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【ライブレポート】𝐋'𝐀𝐫𝐜〜𝐞𝐧〜𝐂𝐢𝐞𝐥 𝐡𝐲𝐝𝐞 𝐁𝐈𝐑𝐓𝐇𝐃𝐀𝐘 𝐂𝐄𝐋𝐄𝐁𝐑𝐀𝐓𝐈𝐎𝐍-𝐡𝐲𝐝𝐞誕生祭- 2日目_25/01/19
現場に居なかった人も、現場での追体験ができる記事を目標に
一旦、メモを記事に起こしました。
加筆・修正していければと思います。
急いで記事書いたら、映像上がってました。
ダイジェストはこちらをどうぞ。
暗転し、赤い画面に水泡が映る。上から下がってくるXXXⅣのロゴ。
hydeBIRTHDAYと冠されたこの日の象徴であるロゴが表示される。
暗闇の中の拍手と歓声。
phycosonic shakeの表示。旧L‘Arc~en~Cielロゴの表示。
白い画面に雲を抜けていくような映像。
肌も髪も白いアルビノのような女性。
細胞、心臓、機械、白い髪の目隠しをされた白い人物。
Ken、Tetsuya、Yukihiroの順に一人ずつ画面に映る。
白い人物。手。スクリーンをガラスに見立てて両手をつく姿がhydeとわかる。
ガラス越しに会場全体を睨むように見据え、頭突きで画面を割る姿。
堂々と示された上半身裸のhydeが、3つの蝋燭を吹き消し
HAPPY BIRTHDAY hydeと表示。
1. DRINK IT DOWN
緑のレーザーが暗闇を裂いて交差し、イントロが響く。
無意識に緊張に体がこわばり、息が止まるのを感じる。
大量の赤いレーザーが会場全体に向けて発され、青の点滅を見守る。
爆音と同時に本人がスクリーンに現れる。
客席は真っ赤。hydeはドラムセット前。
迫りくる衝撃へと恐れずに飛び込み
真実が 君にも流れ込む
永遠に沈むような錯覚に抱かれて
何処まで 正気で居られるのか?
サビで赤白に明滅する会場いっぱいの客席に浮かぶライトを見ながら
空気が薄くなるのを感じた。目の前の景色に現実感がない。
客席を埋める5万人のほぼ全員がこの2日間だけのためのライトを持っている。
その視界を全方面へ見回しながらギターを弾くKen。
うつむきのたうちながら歌うhyde。
歌詞を口ずさみながらベースを弾くTetsuya。
空間を支配する激しさにも動じない冷静さで完璧なドラミングを続けるyukihiro。
Get up you know the worst
Fed up fearless light now
鏡は今砕かれ 見たこともない君が目覚めて
静かに動き出す
わずかに開いた闇の向こうへ 駆け上がるその目は
もう誰も手に負えない
大股で歩き回り、座って英詞を歌い、サビで立ち上がり、「その目は」で手を前方に伸ばすhyde。
曲の最後に残響するギターが色のように滲んで消えるのを見守った。
歌詞の「鏡は今砕かれ」が、ライブ開始時のムービーで、
頭突きで鏡を割る姿と重ねあわされていることに気付く。
この日は「hyde BIRTHDAY」と銘打たれているため
演目も、演出も、
全てhydeが「やりたいように決めました」とされていることを思い出す。
2. XXX
step into fascination
trap of infatuation kiss
間髪を入れずに始まった2曲目はXXX。
会場全体が、一瞬の魔法の様にピンクと青のエロチックな空気に一変する。
第一音のギターの響き、思わず息を呑む。
音の存在感に背筋が伸びるのを感じる。
滑らすヴェルヴェット 誘うスネーク
エデンのテイスト XXX take me high
耳を押さえて目をつぶり、全身をくねらせて歌うhyde。
Everybody original sin
「everybody」で会場全体が一息に飲み込まれるのを感じる。
I feel 愛しいほどに ねえ 感じる so dizzy
Feel 切ない 息を忘れるほど oh oh oh
ねえ 願いをきいて dream 時間よ 止まれ
ねえ 瞳 閉じたら きっとこれが
Darling 最後のキスなのね
