【MCUレビュー】ドクターストレンジ マルチバース・オブ・マッドネス
先日見たドクターストレンジ、ネタバレなしの感想です。
あらすじ(Filmarksより引用)
元天才外科医にしてアベンジャーズ最強の魔術師ドクター・ストレンジは、禁断の魔術によって今とは異なる世界へ通じる扉を開けてしまった。そこは無限の可能性が存在する“マルチバース”と呼ばれる無数のパラレルワールド。「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」での激戦の後、この謎に満ちたマルチバースの世界からの新たな脅威が人類に迫る中、ストレンジの前に立ちはだかるのは最凶の魔術を操る邪悪な“もう一人の自分”だった…。
レビュー
サムライミ監督の色が全編強く、ハイテンションホラー×MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)という新境地を見せてくれた!
ホラーとしてしっかり怖く悪趣味やシーンもあるが、慣れてないお客さんの事も考慮して抑えてくれている。ホラー作品の導入としても面白いかと。
126分という上映時間ながら内容たっぷり。近年長尺になる傾向があるが、このくらいで密度を高めてくれる方が嬉しい。
サプライズもあり、マルチバースの楽しみもあり尚且つストーリーも一本芯が通っている。
貴方は今幸せですか?という抽象的で難しいテーマを正面から描き切っていることにも感動した。
役者陣
個人的今作MVPはワンダ(スカーレットウィッチ)を演じたエリザベスオルセン!!今作の中で感情の揺れが一番大きいキャラクターで、特に繊細な演技が光る。演出自体は淡白だからこそ、彼女の演技力の高さが際立っていた。
あとはしっかりサムライミ演出により魔女感が強化されているのも良い。
あとは言わずもがな、主演のベネディクトカンバーバッチも素晴らしい。
単独作以外の出演では、"超強いエゴイストな魔術師"の面が強調されているので、人間味があまり感じられなかった。ただ今作では人並みに傷つくし、愛し愛されるのが怖いという普遍的な悩みを抱えた等身大の人間として描写されている。
それをカンバーバッチの抜群の演技力が支えているので、感情移入度合いが半端ない。笑
普通のヒューマンドラマ映画で「今幸せですか?」や「傷つくのが怖い」というのをテーマにしてしまうと、普遍的すぎてドラマチックにしにくいと思う。
そこを、これまでの積み上げで人間味が少なく感じられるキャラクターの作品で行うからこそ、良い意味でスケールダウンして親近感が湧く効果があるように感じた。
アメリカチャペス役のソーチーゴメスも撮影当時14,5歳?と思えない存在感。演技が上手いのは勿論、ティーネイジャーのチャーミングな面を完璧に体現している。
恐怖を感じるとポータルが開くという、ホラー作品うってつけの設定も良い。
サムライミ演出
今作の見所として、マーベル映画以上にサムライミ作品としての味付けが超濃厚だったところ。(それでも抑えてはいるが)
スプラッター・グロ表現は流石にないが、ホラー感増し増しの作品として楽しい。自分はビビりでホラー作品を劇場では中々見れないが、今作は怖いけど楽しい!というバランスで見ることができた。
ジャンプスケア演出は基本好きではないのだが、今作は見せ方が上手く工夫されているのでむしろ楽しめる。
人を選ぶかもしれないが、何より作品としてよくできているので、ホラー映画苦手な人にも是非チャレンジして欲しい!