Rickenbacker 360 リペア
以前リペアさせていただいたRickenbacker 360。今回はフレット交換を含めたオーバーホールです。
フレットは凹みの寿命でなく指板の塗膜で埋まって高さがない状態。
まずはフレットを抜くには道具が入るまで地道に塗膜を刃物で掘っていくしかありません。ポリエステル塗装か堅く厚いのでかなり手間取りました。
指板の状態を診るとネックの捻れ波打ちが強く、そのまま削ると設計面に支障が出るので今回はアイロン修正と併用。熱を入れては数日放置を繰り返していきます。
指板修正時の写真は塗膜(濃い部分)が残ってるので波打ちが見やすいと思います。リッケンはトラスロッドが2本あり左右のバランスも違うので逆に見極めが難しいですね。
修正は適正&最低限に。精度よくフレットが打てたのでナット同様、フレットも密着精度で音抜けがずいぶん変わります。
オーナーの好みで指板は木の手触りを活かして未塗装。レモンオイルで保湿すれば色味も悪くないですね 。
ナットはオイル漬けの牛骨で、今回は特殊サイズなのでアコギのサドルから切り出しました。生鳴りも改善。
ネックの鳴りを確保した後、それをアンプにどう伝えるかという点からアッセンブリもオーバーホール。素材の相性とオーナーの方向性に合わせて配線材ハンダなど選定しました。けっこうゴキゲンです。バンドで扱いやすいようブレンダーとRick-O-Soundを廃止。
どちらにプラグを挿してもStandardになるようになってます。コントロール配列もレスポールと同じに。オーナーのサブ機がそれなので、直感的に持ち替えやすいんじゃないかと思います。
トータルメンテナンスのネック反り、弦高、オクターブ、P.U.バランス調整をして完了です。ありがとうございました!
Mary Guitars 丸井 優希
〒503-0007岐阜県大垣市貝曽根町12-1
http://maryguitars.com/
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