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成長の機会を奪わないで

【ラジオ体操211日目】

こんにちは。
会社員時代には、私の成長のために、あえて厳しめの仕事を振ってくれていることに気づくことができず、不満ばかり抱えていた残念な人コマリストです。


今日は【社員の成長に繋がるのか】というテーマで書いていきたいと思います。


皆さんは、部下に”仕事を振る”ことがあるでしょうか?


仕事の振り方には、会社の方針や上司としての考え方が表れやすい傾向があるように感じます。


もちろん仕事の内容や、会社の規模、繁閑のタイミングなど、様々な要素が影響しますが、仕事の振られ方によって部下のスキルはもちろん、モチベーションまで左右される需要な要素ですよね。


今日は、理想的な仕事の振り方について、考えさせられる話を聞いたので、その話を中心に紹介しつつ、私が思う理想的な仕事の振り方について考察をしてみます。

定時帰りのA君

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早速ですが、私が”仕事の振り方”について考えるきっかけとなった話を紹介していきます。


創業100年以上。社員数1,500名弱。この話は、地方ではそれなりに有名な中堅企業での一コマです。

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製造部門に勤務するA君は、勤続5年目の若手社員。家庭を大切にしたいという想いが強いA君は、最近、子供が生まれたこともあり、”絶対定時に帰りたい”という考えを持っていました。


とはいえ、仕事量が多くなれば、A君がどれだけ頑張っても残業しないと間に合わないこともあるのが現実だったので、A君は上司に『育児のために定時で退社したい』と希望を伝えていたんです。


A君が所属する部署には、10名程度の社員がいて慢性的な残業体質。


部署にいる別の社員は、毎日のように残業しながら頑張って働いている状態でした。


そんな社員の中には、いくら育児のためとはいえ、繁閑を問わず定時で退社するA君を快く思わない人も。。


これに加えて、A君は、自分の意見や考えを上司にもハッキリ伝える珍しいタイプだったので、A君のことを気に食わないと思っている人がそれなりにいる状態でした。


こんな状況が続いて、部署の多くの人たちがA君に対する不満を爆発させます。A君を”島流し”するような働きかけを始めました。


数か月に亘る”島流し作戦”の末、A君は別工場への移動が決まりました。島流し作戦を実行した人たちの勝利ですね。


ただし、納得がいかないA君は、島流しが確定するまでの期間に、何度か反論を試みていました。


A「やるべきことを時間内に全てこなした上で、定時で帰宅しているのに何が問題なんですか?」


上司「どうしても忙しくて部署全員が残業している状況では、協力してあげてほしい」


A「家庭の事情があることは伝えていますよね?それでも、他のメンバーに迷惑が掛からないように自分に与えられた仕事を完了させてから退社しているんです。何がいけないんですか?」


こんなやり取りを、何度か繰り返した末に、A君の島流しが決定したんです。


これは憶測ですが、上司と何度か言い合っているので、”上司と上手くいっていない”というレッテルも張られていた気がします。


そして、A君が島流しになった後に、この上司がボソッとこぼした本音があります。


上司「そもそも、定時で帰れるように、周りよりも少なめの仕事量しか与えてないんだから、定時前に完了できるのは当たり前なんだよな

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成長の機会を奪う上司

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さて、このA君のやり取りはノンフィクションでお伝えしてきました。皆さんはどう感じたでしょうか?


・働き方改革なんだから、A君は悪くないよね?
・社員同士で協力しないといけないからA君が悪い
・上司の対応は素晴らしいよね
・A君がかわいそう


色んな感想があると思います。
ここで考えてほしいのは、「誰が悪いか」ではなく、今日のテーマである仕事の振り方についてです。


上司は、A君が定時で退社したいという希望を伝えてきたからこそ、定時までに完了できるだけの仕事量しか与えなかった。


一見、優しさにあふれる対応であるかのようにも見えますが、これは正しい仕事の振り方だといえるでしょうか?


私の答えは『NO』です。


この仕事の振り方をされたA君は、”与えられた仕事を時間内に完了している”という認識を常に持ち続けます。


極論ですが、
”周りはどうして毎日残業ばかりしてるんだろう?自分は仕事ができるから定時で帰れるんだ”


こんな考え(勘違い)を持っていたかもしれません。
仕事量を調整されているということも知らずに・・。


この勘違いを持っているA君からすれば、『他の社員に協力しろ』と言われても、”どうして、頑張って仕事を終わらせている自分が残業までして手伝わないといけないんだ”と感じてしまいます。


つまり、仕事の振り方が今回のA君のトラブルの根本原因なんです。

成長の機会

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『家庭の事情があるから、定時で退社したい』
これはA君個人の希望です。


定時で退社するために、効率を上げて、他の社員と同じ仕事量を時間内に完了させる努力をするのがA君の役割なんです。


それでも間に合わない時には、他の社員に協力をお願いして少しでも早く帰れるようにするのがA君の仕事なんです。


自分の希望を実現するために、自分自身が努力したり、誰かに協力を依頼する。これを繰り返していると、A君はものすごく成長すると思いませんか?


そしてA君は、自分の都合を叶えることに協力してくれた他の社員に感謝するでしょうし、残業ができるようになった時には率先して協力する社員に成長していたかもしれません。


このA君の素晴らしい成長の機会を奪ったもの。


これが、上司の『仕事の振り方』だったんじゃないかと私は考えています。


働き方改革が叫ばれている現代では、センシティブな内容でもありますが、仕事の振り方が、社員の成長を促すことにも奪うことにも繋がるという意識を持つことは大切だと思います。


管理者の立場にいる方は、自分の(部下への)仕事の振り方を見直してみると、部下の別の問題が解消するかもしれませんよ。

じゃ、またね!

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