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怖いよ《クイーン メイカー》
《医師 チャ・ジョンスク》と並行して視聴した。
【女性がメインキャラクター】以外、真逆な作品。
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いわゆる【財閥もの】で、ソウル市長選が絡む。
『戦略企画室』が要するに財閥一家の尻拭い並びにお世話係、で人間扱いされていない。面と向かって、あるいはあからさまな陰口で企画室室長を〈野良犬〉呼び。
そこからもう禍々しいわけで。
そこに絡む【人権派弁護士】。
≪ヴィンチェンツォ≫の時にも感じたのだけれど、基本的に『弁護士が人権を守る側ではない』という不思議さ。
もちろん日本にだって企業法務の弁護士さんもいるけど、違法行為を助長する弁護士および検察が登場する韓国ドラマの多いこと。
ヤクザやマフィアが可愛く見える。堂々と【反社会勢力】として存在してるわけだから。
ま、そんな人権派の女性弁護士と財閥の『戦略企画室室長』の絡むことのなかった人生が大きく波打って三つ編みになっていく。
財閥を率いているのは夫を早くに亡くした妻である会長。
その娘二人は所有企業や財をめぐって反目しあっている。
そんな妹の婿をソウル市長にするべく、まず現市長を失脚させ・・・ともうドロッドロ。
自分たち以外を人間として認識していないところから展開するとんでもないストーリー。
≪ミスターサンシャイン≫での両班の奴婢への視点と何ら変わることがない。
それぞれ学歴は高い財閥側の登場人物たちだが、普遍的な基本的人権という意識も理解もないと動物以下の存在になり果てるという例かも知れない。
学歴ではない【教育】って本当に大切やわ。
ま、ネタバレはしたくないのでストーリーの内容はこのくらいにする。
でもね、私がこの作品で感心したのは、俳優陣の迫力。
それも女性キャスト。
人権派弁護士も企画室長も室長の先輩も会長も、選挙の対抗馬候補もそれなりの人生を生きてきた風格を醸しだす年代の俳優さんで勢ぞろい。
韓ドラ好きなら絶対以前に何かのドラマ何かの映画でお目にかかっているあの人この人達だ。
密度の濃い演技バトルだ。本当に見応えがあった。
【財閥もの】が苦手な私が夢中になったこの作品。ぜひ!
☆☆☆☆☆
ところでこの作品に限らないが、宿敵あるいはバトル中の相手に『これから目にもの見せてやる!』『這いつくばらせてやる!』といちいち宣言しに出向くのは、ちょっと理解できない私。
気持ちはわかるが、そのすきに出し抜けばいいのにといつも思う。
わざわざ出向いてる間にトラブルに巻き込まれたりするし。
まあ、それも最後のカタルシスにつながるからいいんだけど~。