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【SteelSeries Arctis GameBuds レビュー】どんなゲームも最強のサウンドに。ゲーミングTWSの頂点に君臨した変幻自在の音

100種類以上のゲームタイトルのイコライザーを提供するGG Sonarや手持ちのヘッドセットやイヤホンを劇的に音質向上させるGameDACミックスアンプが人気なSteelSeriesの最新作、
それが今回紹介する『Arctis GameBuds』である。

主な機能

Arctis GameBudsはSteelSeries初のTWS(完全ワイヤレスイヤホン)。
ネオジムドライバーが採用されており、これは原音に近いHi-Fiサウンドが特徴。※詳しくは音質の項目を参照
主な機能は

  • ANCモードと外音聞き取りのトランスペアレンスモード搭載

  • 超低遅延の2.4GHzワイヤレス接続とBluetooth接続対応、デュアル接続も可

  • 物理ボタン搭載

  • バッテリーは筐体10時間、ケース30時間

  • Qiワイヤレス充電に対応

  • PC版・スマホ版にある専用アプリに対応

  • PC版ではイコライザーを手動で細かく設定可能、また360° SPATIAL AUDIOの立体音響に対応

などがある。
これだけ機能がモリモリされて価格は25,480円(執筆時点)。
比較対象はゲーミング用ではないが、同じように多機能なAppleやBOSEのフラッグシップモデルは3万以上するためコスパはピカイチ。

開封の儀

発売されてから3日後、予約したこの商品が届いた。
さっそくAmazonのダンボールから取り出してみる。

\ジャジャーン!/

Arctis GameBuds 通常版 ホワイトエディション

おおお……。
派手すぎない洗練されたデザインのパッケージが良い……!

開封していくと「FOR GLORY栄光のために」というSteelSeriesの決まり文句がチラ見え。
こういった粋な演出が開封の楽しみを増やしてくれる。

説明書は入っておらず、画像の通りクイックスタートガイドが箱に直接印刷されている

SteelSeriesのロゴがワンポイント入っていてスタイリッシュ。
ホワイトで柔らかい印象だが、ブラックのボーダーがアクセントになってシュッとしたかっこよさがある。
ケースはつや消し加工でテカテカ反射しないため、高級感があり所有欲を満たしてくれる。

前述の通り、標準でQi充電に対応しているので充電器さえあれば置くだけでワイヤレス充電が出来る。背面にはQiのロゴもあり分かりやすい。
大抵のTWSは対応していないし、対応した充電ケースを別途買う必要がある中でこれは嬉しい。
参考までにBOSEのUltra EarbudsはQiケース7000円(涙)

Qiのロゴが入っているのがオシャレ且つ分かりやすい

いざ、オープンッッッ!

美しい。
筐体がちんまりと鎮座し、その奥に細長いドングルが収納されている。
ケースのフタは一定まで開ければカクっとなって開いたまま固定化され取り出しやすい。

うっすらとGLHFが彫られている

フタを開けて裏には「GLHFグッドラックハブファン」の文字があり、先程の箱同様に粋な演出でとても感心させられる。

この筐体の形が非常に良く、耳にスッポリとジャストフィットする。
他製品では小型化されすぎて詰まった感じがあったりするが、こちらは丁度いい大きさ
それもそのはずで、なんと62,000件もの耳のスキャンデータで設計されているのだそう。
横に寝ても圧迫感が少ないので寝ホンとしても○
物理ボタンも丁度いいクリック感で、押下した時に痛いなんてことは起きない。

音質

ここからは本題の音質について、詳しく考察していく。

音のバランス

結構モニターライクでフラット
そこに中音域と低音域が少し強調され、ボーカルや効果音が際立つようになっている。
特に女性のボーカルと相性がよく、重低音は強調されているわけではないがしっかり丁寧に鳴ってくれる印象。
フラットな鳴り方なのは、SteelSeriesが提供しているイコライザー・GG Sonarを使用する前提だからなのだろう。

音場や広がり具合

音場は意外と狭い。ゲーム用なので音場は広いのかと思いきや音の広がりが控えめで、音の粒が固まっているような所感。
ウォームな感じではなく、クールで硬質
ただこれのおかげで音がパキパキとしており、かなり聞き取りやすい。
そのため分離感の向上に役立っており、音の聞き分けもある程度しやすい。
パキパキした音だからといって高音が刺さるといったことはなく、あくまでフラットな印象。

