見出し画像

ラヴァーソウル

 あなたと二人で溶けて一つになろう、ってジュディマリの歌があったな、あれ、こういうことかぁ、と思っていた。あとでちゃんと調べたら、覚えていた歌詞は間違っていたけど。

 色んな人から応援メッセージをもらったので、きちんと経緯を書き残しておきたいな、と思ったのだけど、実はここ数日の出来事だったのに、昨日のことすらあまり覚えていない。覚えていたくないのか、12時間近く寝てすっかり忘れてしまったのか、分からない。

 とても簡単に言うと、この子とようやくサヨナラした、というだけの話だ。バーイ!できず、そのままやはり彼氏なのでは?と思うくらい仲良く、10月からは毎週デートして私の部屋に来て過ごした。よく分からないから、私はその間も他の人とデートしていた。だけど、どうも全力で新しい人と会おうと思えなかった。そんなこんなでクリスマス、年末、バレンタインというイベントがあったが、当然恋人ではないので、何もしなかった。私がそもそも恋人を探そうと決心したのは1年前のバレンタイン、来年はバラ1本でもくれる人が欲しい!と思ったからだ。いまだそういう人はできていない。そして、今日日物価が上がって、家の人に「とにかく電気代が高い!」と愚痴られた。普段何も言われないので、私は驚いてしまった。さらに、去年から分かっていたことだけど、この1-3月は仕事が忙して忙殺されていた。それらが全部合わさって、「何で私は毎週彼氏でもない人を部屋に上げてるんだ?忙しくて、気持ちに余裕もないのに、なぜ彼を?」と面倒になり、この関係を断ち切ろうと決意したのだった。家の人の愚痴は、ただの愚痴だったかもしれない。でも、私は自分が退去させられるのかもとも思ったし、とにかく恋人ではない人を優先し、自分の生活を脅かすことをしたくなかったのである。

  実は上記を書いてから時間が経ってしまって、でも実際に事が起きたのはまだ2週間前のことなのに、もう遠い過去のようで既に記憶が薄れてしまっている。実際にアクションを起こしたのは、ちょうど2週間前の2月最後の水曜だ。それまで3日間位彼からの連絡(テキストと電話)を無視して、(でもさすがに半年も仲良くしてたんだから、一応気持ちを伝えるか)と正直にラインした。「もう疲れた。彼氏でもない人を、なぜ私は毎週部屋に入れているのか。あなたも、本当に好きな人が見つかると良いね」と。本当に好きな人に対してだったら、私にするような扱いはしないだろうと思ったからだ。すると超長文がすぐに返ってきた。要約すると「(私のことは)好きだけど、長期的に見てうまくいかないことは分かっている。義務感なしに、好きということを伝えてきた(私:えっ!?知らなかったけど!)。バレンタインも、どこかに連れて行きたかったけど、僕たちは特別な関係ではないだと思われてたし、しなかった。一方で、この関係を終わらせたくなかった。この瞬間を生きていたかった」続けて、「電話できるならしたい」と…私はこの時点で泣いており(前3日間は、もう終わりだーい☆と明るかったのだが)、まぁ、最後かなと思って電話に出た。泣きながら。

 すると、彼も泣いていた。私は彼の、"Are you okay?"でまた泣いてしまったので、逆に彼の涙は止まったようだった。大丈夫じゃねえよ。でも、彼の方が大丈夫じゃなかった。彼は私と連絡が取れない3日間、寂しくて眠れなくて、友達に泣きついて酒浸りだったそうだ。おいおい、大丈夫かよ。私は彼が大学院を卒業して現在求職中ということを知っていたので、こりゃまずいと直感した(少なくとも、まともに仕事探しはして欲しかった)。
 彼は、とりあえず私と話ができる、ということに、安心していたようだった。もう二度と話せないのかと絶望して、酒浸りだったらしい。私と話していた時も、ラム酒を瓶からそのまま飲んでいた。そしていかに私のことを好きかを説明していた。あーあ、どうすんだよコレ…とりあえず、全く着地が見えないので、じゃあ、明日会おうか、ということになった。最後に会って、決着を付けよう。一応、半年以上一緒にいたもんな、と思っていたら、彼の顔がみるみる明るくなり、明らかに喜んでいた。喜びで言葉が出ない程だった。ええええええええ、そんなに私のこと好きだったのかよ!こっちは混乱しかないよ。。。
 
 私はその週も仕事で忙しく、しかも重要な時期で、在宅を決めていたのだが、気持ちも落ち込んでいたので、出社した。幸い私のボスはとっても優しい人で、特に何を話すわけでもなくても会えるだけで気分が良くなるので、会えて嬉しかった。でもいくらか気持ちは紛れたが、1日ずっとそわそわしていた。それをボスに言うと、「相手のペースにのまれるから、弱気にならないで」と言ってくれた。仕事後、私はいつもの中華へ、彼に会いに行った。

 私たちは、いつも通りだった。いつも通り前菜と麻婆豆腐を食べて、ビールを飲んだ。彼は、私に会えて嬉しそうだった。店を出て、私の左手を彼の右ポケットに入れてくれるところも、いつも通りだった。私はこれがバンプのスノースマイルの歌詞のままで、非常に気に入っていた。実際に、雪の中を歩いたこともある(彼はその雪の中私に会いに来てくれたことがあり、「好きじゃなきゃわざわざ雪の中会いに行かない」と前日の電話で言われた。でも、そんなん言われなきゃ知らんがな)。地元で1杯飲んで、いつも通り、私の部屋に来た。

 これも、最後かな、と思うといろんな思いがこみ上げてくる。私は、このまま溶けて一つになっちゃえば良いのになーと思った。それが冒頭のラヴァ―ソウルである。そうすれば、離れることもない。そんな風に思ったのは初めてだ。そういえば、山田詠美の風味絶佳の一つの小説に、明確には書いてないけど、死んじゃった女の子を、時間かけて食べただろう男性の話があったよなぁと思い出した。それをしたいとは思わないけど、一つになっちゃいたいというのは分かるなぁ。まどろみながらそんなことを思った。

 夜中、彼の本音を引き出せた。要約すると「会う前から、うまくいかないのは分かっていた。でも、実際会ったらすごく好みで惹かれてしまった。でも、(私が望む)結婚とこどもはあげられない。(もし私がそれを初めから望んでなかったら?)そしたら、変わったけど、でも、8歳の年齢差は、どうしても越えられない壁」と、彼の本音は、8歳の年齢差、ということが分かった。今の私の年齢自体は、問題ない。ただ、年齢差が、どうしてもだめなんだ、とのことだった。私は「はぁ?」としか言えなかった。そして、それが本当に彼の意思なのか、疑った。彼には3つ上の姉がおり、彼女が、または親がノーと言っているからなのでは、とぼんやりと思った。

 その日は泣いたり笑ったり、決着がつかないまま1日が終わってしまった。私は一度こういう風になった相手とは二度と会わない主義なのだが、彼は元カノコレクションがいるの?ってレベルで友達になる主義のようである(私はコレクションに加わるつもりは毛頭ない)。で…どうしようか?また会いたいって言うのは分かったけど、それって来週とか、来年とか、どういうレベルの会いたいなの?と聞くと、「え、いやいや、来週とか、そういう話だと思ったんだけど」と言われ、そう…じゃあ、来週会おうか…?と次週、また会うことになるのである。

 結論、終わってねーじゃねーか!はい、終わってません!!!あーあ、どうすんだよコレ。続きはまた書きます。お付き合いありがとう!!!そしてメッセとか電話とかくれた友人も本当にどうもありがとう!!!感謝しております。もうしばらくお付き合い願います!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?