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マラウイ

ジンバブエから1日1回しか出ていないマラウイ行きのバスに乗るべく、朝の5時に起きてバスターミナルに向かいますが、どうもチケットを売ってくれません。係員には「待ってろ!」と言われ、地元民たちと2時間近く待ります。途中で「本当に、今日、マラウイ行きは走るの?」と聞くと「大丈夫!」と、係員は笑顔で言ってきます。でも、2時間待たされて、結局、走りませんでした。どうも、ガソリンがないらしいです。店には水さえ売っていない状況。

ジンバブエは出たくても、なかなか出してくれません。明日も走るかどうか怪しいので、一緒に待っていた地元民とヒッチハイクをすることにします。なんか、電波少年みたいなことになってきました。

マラウイ行きの道路でヒッチハイクしますが、なかなか車は止まってくれません。他の黒人もうじゃうじゃおりまして、競争率が非常に激しいです。仮に止まったとしても、その車に何十人の黒人が我先に走ってくるので、止まるほうも止まれないと思います。僕なら絶対に止まらない。白人ドライバーは目も合わしてくれません。

ヒッチハイクを始めて3時間。でかい輸送トラックが止まりました。ジンバブエとモザンビークの国境まで走るらしく、他の黒人にもみくちゃにされながら、なんとか運転席の後ろに座れました。他の黒人と僕の計7人で、トラックの運転席(たたみ一畳分)のスペースを共有。はっきりいって、7人で共有できないスペースです。体育座りもできない姿勢で、5時間後に国境へたどり着きます。

モザンビークはマラウイに行くのに立ち寄るだけなのに、ビザ代がUS30ドルもする鬼のような国です。滞在時間なんて、半日もありません。モザンビークに入国して、また違うトラックの後ろの席に移動します。今度は僕も入れて5人だけど、一人のおばさんが「引越し?」というぐらいの荷物を積んでいるので、さらにスペースがありません。

中国雑技団みたいな格好で、トランクが頭上から何回か落ちながら10時間ほど過ごします。更にトラックの運転手が旅行者だと分かっているので、どうしてもぼろうとしてきます。本気で殴りたくなるけど、一緒にいたマラウイ人(このマラウイ人は本当にいい人だった)がなんとか制してくれて、無事にマラウイの国境まで抜けます。心の底から疲れました。

そんな経験をしたおかげで、国境からマラウイ第二の都市ブランタイヤへ行くミニバスは、とてもとても快適に感じました。ブランタイヤに着いたら、すぐに首都のリロングウェへ移動します。それからマラウイ湖に面してる「ンカタ・ベイ」に行きます。ンカタベイはのんびり過ごせて居心地がいいんですけど、マラリアの巣窟なので一日中、蚊に怯えていました。トイレやシャワーに行くにも、蚊取り線香が手放せません。

1週間ほどマラウイで過ごしたけど、マラウイ人はいい人が多かったです。観光キャッチフレーズは「アフリカのあったかハート」。物売りが来て「いらないよ」と言うと、笑顔で「わかった、ありがと」なんて言ってきます。

あと、日本の中古車をよく見かけました。「スイミングスクール」とか「温泉」なんかの送迎バスが、日本語をかかげながらアフリカの大地を走っています。3人乗りシートに4人、5人詰め込んで、隣の人の肩と肩を寄せ合うのがアフリカスタイル。タンザニアの国境まで向かうときは、日本の救急車に乗ってきました。初めての救急車がアフリカだとは思いませんでした。ただ、かなり暴走してるので、そのうち救急車で事故が起きると思います。

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