今さらの《ヴィンチェンツォ》
しばらく書いてませんでした。
ご無沙汰です。お元気でしょうか?
《賢い医師生活シーズン2》のロス真っ只中です。
韓国で先日放送されたスペシャル番組と来週の《賢い山村生活》を日本で視聴するにはどうすればいいのか?!と頭を抱えております。
どなたか方法をご存知の方はコメント欄で教えていただければ指♡100個差し上げたい。
シーズン1終了後の【ミドとパラソル】のライブ配信のように、YouTubeのチャンネル十五夜で世界に配信してくれないだろうか。
それはさておき、書いていない間も韓国ドラマと韓国映画に浸っておりました。
そして《スペーススウィーパー》の感想から連投するつもりでした。
(画像はGoogle検索結果をスクリーンショットしました。)
だってソン・ジュンギだし。
でも、つっかえてしまった。
スケールのデカい《必殺仕事人》
といってしまえば身も蓋もないのですが。
私はちょうど《必殺仕事人》が放送され始めた頃に毎週観てました。
当時の時代劇ドラマと一線を画したスタイリッシュな展開と、平尾昌晃さんの時代劇っぽくない斬新な音楽は、本当に衝撃的だったのですよ、お若いみなさま。
『実は偉い人が正体を隠して悪を成敗』ではなく、『長屋に住む一般ピーポーのフリをした仕事人』の設定とその技(簪が突きたったシーンではレントゲン画像を挟み込んだり、三味線の糸で人を吊るしたり)は、ただの殺陣とは全く違ってて。
ずっとシリーズを追ってました。
そんな私が《ヴィンチェンツォ》にハマるのは当然っちゃ当然。
そして《必殺仕事人》は毎回悪人たちを仕留めて次の回の敵はまた違うわけですが、《ヴィンチェンツォ》は20話で一つの巨悪を倒すのでスケールも自然とデカい。
当然マーベラス!なのです。
チェ・ミョンヒ弁護士という怪物
さて、書きあぐねていたのは視聴済みの方なら「あー」のチェ・ミョンヒ弁護士(元検察)の存在でした。
彼女の設定年齢より、私はずっと年上なので、言ってしまえば「放っておく」ような部分にかえって引っかかってしまったのです。
そして、それを取り上げる自分自身の固定観念をうまく消化できなくて。
チェ・ミョンヒが目指したものは何だったのか?どこだったのか?
彼女の仕事以外の過ごし方があまりにも【オッサン】で。
一人でギャンブルして一人でバーで飲んで。
美味しいものを食べるのはほぼ仕事がらみ。
宝石やブランドもので身を飾るでもなく。
一人でも、何か好物を食べて「あ〜幸せ〜」みたいなことがなくて。
上下の関係しか彼女にはない。
ウサン法律事務所の代表は彼女にとっては【後輩】でしかなくて(代表からすれば異性としての好意を抱いた頃もあったようだけど)。
検察時代の上司と部下はいたけど、それだけで。
成果を上げるためには手段を選ばない。
そして【友人】【家族】的な存在がどこからも見えない。
横の関係、自分を損得抜きで認めてくれる存在が見えてこない。
ZUMBA仲間もいなさそう。同じクラスレッスンを受けていても【仲間】にまではなってなさそう。
彼女の目標であったであろう『男社会で勝者になる』の先が見えてこない。
その『勝者』になった後、彼女はどうしたかったのか?
彼女には周りの人間は全て『損得』だけの存在なのか?
一方、ヴィンチェンツォにはどんな時にも慕ってくれるルカがいて、ヴィンチェンツォもルカを信頼している。
ホン・チャヨンには、殺された父の存在があるし、家を襲撃された時には泊まる先を探して電話をかける友人たちがいる(断られて結局ヴィンチェンツォの家に転がり込んだけど)。
クムガプラザの住人たちもお互いを信頼して助け合ってる。
そんなことを考えながら二周目で観てると、チェ弁護士が痛々しくなってしまったのだ。
彼女の行動はとうてい共感できないのだけど、文字通り髪を振り乱して『男に負けたくない!』『(あいつに)負けたくない!』と孤軍奮闘して暴走が加速していく。
演じるキム・ヨジンの力量あってこそのチェ弁護士で、だからこその痛ましさ。
彼女は『男社会での勝者』を目指したあげく、自分自身を善悪の分別を失った【怪物】に育ててしまった。
若いホン・チャヨンの世代が、〈頑張った成れの果てが【怪物】〉にならなくていい社会であって欲しい。
ホン・チャヨン世代の娘を持つ母親として強く願うのだ。
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