ホログラムのような「XXX」が中央のスクリーンにずっと存在している。
空間に満ちるキラキラという音と
重ね合わせられる甘さに溺れるような空気と
歌の力、音楽の支配力、視界の全て、聴覚の全てで、
支配されるのを感じる。
呆然と見ているままに、理性が剝がされて眩暈がする。
目の前の視界しか見えない、考える余裕なんてない。
首元まで詰まったデザインの黒いロングコートのような衣装のhyde。
曲の最後でドラムに向いて立ち、客席に背を向けてその衣装の背中が
編み上げになっていることを始めて見せ、
「kiss」で客席に振り返り視線を送る姿を
息を止めてただ見つめることしかできなかった。
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甘い幻が余韻の後に、魔法のように消え去って
空間を白いレーザーが左右へ飛び交う中「Calling」と次の曲が示される。
3. CHASE
「東京!」との呼びかけに歓声が上がる。
Kenのギターの鮮やかさ、鋭さ、重さ。
白いライト、白く染まる客席、都会的なイメージのスクリーン。
モノクロームになる視界。
会場全体のテンションが爆上がるのを感じる。
花道をアリーナ中央に位置するサブステージに向かって歩くhyde。
証人、この電光石火 見逃さないで
悪戯な支配者 無法な世界で (Must speed up, must speed up)
選ばれし頂点 神への疾走 (Must speed up, must speed up)
手の鳴る方へ
I'm chasing you (chasing you) get away
I'm chasing you (chasing you) get away
サビに合わせてhydeの見せ場になる。
独壇場と言っていいほどに、全方向からのhydeの姿が
スクリーンに映し出される。
Ken、Tetsuyaは各々左右の花道へ進む。
神経を尖らせて 知り尽くすテリトリーへ(close)
細部を舐め回し(close) 隙間を突き刺す
カメラに舌を見せ、叫び、「東京」とコール&レスポンスするhyde。
風を受けて膝をつき、「神経を尖らせて」の箇所を歌う。
その姿は、メインスクリーンに多重に映し出され、何人も重なる姿になる。
全方向へ手を伸ばし、視線を這わせて、
会場中の5万人からの視線を釘付けにするhyde。
5万人からの視線を釘付けにする存在としての
自負と覚悟に息を呑むと同時に
5万人を1人で受け止める甲斐性と存在の大きさに息が止まる思いがする。
4. Fate
※公式から音源が上がっていないため、ファンの方の動画を引用させていただきます。
メインスクリーンに機関車の車輪が大写しとなる。
発車しおもむろに回転を始める機械仕掛けの車輪。
Kenのギターに導かれるように、一気に曲世界が展開されるのを
魔法の様に見た。
こんなにベースが存在感がある曲だったんだと、聴きなれているはずの認識が覆されるのを感じる。
青いライトに染まるステージ。
目が眩むほどの白い光が花道から横一列に発される。
長いレールの彼方で誰が笑うというの?
いつ許しあえるのか いつ終わりが来るのか
ギターとベースが抜群に良い。体の中の脈打つ音を模られたように思う。
客席に向けて歌うというよりも、
演じるように手を差し伸べ、ステージをうろつきまわるhyde。
何が愛なのか? 何が嘘なのか?
解らない——無情な時間が迫る
の箇所でヘドバンの様に頭を振るhyde。
それにしてものギターソロの素晴らしさ。白い光。光みたいな音。
ずっと前方に手を差し伸べて、遠くに向けて祈るようなhyde。
「今 狙いを定めて 手を掛ける瞬間に」の箇所で
差し伸べていた手がいつの間にか銃口になっていることに気付く。
春が来れば 夜が明ければ あの空へ あの場所で
Faster than anyone
If I run through the dark
本当に結ばれるだろうか?
