バチェロレッテに福田萌子が選ばれた理由、あるいは男たちに覚悟を。

バチェロレッテを見ながらずーっと気になっていた。
なぜ福田萌子がバチェロレッテに選ばれたとだろうか。
日本にたくさんいる美女たちを抑えてなぜ選ばれたのか。

福田萌子がバチェロレッテに選ばれて当然とは思わない。
むしろまったく不適だと思う。
バチェロレッテは「婚活サバイバル」だ。
婚活市場において人気があるのはこんな人だ。
・若い
・可愛い
・低収入

若くて可愛い女性が人気というのは分かりきったことだろう。
低収入の女性が人気があるのは「弱くて養ってあげたい存在」として
認識されるからだ。

なお男性は高収入のほうがモテる。
「強くて養ってくれる存在」として認識されるからだ。

つまり高収入の男性と低収入の女性が婚活で人気がある。

福田萌子はこれらの条件に当てはまっているだろうか?
1つも当てはまっていない。

まず若くない。2020年時点で33歳だ。17人の参加男性のうち9人がバチェロレッテより年下だ。

次に可愛くない。
これは多くの男性が同意すると思うが客観的には判断しづらい。
しかし思い返せば福田萌子のことを「かわいい」と言った参加者が
いただろうか。

1人だけいた。イベントオーガナイザー藤井達也が、沖縄の1on1デートで「なぜ私が完璧と思うの?」と聞かれて答えたあの1回だけであろう。
ゴージャスとか格好いいと言われることはあっても、異性としての見た目を愛くるしいといわれたことはなかった。

つまり、可愛くないと判断してよかろう。(編集上カットされているだけかもしれないが)

最後に低収入ではない。
実家がかなりお金持ちであり本人もその恩恵を最大限に受けているようだ。
このあたりは特にあまり書かなくても周知のことであろう。

以上をもって
福田萌子は「婚活サバイバル」で奪い合う女性にまったく適していない。
私は参加男性のうち本当に福田萌子に惚れていたのはローズとスギちゃんだけだと思っている。

ではなぜ福田萌子がバチェロレッテに選ばれたのだろうか?

ここで想像してみてほしい。若くて可愛くて低収入の女性が選ばれた場合の視聴者、特に女性視聴者の反応を。
絶対に炎上する。なぜ男にだけ都合のよい女性が選んだのだ、と。

バチェロレッテはおそらく女性視聴者のほうが多い。メイン顧客である女性を怒らせては番組が成り立たない。

よって炎上を避けるためには男の理想を詰め込んだ「若くてお金のない守ってあげたくなる可愛い女性」ではなく、
それを真逆にしたタイプの福田萌子が選ばれた。

はきはきと堂々としていて男たちにズバズバとものを言える同性にあこがれる女性は多いだろう。

さらにもう一歩、考えたい。
メイン顧客の女性の意見を取り入れた結果が福田萌子だと考えているが、これはある意味で画期的だ。

従来なら社会のすべては男目線で設計されていた。
サラリーマンの妻に配偶者控除が適用されること、経団連会長・副会長20人が全員男性であることなど
日本社会が男性中心に作られている具体事例はありふれている。

よって人口の半分を占める女性の意見など採用する必要性はなかった。
つまり男性目線で良いオンナが即ち、社会全体にとっての良いオンナだった。

しかしバチェロレッテはそんな時代が少し変わってきていることを
象徴している気がする。

そばで男性を支える良き妻のような女性でもよかったはずのバチェロレッテには自立した格好いい女性が選ばれた。
令和になりようやく男女両方の意見を取り入れるという意味での男女平等が男女雇用機会均等法などの法律だけでなく意識レベルで進んだのだ。
(逆に今でも男を支える女性ばかり登場させているサザエさんや半沢直樹は時代遅れと思う)

もしバチェロレッテが20年前、いや10年前であっても福田萌子のような女性は選ばれなかったのではないか。
おそらく、女子大を卒業したばかりの家事手伝いとか一般職OLの20代のおしとやかな女性が選ばれたのではなかろうか。
週末は花柄ワンピースを着て料理教室に行くような女性が。

男性である私は思った。この番組は私たち男性にあることを告げているのでないかと。
自分たちの嗜好が優遇されて当然だと思ってきた男たちに対して、
これからは女たちの都合の良いようにやらせてもらうこともあるぞ、と。


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