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グアテマラ

メキシコの夜行バスに乗車して、ベリーズを越え、グアテマラまで向かいます。ベリーズは滞在6時間と通りすぎるだけなのに、ビザが高いです。ビザ代がUS50ドルなのだけれど、US100ドル没収された学生の話も聞いたりしました。

実際、僕が国境のイミグレに行くと、当たり前の顔で「100ドル、100ドル」と言われます。「いや、通りすぎるだけだから」と言っても、「100ドル、100ドル」と言い出す係員。結構、粘ってみたけど、僕の乗ってきたバスをかなり待たせていたので、しぶしぶUS100ドルを払い、バスに乗り込みます。

納得いかない。出国税でもUS15ドル払って、計US115ドル。日本でなら、ディズニーランドとシーをはしごできるはず。したことないけど。キャラメルポップコーンも腹一杯に食べられるはず。そんなに食べたくないけど。

「通り過ぎるだけで。6時間の為に。時給2000円以上の景色には思えないぞ、ベリーズ。来るまでこの国の存在を知らなかったけど、これから忘れられなくなりそうだ」と、ブツブツ、ブツブツぼやいていたら、居眠りします。結局、僕が見たベリーズの風景はバスが停止した時の15分ほどで、あとは夢の中でした。ちなみにベリーズの国獣は、人の夢を食って生きると言われるバクです。

気付いたら、グアテマラの国境に到着しました。グアテマラはビザもいらないし、入国税はUS2ドル払うだけです。なんか、それだけでいい国に思えます。夕方にグアテマラのフローレスという街に到着します。この街でメキシコで知り合った猫好きな日本人男性のニシさんと宿で合流しました。

僕「ベリーズのビザ代、キツくなかったですか?」

ニシさん「うん、そうだね。US50ドルは高いよね」

僕「(動揺しながら)えっ!US100ドルじゃなかったんですか?100ドル、100ドル言っているから、払っちゃいましたけど…」

ニシさん「(微笑して)100ドルって、ベリーズ・ドルで100ドルだよ。ベリーズ・ドル100ドルがUS50ドルだからね」

「うあああああああああああああああああああー」と、声には出さないけど、叫ばずにはいられない。「当たり前に、US100ドルを受け取ってたあの係員!というか疑いもせずに払った6時間前の自分!!」にもう一度「うああああああああああああー」

これからの人生、あと何回ぐらい叫ぶ事になるのでしょうか。生きることは叫ぶことなのかもしれない。

ルートが一緒のニシさんと、フローレスからアンティグアまで一緒に移動します。この街ではスペイン語が安く学べます。スペイン語に関しては言語障害のような僕も、ここで学ぶことにします。学校には日本人スタッフでいるので「もしかしたら、日本語でスペイン語を勉強できるかも」などと甘いことを思っていたら、もちろんそんなことはなく、1対1でスペイン語でスペイン語の授業が始まりました。僕の講師は校長先生でペトラという明るいおばさんです。

初日、ペトラが描く「お日さま」「お月さま」の絵で授業が始まります。「僕のスペイン語の理解力をなんで知ってるんだろう?」と思いながら、絵を通してお昼の挨拶や、夜の挨拶を教えてもらいます。さすがに絵なら理解できて、いい感じです。それが終わると、自己紹介をスペイン語でします。ここら辺で脳みそが少し荒れてきます。まずい、まずい。次はスペイン語のアルファベットを学びます。舌足らずな僕は、次々とつばが溜まってきて、脳みその方はエンスト気味です。そして、スペイン語の動詞の活用形をスペイン語で教えてくるので、シナプスが大虐殺されていきます。

本当は最短でも2週間は通うつもりでしたが、あまりの理解力のなさに1週間でグアテマラを後にします。誰も悪くない。

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