何が愛なのか? 何が嘘なのか?
解らない… ただ君だけが恋しい
頭を抱える姿が、歌を聴いているというよりも
映画のように見えて息を呑む。
5. 花葬
真っ赤になる空間。イントロで体内の血がざわめくのを感じる。
身が凍るようなギターの鋭さ。耳鳴りのようなチラチラする音はシンバル?
マイクスタンドを使い、正面を向いて歌うhyde。
両手を左右中空へゆらめかせ、体ごと揺れている。
うつむいたまま職人の様に弾くKen。
くるい咲いた夜に眠れぬ魂の旋律
闇に浮かぶ花はせめてもの餞
Hydeが「旋律」で両手を揺らめかせる姿。
英詩をつぶやくKenの横顔の大映し。
手数が多く繊細なドラム。複雑なベースライン。
ばらばらにちらばる花びら 雫は紅
欠けた月よ廻れ 永遠の恋を映し
「映し」で手袋をした右手で額を覆うhyde。
今宵はもう夢うつつ
やがて閉じた瞳
映画を見ているみたいだ、と息を呑んでそれを見守る。
世界を統べるような、前を向いて堂々と両手を広げる仕草。
アウトロのギターが抜群に美しい。
天井に模様が映る。鐘のような音が響く。緑のレーザーが空間を裂く。
6. 侵食
青と緑のレーザー。
ベースが映える低く重く暗い音像。
(よく売れたなあ、この曲)と今更なことを思う。
I lose control
ふさがれてゆく あなたさえ気付かずに壊してしまいそう
Good‐morning Mr.Fear
灰色の曇り空が映し出される画面。
上方から回転しながらステージを映すカメラ。ドローン?
雷鳴みたいな曲の景色を息するのを忘れて見る。
大雨みたいな景色から、赤白に照らされるドラムセット。
ノイズと響きを内包した「I lose control」
ベースが響く。これは絶望の歌なんだと思い出す。
映画を見ているみたいだと思う。
I lose control
ひらひら浮かぶ 蝶々は捕まえられ貼りつけられてたね
Good‐morning Mr.Fear
覚醒されたのは失くしてた傷跡 抑えられないこの腕さえ
焼き尽くす太陽 影を黒く染める そう気付けば 笑っていた
I died then my instinct was born
サビは理性を失くす瞬間の再現だと感じる。
抗いきれない狂気の中に、手の届かない悲しみがある。
幕切れ。
青白い雷鳴。
青いスポットの光に神々しさと雨音が重なる。
3筋の青いスポットライトがステージ中央に落とされる。
次の曲がまだ何かは分からない。
7. EVERLASTING
青い中に浮かぶKenのくぐもったギター。
ガラスに雨の筋が流れる。音の厚みと湿度が重力強くさせる錯覚。
密室の中にいる体感。
I swear to God そう 似ていない人を選んだのは...私
I swear to God もう 帰らない 逢わない 私の強い ...my will
止まない 何故に 止まない 君... (Ah ah... everlasting rain)
I ask my heart ねぇ くちづけで気持ち塞いでほしい
I ask my heart そう 選んだの 私が望んだのに何故?
