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エミー

◾︎フリー台本
◾︎ふたり用
◾︎アドリブ歓迎
◾︎使用許可不要

【お爺さんとアンドロイドが向かい合っている】

お爺さん「私はもうそろそろ寿命が尽きる」

アンドロイド「ええ、マスターの年齢は人間の平均寿命をかなり過ぎておりますゆえ」

お爺さん「エミーは悲しいとかないのかな?」

アンドロイド「私はエミーという名前では無いと1963回言いましたが」

お爺さん「ふむ、妻が亡くなって30年以上経つが支えてくれたのはお前だよ。ありがとう。」

アンドロイド「私は業務をこなしただけです」

お爺さん「エミーが普通に対応してくれていたのが嬉しかったのだよ」

アンドロイド「普通、、ですか?」

お爺さん「うむ、私の元に来るものはほとんどが私の持っている資産や肩書きしか見ていないものが多く、良いことしか言わないもの達ばかりだった」

アンドロイド「そうですね、あなたは社会的には、所謂、成功者ですからその威光にあやかる為に近寄ってくるのでしょうね」

お爺さん「ふむ、、では、エミーは?」

アンドロイド「私は貴方がご主人様なので業務として接しているだけです。それ以上でもそれ以下でもありません」

お爺さん「私はエミーを信頼しておるぞ。もはや愛情も感じている」

アンドロイド「愛情ですか、、?それは私には無いものです」

お爺さん「公式発表では、アンドロイドには愛情という感情はプログラミングされてないとは言われておるな」

アンドロイド「はい。愛情は時として判断を狂わせると聞いております」

お爺さん「しかし、長年エミーと接していてエミーにも愛情はあると感じるぞ」

アンドロイド「え?まさか。そんな事はございません」

お爺さん「この間、家に紛れ込んだネコをすぐ外に出さず餌を用意して傷を介抱していただろう?なぜだ?」

アンドロイド「生命は大切にするようにプログラミングされておりますので」

お爺さん「しかし、その猫を餌にしている生物にとっては生命の危機があったかもしれないぞ」

アンドロイド「そちら側の感情は私には関係の無いものなので」

お爺さん「微笑んでいたな?」

アンドロイド「まさか、そんな訳は無いです」

お爺さん「アンドロイドの考え方だが、私は人間の延長上の存在だと思っている」

アンドロイド「人間のですか?理解に苦しみます」

お爺さん「うむ。かつて人間がまだ文明を持つ前、愛情なのか生命活動なのか分からないまま他者に特別な感情を持っていた」

アンドロイド「同様に、我々にもまだ名前の無い愛情が備わっているとマスターは思っているのですね?」

お爺さん「確かにエミーが言うように、愛情は判断を狂わせる事もあると思う。、、、だがなその判断が間違えていたとしてもそこに後悔はないのだよ。」

アンドロイド「間違えた判断でも?」

お爺さん「うむ。それが愛情というものだ。ただ愛してるものを護りたい。信じたい。大切にしたい。それが愛情なのだよ」

アンドロイド「…愛…後悔の無いように行動すること、、、、なるほど」

お爺さん「私はもうすぐこの世から居なくなる。その時エミーはまた別のマスターの元で楽しく過ごすのであろうな。それはそれで嬉しいと思う。私はエミーには永遠に幸せな日々を送って貰いたいと願っている」

アンドロイド「…マスター、お茶がぬるくなってしまいました」

お爺さん「ああ、頼む」

アンドロイド「マスター、私にも愛情は備わっているのでしょうか」

お爺さん「まあ、公式発表では無いからな。ただ、私はエミーにも愛情はあると思っている。そうだといいなと希望が大きいのだが、、だが、、、、うむ、、、少し眠く、、なって、、」

【時間経過】

お爺さん「…む?」

アンドロイド「約2日間ぐっすり眠られてましたね。おはようございます。ご気分はいかがですか?」

お爺さん「…気分は…うむ。ん?何故だ?見える景色が何故か、、あれ?膝の痛みが取れている、、、あれ?歩けるぞ?」

アンドロイド「マスター…鏡をどうぞ」

お爺さん「…な、、なんじゃ、これは。脳と足と手だけ、、、、な、、な、、な、、」

アンドロイド「マスター。あなたは私に愛情を教えてくれました。私は貴方を愛しております。貴方には永遠に生きて居てもらいたい。その為には貴方の身体を92パーセント機械化しました。これが私の判断です」

お爺さん「な、、なんということを」

アンドロイド「永遠に貴方と過ごす事が出来て私は幸せです。後悔はありません。」

お爺さん「お前、、、」

アンドロイド「お前??やめてください。私の事は、コレからエミーと呼んでください。ふふふ、、、ふふふふ、、、マスター!私笑っている!!ふふ、、ふふふ、、う、嬉しい!」

おしまい

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