大統領選挙の結果と米株の今後
トランプが勝った。接戦となり何日も結果が分からないと言われていたのに、トランプの圧勝だった。これは株には良いこと。うだうだな状況が続くのが一番良くない。よって、今日は株が暴騰した。でも金利も上がった。この上げは買っても良いのか?買うとしたら何を買うべきか?今日はその話。
選挙の夜の赤い波
大統領選挙の夜はアメリカ時間の21:30(日本時間午前11:30)から一般公開のライブ配信で実況生中継特番を約3時間やった。録画も一般公開なのでぜひ見て欲しい。
まず21:30の時点で19時に投票所が閉まったフロリダ州がすでに95%開票してなんと14%も差がついていた。これが選挙の夜のトーンを決めたと思う。
「え、フロリダ、トラちゃんが14%の差?え、フロリダもうトランプ勝ちで確定?」と私も驚いた。生配信始める前にすでにフロリダは決まっていた。
クリントンの時はフロリダは一大バトルグラウンドで1.2%の僅差でトランプが勝った。それがバイデンと時には3%以上差がついたので、今回はバトルグラウンド認識ではなかったものの、14%も差をつけて9時半に勝ちが決まるなんて誰も予想していなかったと思う。
この時点でかけサイトはすでに60%以上の確率でトランプの勝利を織り込んでいた(私の動画を見ると賭けサイトの動きがリアルタイムで見れます)。これはフロリダの結果を見ての動きだったと思う。
そして蓋を開けてみればトランプの圧勝だった。これはNew York Timesの図。2020年のバイデンと時と比べてトランプは2,367の選挙区で株数を伸ばし、カマラは240の選挙区でしか伸ばせなかった。(西海岸の州に矢印がないのはこの記事が書かれた時点でまだ結果が出てなかったから)。
この赤い津波は誰も予想していなかった。もの凄い接戦が予想され、下手したら最高裁に判断を委ねることになり、数週間結果が分からないのではないか、と言っていたストラテジストもいたくらいだ。選挙予想のポルはまたしても間違っていたのだ。
なんでトランプが勝ったのか、なぜ赤い津波が起こったのかなどの私の解釈は動画の方でしているのでここでは端折るけど、今の時点でトランプは300票以上の圧勝、上院は共和党がとり、下院はまだはっきりしないけど、共和党が有利。つまりRed Sweep(赤組総取り)が起こったのだ。
火曜と水曜の株の動き
株価というものは実際のニュースとすでに織り込まれていた予想されていた結果とのギャップで動く。そしてこの予想外の赤い津波は全く織り込まれていなかった。
選挙会場が開いている間のドル、10年債利率、ビットコイン、S&P500の先物の値段を見ると、プレイヤーたちがどんどんトランプが勝つシナリオを想定してポジションを取っていたのがよくわかる。
トランプトレード
つまり、これがトランプトレード。ドル高、金利高(債券は安)、ビットコイン高、株高、である。
金利高は財政赤字と関税によるインフレの懸念。ドル高は金利高だから。トランプはクリプトは賛成派。株高は減税などで経済成長が見込めるから。
そして選挙翌日の水曜、株価は軒並み上げた。S&P500は2.49%、Nasdaqは2.64%、ダウは3.58%、小型株のラセルは 5.83%の上げ。ダウは2022年以来の1日の上げ幅だった。
トランプセクター
そして、これがトランプセクター。今日は教科書通りの動きをした。
強かったのはメガキャップと金融、エネルギーと、資本財(Industrial)。
弱いのはヘルスケア、生活必需品、住宅建築(HDと LOWも含む)、不動産、公共事業。
つまり、経済に敏感な株は伸び、不況に強い株は下げ(ヘルスケア、生活必需品、公共事業)、金利が上がると不利な株も下げた(住宅建築、不動産、公共事業)。
トランプ株