止まない 雨に 止まない 君 (Everlasting, everlasting rain)
静かに青白く、マイクスタンドで歌うhyde。
「will」を囁くように歌う。
歌詞が一言ずつ画面に示される。
うつむいてたゆたうように弾くKen。
泣いているように見えるhyde。
ああ、止まない 季節よ 止まない 詩よ この恋よ
冷たい雨 降り注げ 君を洗い流して
隠しきれない 君に ああ、まだ 恋してる
湿度と重さのあるギターで締め。
8. forbidden lover
青く染まる客席。紫色。
ドラム始まり。マイクスタンド越しに見渡す静けさの歌。
遠くへ視線を送るhyde。
サビで赤く染まる視界。
眉をしかめ見渡す姿。悲しみに目を細めて、目をつぶる姿。
forbidden lover…淡い記憶 強く抱いても重なり合えぬ色彩
息をひそめ誓う 甘い恋の果ては予期せぬ時の悪戯
左手で目尻を押さえる仕草。炎の画面演出。
メインスクリーンはずっとhydeの表情を捕らえ続けている。
(これ、怒りと悲しみの曲なのか)と改めて今更に思い知る気持ちがする。
登場人物を演じるのではなく、
物語の語り部を担うのがhydeであるという理解。
叙事詩なんだな、と思う。
燃え上がる炎に取り囲まれ 崩れゆく船に命つかまれ
怯えた瞳は天を仰いで 叫ぶ神の名を
「神の名を」のところでステージ上に炎が横一列に吹き上がる。
ギターソロを挟み、両手を大きく開き、見渡し歌う姿。
空高く舞い上がれこの心 渦巻いた悪い夢より高く
解き放つ貴方へのこの想い 遠い地へ輝きを放って
新たなる国に やがて来る日にも
同じ道をまた通るだろうか
「空高く」のところで胸に手を置いて右手を掲げる姿。
苦しそうながら、まっすぐに正面を見据える強さ。
目を閉じて弾き続けるTetsuya。
時間の流れを含めて刻むドラム、ベース。
白昼夢を見ているような説得力だ、と立ち尽くしたままに見た光景。
赤いピンスポットから、紫が滲み、客席が紫に染まる。
9. 接吻
※公式から音源が上がっていないため、ファンの方の動画を引用させていただきます。
接吻を交わそう偽りを外し
And you're burning with desire, give in to me
And I feel it, your desire, show me now
背徳の味に魅せられた瞳
And you're burning with desire, give in to me
And I feel it, your desire, show me now
グランジみのある硬さのあるギターの重さ。
「show me now」で吹き上がる炎。
知らないうちに体温が上がっているのを感じる。
ふと我に返るような紫一面と緑色の視界を挟んでサビ。
世界は溶合う色…夢の先に導いて
煌めく炎は今その胸へと抱かれて行く
ねぇ 君の愛が欲しい
背を向けてくねらせ歌うhyde。
「世界は溶け合う色」で天井に円が重なり合う模様が映し出される。
白とピンクに滲む一面の客席。
Tetsuyaに肩を組み、「君の愛が欲しい」を歌うhydeに歓声が上がる。
ギターソロで花道を中央に向けて進むKen。
真っ白のライトに埋もれた客席に囲まれたサブステージで
ソロを弾く手元が映し出されKenの見せ場になる。
Kenの演奏する姿越しに、背景となる360度に広がる真っ白なライトを掲げる客席。
一音ずつの音出しからの、イントロリフへ繋がり、ドラムが入り
曲としての厚みを取り戻す世界。
サブステージのKenに視線が集まっているうちにいつのまにか
首元が詰まっていたハイネックの前をはだけていたhydeが映り
ラストサビを恍惚めいた説得力で歌いきる姿が映る。
世界は溶合う色…夢の先に導いて
貴方が心を今叩いている…幻でいい
その胸へと抱かれて行く もう 僕は二度と帰らない
「幻でいい」の箇所が、優しく見守るみたいな柔らかい視線で息が止まる。
両手でマイクを持って歩きながら歌う。
ピンク一色で締め。Kenは花道を戻り、Tetsuyaがサブステージへ歩く。
サブステージでのベースソロ。
青く染まる客席。ベースの響きが水泡みたいに滲む音像。
青いレーザー。耳鳴りめいた響きがある。
10. In the Air
※公式から音源が上がっていないため、ファンの方の動画を引用させていただきます。
イントロ音の柔らかいリフ、ずっとギターだと信じていたのが
ベースだったことを今更ながら驚いた。
いつのまにかhydeの衣装がノースリーブ白シャツ黒ネクタイ、
シルバー軍帽に変わっていて二度見。
マイクスタンドを肩に背負い、旗を掲げる少年のように見える。
スクリーンに映る雲の映像は朝焼けの気配がする。
透明感があり、鈴の様に清涼なギター。
響き、深さ、青さ、涼しさで空間を埋め尽くす音。
You fly over the earth それをただ見つめてる
You fly over the earth Can't you see I am tied to the ground
「you fly」で風に旗をたなびかせるhyde。
ずっと片手でマイクスタンドを掲げ続けている。
空へ落ちてゆく
底無しの空へと深く落ちてゆく
そして雲を君は掴む…つかむ!
