さよなら名古屋のUA
日本のバス業界というのは昔に比べれば本当に無機質になったと言えるでしょう。
毎年同じような顔のバスが納入されては個性的な古参車が姿を消し、ここ数年はそれの繰り返しになっている事業者は日本全国にあるとは思いますが、ここ名古屋の市バスからもとあるバスが姿を消しました。
そのバスの名はKL-UA272KAM改。
富士重架装と西工架装の2タイプが存在するこのバス、しかしながら西工ボディを架装したタイプは全国的に非常に珍しく、名古屋、京都、大阪、神戸の市バスと西武バスが採用した以外には新車での採用実績が無く、かなり貴重なバスとなっている訳なのです。(なんならM尺を入れたのは名古屋のみ)
日産ディーゼルは名古屋市交通局の2004年度新車導入においてこれを落札し、市内の営業所に合計25両が配属されました。
ちなみにこの後の新車導入では、CNG車としてガスエアロやフルノンブルシチなどといった濃い面子の車両が導入されたものの安定の廃車前倒しによって2017年12月までに廃車されています。
そんなこんなで雨の日も雪の日も市内を縦横無尽に走り回って今年で16年を迎え、新車更新が行われることになりました。
個人的にはふそうに落札してもらって市バスカラーのMP38を見てみたかったのですが、残念ながらいすゞが今年も連続落札記録を伸ばす結果になりました…
そして、県内では貴重な存在である96MCも平成16年式の除籍にともない更にその勢力を減らすことになりました。お世辞にも市バスを代表する車とは言えないかもしれませんが、一時代を支え「最後の個性派」として駆け巡った名古屋の西工UA、本当にお疲れ様でした。
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