さらに細かく、トランプ株もある。もちろん、一番のトランプ株はテスラ。今日は15%の上げ。でもイーロンはますます忙しくなってテスラは大丈夫なのかと少し心配。
逆にトランプ不利株で今日面白かったのがMETA。METAは今日ずっと1%以上下げていて、閉場になってやっとイーブンになった。AAPLも他のメガキャップに逆行しての下げ。METAとAAPLはトランプの敵認定なのかもしれないけど、私は実際の影響はそれほどではないと思う。
中国関連の株は関税懸念で下げた。TSMはマイナス1.3% KWEBはマイナス2%。EV関連も弱い。RIVNは8.3%、 LCID は5.3%下げた。
強いと言えば、大銀行・投資銀行のGS、MS、 JPM、 WSFが皆今日は2桁上げた。これはトランプになるとM&Aなどがやり易くなり、収入が増える。さらに、長期金利が上がるのでイールドカーブが順イールドになり、利鞘が増す。経済も強いので融資焦げ付きの心配もないし、貸し出しも伸びるだろう。
今日は地方銀も物凄く上げた。地方銀は順イールドと経済好調への期待だろう。
さあどうする?私の独断と偏見
問題はこのトレンドがこのまま年末まで続くのか、それともこれは1日だけ、あるいは数字だけの動きなのか、だ。この値動きを追いかけて良いものなのか。それが100万ドルの質問。
選挙までは上院下院が捻じれた方が株にはいい、と散々言われてきたので、赤組総取りはあまりよろしくはないはず。でも、私のガットフィーリングではこのまま年末まで上げそうな気がする。
今日の上げ方は投げ売りならぬ、機関投資家の投げ買いな感じがしたのだ。年末までにパフォーマンスを出さなければならないポートフォリオマネージャーたちが必死で買いに行っている気がする。
そして機関投資家は1日では買い終わらない。
さらに、Sell the newsとか、この上げをフェイドしろ(上げを売れ)とか言っている人が結構いたし、9月10月の下げを狙っていた投資家たちは大きな下げがなかったのでキャッシュを温存しているはず。
これは素直に上げトレンドに乗っても良いのではないか?と思ってる。
一番の懸念材料は10年債利率がどこまで上がるか。今4.4%で、もし5%近くなると流石に経済に影響が出そうなので注意が必要。
私の最近のトレード
私が今、長期で持ちたいと思っている株はTSLA、PLTR、 META、 NVDA。私はこれらの株をAI四天王と命名した。NVDAとMETAはすでにたくさん持ってる。
TSLAはロボタクシーの日に下げたのであの日に買って、1ヶ月弱でなんと31%も上げてしまった。
PLTRは2Qの決算直前に「負けない勉強会」で取り上げ、2Q決算の後買おう、と思っていたらもの凄い上げで買い逃して悔しかったので、今回は思い切って月曜の決算前に買った。散々悩んで、閉場直前15分前くらいに買ったPLTRは決算後、たった2日で34%の爆上げ。
TSLAもPLTRも短期間で上げ過ぎだと思うし、主にリテール層に人気でちょっとMeme株化してる感じがあると思うので、今ここで買うことは薦めない。おそらくまた買うチャンスはあると思うし、もしトレードしてるなら一旦売っても良いのかもしれない。
でも両方とも10年は持つつもりなので、あまり気にしてないし、もし下げたらもっと買う予定。
その他、ここ1ヶ月ほどで買ったのはNFLXとUBER。そして今日PYPLをちょっと買ってみた。これらはみんな勉強会で取り上げていいな、と思った株たち。
NFLXは決算前に買ったので今13%上げてる。UBERは逆に買ったところから13%下げてる。これらも長期で持つ予定なのであまり気にしていない。
さあ、年末どうなるか?私はここからもっと上げるに一票。でも下げたら下げたでこれらの株をもっと買いたいので、それも歓迎したいと思う。上げても楽しい、下げても楽しい。これぞ株の楽しみ方!