花道をサブステージへ進み、「底なしの空へと深く」で客席が真っ青に。
サブステージでTetsuyaに並んで歌うhyde。
自席から肉眼でその姿が見えて驚く。
(あ、今、hydeさんと同じ場所にいるんだ、という現実感に今更ハッとする)
僕はそれをただ見つめたまま
立ちつくしている
「いる」の澄んだ裏声の美しさに目が眩んだ。
アウトロで旗を掲げてTetsuyaとhydeが二人並ぶ姿。
「ラルクアンシエルでーす」と話し始めるhyde。
hyde「hyde生誕祭へようこそいらっしゃいました。
ライブビューイングの皆様も楽しんでますか?
誕生日ですが、自分で仕切らせていただいています
思う存分やらせてもらいます
hydeさんの言うことは」
観客「ぜったーい」
hyde「すみません、楽しみましょう
いっぱい来てくれたね、ありがとう
こっからね、ここまで暗い曲続きましたが、こっから上げていくよ東京
歌詞は暗いですけど、そういうの好きでしょ
歌いたい曲をやります、あ、お水飲んでね
話題のクラッカーですが、まだ先なんで、鞄の奥に置いといてください
その時に説明しますんで
分かってんのかよ、かわいいね
楽しませてもらいますよ、僕が
歌いたい曲だけ歌いますからね、東京、楽しませてもらうぜ
それでは、素敵なピアノの調べから」
11. The Fourth Avenue Café
季節は穏やかに終りを告げたね 彩られた記憶に寄せて
さよなら 愛をくれたあの人は この瞳に揺らめいていた
ハッとするほどにギターが良い。
マイク手持ちで歌うhyde。
下手に歩いて客席を覗きながら振り向き、後ろ向きに歩きゆらゆらしている。
Tetsuyaは上手の花道の先へ。
分かっていても気付かない振りして 溺れていたよいつでも
誰かのこと想ってる 横顔でも素敵だったから
「横顔でも」のところで、メインスクリーンに映し出されるhydeの横顔。
サビで客席全体が大きく手拍子、七色のライトが一面に揺れる。
あと…どれくらいだろう? そばに居てくれるのは
そう…思いながら時を刻んでいたよ
この箇所の歌詞がメインスクリーンに表示。
ドラム前にへたり込み、何重にもhydeがスクリーン重なっていく。
ギターソロで飛び跳ねつつ、ずっと歩き続けるhyde。
移りゆく街並に 溜め息はこぼれた
「ため息はこぼれた」のあとに、マイクに向けての吐息。
暗転し、赤いブラックホールへ宇宙を進むような映像。
12. metropolis
アンドロイドの眠りをさまたげないで 愛を見てみたくて
幾千の星降る夜空の下で踊りつづけている
みだらに求めあう 堕ちゆく摩天楼
舌先しめらせて 妖しくあえいだ
上手の先で身をくねらせ歌うhyde。
遠目で映る姿がアヴリルラヴィーンみたいな少女に幻視して二度見する。
赤一色の画面に染まる横顔と、カメラに向かって煽る表情が大写しになる。
この夜に渦巻く傍観者よ この指とまれ
「この指とまれ」で手袋をした右手を差し出す。
ギター、ベース、ドラムは職人に徹した印象。
見せ場として視線を集めたhydeは中央に立って、主役を張ったという感じ。
キーボードの鍵盤がアップになるが弾いている箇所からずれていて映らず。
しばらくして弾いている手元にフォーカスされ、
サポートの秦野さんがクローズアップされたシーンに。
終曲後、メインスクリーンには白い細胞。
