。
これが広がることになったきっかけは『大阪万博』。
なんと、万博で回転ずしが採用されたとのことです。これをきっかけに一気に全国へ広がっていった回転ずしは、『安い寿司』の代名詞として認知されたみたいです。
役割の変化
さて、回転ずしの誕生秘話はお楽しみ頂けたでしょうかw
これを読んでる皆さんは、全国民の中で上位10%の『回転ずしマニア』に進化しました(笑)
で、ここで少し考えてみたいのは、「回転ずしのレール」に与えられた役割について。
先ほどの誕生秘話にあったように、回転するお寿司を開発した当時、Sさんが目的としていたのはこんな感じだったはずです。
・店に入れるお客さんの数を増やせる
・お客さんは入店して直ぐに、好きなペースで食事ができる
・お客さんの出入りも早い
・寿司職人の数を減らすことができる
これらの目的を役割という視点でまとめると、
レールの役割=職人から離れたお客さんに寿司を届けること
こんな感じだった。
そして、面白いのはここからです。
全国に広がっていった回転ずしですが、チェーン展開されていく中で「新たな役割」が見出されることになります。
その役割とは、
食べる予定ではなかったネタを、食べてもらう宣伝
これ、買い物なんかでもあると思いますが、洗剤を買いにスーパーに入ったのに、出てきた時には色んな食材や掃除道具、お菓子なんかも購入してしまうというやつ。
マーケティング用語でいうところの「非計画購買」というやつです。
#そのままやんけ
お腹を空かせたお客さんの目の前を美味しそうな寿司が通過する。
マグロを食べに来たお客さんも、思わずイカやタイ、スズキに平目といった別の寿司ネタを手に取って食べてしまうというやつですね。
かくして、回転ずしのレールには「宣伝広告」という新たな役割が与えられたというわけです。
そして、ニューノーマル
お待たせしました。やっと現代の話に帰ってきました。
先日、私が訪れた「回転ずし」の文字が店名に入ったお店で、レールはどんな使われ方をしていたのか。
それは、
お客さんが注文したネタを手元まで運ぶ
え?変わって無くね?
と思ったそこのあなた!
半分正解ですw
ただし、レールの上を走るのは車みたいな特殊車両で、車両の上に寿司が乗った皿が乗っかっているというスタイルなので、レール自体が寿司を運んでいないんです。
#そこ重要じゃないけど
#どうやって制御してるんだろ
でね、ここで思い出してほしいことがあるんです。
回転ずしのレールには「広告宣伝」という新しい役割が与えられていたということを。。
はい。
そうなんです。回転ずしなのに、「注文したネタ」だけが手元まで届く。
ということは、、、
回りまわって、「お客さんの手元に寿司を届ける」という当初の役割だけが残ったという感じ。
ニューノーマルの時代に、回転ずしのレールから一つの役割が奪われたのを目にした瞬間でした。
#別に悲しくはない
ちなみに、この傾向は私が利用したお店だけでなく、全国チェーンのあのお店でも似たようなことが起こっています。
ほとんどレールの上をお寿司が流れていない。流れているのは、お客さんが注文したお寿司だけなんてこともザラにある。
この状態を作ったのは、例のウイルスが「他人が触ったものに触れたくない」という感情を醸成したということに加えて、タブレット端末が導入されて注文しやすくなったということにあると思います。
自分が食べたい寿司を自分で頼んで、それを手元に運んでもらって食べる。
これでは、回転ずしの醍醐味が失われているような気がして少し寂しいですが・・。
ニューノーマルの時代とか言いながら、回転ずしの価値が、「単なる安い寿司」に成り下がった気がして、業界の退化を感じてしまったコマリストの愚痴みたいな気付きの共有でした。
じゃ、またね!