音の方向性も良く、上下左右は完璧に捉えられるだろう。
ただし、やはりヘッドホンではないため前後の判別はなかなかに難しいが、それでもイヤホンの中では検討している方だと感じた。

足音の聞き取りやすさ

では「音場が狭いと距離の情報量が少なくなって不利なのでは?」と思ったが、もし音の広がりが良くて距離の再現度が高すぎたら逆に足音を逃してしまうという気づきを得た。
私が持っているBOSE UltraEarbudsは音場が広いが、それでAPEXやR6S、CoDの足音を聞いたところ、距離感はなんとなく分かるがそもそもの足音がボワッとしており、聞き逃しやすい。
ましてや銃撃戦の喧騒な中では気づけないだろう。
BOSEは良くも悪くも音のバランスの調和が取れすぎていた。

ところ変わってArctis GameBudsでは足音の聞き取りやすさが異常
イコライザーを設定してCoD: WZをプレイしてみると、色んな音がうるさく鳴ってる中でもある程度足音を聞きとることが出来た。
銃声などで少しうるさい中で、右の足音に気づき段差を降りたという細かな点も分かった
おかげでプリエイムがうまくハマって相手より先に撃ってなんとか勝った。試合には負けた

さすがにマルチプレイヤーのドミネやハーポでは頻発する銃声や爆発音などでかなりうるさいため聞き取れないことも多かったが、広めのマップやモードによっては相性が良く足音が聞き取りやすいため、大きなアドバンテージとなるだろう。
APEXなどのバトルロイヤル系やタルコフ系と相性が良いだろう。

まず〝足音に気づきやすい〟というところがこのイヤホンの強みだとハッとさせられた瞬間だった。

楽曲の場合

ハイレゾ音源の『夜に駆ける(YOASOBI)』を聴いてみた。

イコライザーはMusic:Punchyを選び設定。
全体的にバランスが取れていながらもボーカルが際立っていて、ikuraさんのボカロチックな声質でも生っぽさを感じた。
驚いたのは声の共鳴が聞き分けやすいところ。口の開き方や響かせる場所(鼻腔共鳴なのか口腔共鳴なのか)が他のイヤホンより伝わってくるので、歌っている時の表情が思い浮んで解像度の高さに驚く。

しかし、聴き心地に関してはやはりBOSE UltraEarbudsに軍杯が上がる。
音楽を聴くには少し音が硬質すぎて疲れるかもしれない。

ANCとトランスペアレンスモード

アクティブノイズキャンセリングANC

ノイキャンの性能は正直なところ、肩透かしを受けた。
周囲の低い音はかなりカットしてくれるが、肝心の話し声がかなり貫通して聞こえてくる
外音取り込みのトランスペアレンスモードとあまり変わらない音量で聞こえてくるため、家族の声をカットして集中するという使い方は出来ないかもしれない。
逆に言えば、話し声だけは聞き取りたいという人には向いている。
2万以上の価格でこのノイキャン性能は少し辛いところだ。

トランスペアレンス(外音取り込み)

外音を聞き取りやすくするモードはちゃんと便利に使える性能。
耳の塞がった感じを抑え、機械的な音の鳴り方もしない自然な外音を聞き取れるので話しかけられても言葉を理解しやすい。
僅かにこもった感じはあるものの、ゲーム中にチャイムや家族の声に気づきたいなら十分使っていける性能だった。

オススメしたい対象

今回のArctis Gamebudsをオススメ出来る対象は……

  • ヘッドホンは疲れるからイヤホンにしたい人

  • TWSの中で最高クラスが欲しい人

  • ノイキャンにこだわりがない人

  • 軽さや耳にフィットするイヤホンを求めてる人

大まかに分けてこれらの方々にオススメしたい製品だと感じた。
アンプも揃えてイコライザーもバッチリな有線ヘッドホン所持者にも満足できるかと言われると難しい部分がある。
とは言え、下手にゲーミングと銘打って作られたブーミーなイヤホンよりも遥かに良く、ゲーミングTWSの中では間違いなく最高クラスだろう。

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