信用を失う方法
忙しい。
私が一番嫌いな言葉。
心が亡くなると書くあたり、漢字を考えた人は本当に天才だと思う。
この忙しいという言葉は本当に便利で、ある種魔法の言葉。けれど、この言葉を使えば使うほど、その代償に失うものがある。
それは、「信用」。これから先の時代を生きていく上で、最も重要なものだと思う。
モノが溢れる時代において、商品やサービスの価値は、すでに天井に近いところまで来ている。
そんなことは無い。新たな商品やサービスを生み出せば良いじゃないか!イノベーションだ!!
なんて声が聞こえてきそうなので、なぜそう考えているかを説明しておこうと思う。
特に、日本型の教育をまともに受けてきた多くの人は、0→1を作るのが圧倒的に苦手で、その代わりに1を10にすることに長けている。
トヨタ自動車の「カイゼン」なんかは、その最たるもの。別に、これが悪いとか良いとか言うつもりは無い。ただ、事実としてそういう教育の元で育ってるというだけ。
#お前もな
ということは、新たな商品やサービスを生み出すのは、苦手なことを頑張らないといけないということ。簡単にできないことは想像に易い。
この状況を変えようと、教育改革が叫ばれて久しい。結果が出ているかは疑問だが、確かにこの改革は必要だと思うし、私も大賛成。ということで、教育に関する話はそのうち書きたいと思う。
#今じゃないんかい
で、モノが溢れる時代であり、情報化がますます進んでいる現代社会においては、何を基準として選ばれるようになるのか。(というか既になっている)
それこそ、まさに「信用」だと思う。何かを買う時に口コミを確認したり、友人の誰かから勧められたから商品を買ったりする機会を、ごく身近で経験されている方も多いと思う。
つまり、「何を」買うかではなくて「誰から」買うかが重要であり、「誰が」勧めているのかが決め手となる。
信用さえあれば、多少高額であっても人はその商品やサービスを選択するということ。
ここで、冒頭の話に戻る。
「忙しい」という言葉がなぜ信用を失うことに繋がるのか。
それは、本当に忙しい人はこの言葉を使わないから。よく周りを見渡して欲しい。身近にいる死ぬほど忙しい人で「忙しい」という言葉を頻繁に発する人はほとんどいないと思う。
そして、忙しいと言わずに、頼ってきた誰かを助けるため、力になるために全力を尽くす。その結果、当然ながらその忙しいであろう人の信用は上がり、余計に忙しくなる。
けれど、いつまで経っても「忙しい」と言わずに手を差し伸べてくれるから、この人の周りには絶えず人がいて、仕事が溢れている。
これとは逆に、せっかく頼りにしてくれてきる相手を「忙しいから」と邪険に扱ってしまうとどうなるか。言わなくても分かると思う。
ちなみに、本人は本当に忙しいかもしれないし、邪険に扱っているつもりは無いと思う。(と信じたいw)
では、断られた側はどうか?
本当に困って、頼りにした相手から「忙しい」という理由で断られてしまった時、『裏切られた』という感情が少なからず生まれる。
正直、断った側の状況なんて知らんがな!ということになる。
では、忙しいから断りたいという気持ちをグッと堪えて、頼りにしてくれた相手のために、時間を使ってみると、どうなるか。
「こんなに忙しいのに自分のために時間を作ってくれるなんて、何て良い人なんだ」
#神様なの
こちらから忙しいと言ってないのに、勝手にこちらの状況を想像して、感謝してくれるというオマケがついてくる。
#本当は暇人
結果的に、「忙しい」を言わない人が勝つ。そりゃそうだよね。そういう風に出来ているんだから。
ということで、本日のまとめ。
「忙しい」は信用を消耗する。忙しい時に、暇だと言える懐の深い人物になろう。