【韓国ドラマ感想文】謀略が爆笑に変わる〜《哲仁王后》
尋常ではない暑い日が続きますがお元気でしょうか?
寒さにも弱いけど何より暑さが苦手なので引きこもる六十路。
そんな私はCSでノーカット版を撮りためて視聴。
現代の韓国大統領府【青瓦台】のオレ様首席料理人(チェ・ジニョク)が横領容疑をなすりつけられ、逃げようとしてプールに転落。
水中で韓服の女性と接触してしまい意識を失う。
そして気がつけば、意識はオレ様料理人だが身体は韓服の女性。彼女はなんと朝鮮時代の王后(中殿)だった!
それも歴史上(料理人が学校で学んだ限り)大した実績を残さなかった哲宗の王后。
☆☆☆☆☆
哲宗が《愛の不時着》のキム・ヒョンジョン。
中殿(シン・ヘソン)との会話がいちいち噛み合わない。ま、そりゃね。(笑)
『なんなんだよ、朝鮮時代かよ!』
『いかにも朝鮮時代である。』
『偉そうなんだよ!王か何かのつもりか?』
『王であるぞ?』
朝鮮王朝ドラマあるあるの大臣たちの横暴さ。
宮中の邪な思惑に依って、家族を殺され農民として暮らしていたのを突然王として祭り上げられ操り人形としての形ばかりの王。
だが本当にそれに満足しているのか?
いや実は...なわけで。
アホの振りをしている時、大勢力である大臣たちやその縁戚の大王大妃及び大妃への対抗策を腹心たちと練る時、それぞれが全く別人のように表情が違う。
中殿も、回想シーンの当人であった頃の乙女な表情と料理人の意識の時とは全然別もの。
さすがの主演2人なのだ。
また周りの尚宮や宮女、尚膳、中殿が料理人であった事から出入りする水刺間の最高料理人・待令熟手もいい!
大臣のキム一族やチョ一族はどこまでも悪辣で、遠慮なく憎んで罵れる対象なのが爽快だ。
☆☆☆☆☆
哲宗がどうやら自分で何かを考えている、すなわち『ただのアホではなさそう』だと勘づいた大臣たちが王を廃そうと策を講じる。
黙ってやられているわけにはいかない哲宗。
中殿の中の人は現代に戻ろうと周りの勢力関係を無視していらん事をやりまくるが効果はない。
そんなこんなでいつしか哲宗と中殿の中の人との方向性が重なっていき、感情面でもお互いに交流が深まっていく。
そのあたりもストーリー展開が絶妙。
側室ソル・イナ、キム一族の期待の後継者ナ・イヌ、哲宗の兄・永平君ユ・ミンギュ、キム一族ではあるがちょっと傍流キム・ファンのヨンジェ、中殿付宮女チェ・ソウンがみんな片想いなのも、ストーリーを膨らませていると思う。
☆☆☆☆☆
王宮ものでこんなに爆笑させていいのか?なシーンの数々。
でも、物語の骨格はちゃんと時代劇。
太刀回りも見応えあり。
哲宗は?中の人は?の伏線は見事に回収される。
史実では二人とも若くして亡くなったそうだが、《二人はいつまでも幸せに暮らしましたとさ》となって欲しくなる終盤が、韓国で大人気だったのも納得。
もしあなたの韓ドラ視聴環境で視聴可能なら、ぜひ!
☆☆☆☆☆
TMIだが、庶民兵のリーダーがどこかで見かけた顔だと思ったら《愛の不時着》の国家情報院のキム課長だった。
ではまた。