白い骨格に赤い点が浮かび、筋肉が形作られ、人体が成形され、hydeとなる映像。
13. get out from the shell
鼓動が深く脈うつ 冷たく固い頭蓋の中
神経接続不能の 眠れる森の君へキスを
夢は夢のままで 夢は夢のままで
緑色のレーザーと白いライト。
青と緑が明滅する客席。
ドラムセット前でマイク手持ちで歌うhyde。背後にはCGで模されたhyde像。
get rid of your notions haven't you realized yet? (do it)
get feel of your passion haven't you realized yet? (go for it)
perceive through the soul
サブステージに向けて歩を進めるhyde。一秒ごとに色の変わる世界。
コール&レスポンスの時に、一面の真っ白に染まる客席。
夢は夢のままで その手で破壊しよう
その景色を固唾を飲んで見守りながら、口から心臓が出そうだと思う。
アウトロのギター格好良くて肌から体内に浸み込むのを感じる。
14. HONEY
ずっと眺めていた 遠く幼い頃から
今も色褪せたその景色は 真白な壁に飾ってある
かわいた風をからませ あなたを連れてくのさ
honey so sweet 限りない夢を この両手につかんで
マイクスタンドを使用しギターボーカルに。
黄色とオレンジが混ざり合う客席が、ちょうど蜂蜜色になって音像と溶け合う視界。
冷静な目で客席を見渡すhyde。
完成されたその空間を支配する音像を、息をするのを忘れて見てしまう。
Kenコーラスからのソロ。ドラムに向かって弾くTetsuya。
運命が僕をつかんで あたりはかすんでくけど
ふさがないで 聴こえるだろう あの場所が呼んでる
「運命が」で目をカッと見開く姿。
ギターを弾きながら歌い、さらにカメラに目配せをする余裕。
終曲後、天井に赤い模様が映し出される。
床から天井に向けての赤いライト。
15. いばらの涙
※公式から音源が上がっていないため、ファンの方の動画を引用させていただきます。
天が舞い降りて悪戯に楽しむのか? 全てが平伏すまで
荊にまみれたこの血が枯れ果てても 貴方への心を抱いて
青一色に染まる客席。赤一色のステージ。
HONEYに続いてマイクスタンドで歌い、サビでギター演奏。
客席まで、赤・白・オレンジの炎の色に染まる空間。
ギターの伸びやかさ、鮮やかさに息を呑む。
たゆたうみたいなベース。世界を切り替えてゆくドラム。
赤白に明滅する客席を見下ろすギターソロ。
声を張り上げて縛られた炎の中 殺せない そのゆがんだ愛
燃えゆく身体は灰になって奪われても 汚れてなかったなら
その時は貴方が連れて行って そしてそっと抱いて
「声を張り上げて」の箇所で、眉間にしわを刻んで叫ぶみたいに歌う姿。
切実さ、正面を向いた祈り。
ギターを弾く時に歯を食いしばる表情になるhyde。
16. Shout at the Devil
※公式から音源が上がっていないため、ファンの方の動画を引用させていただきます。
イントロから左右の花道に沿って炎がずっと吹き上がっている。
遠く離れたスタンド席なのに、頬に熱を感じる気がする。
息の根止めておけば 良かったなんて思うだろう あの朝に…
「思うだろう」で手を差し伸べ
「あなたを」で跪いて、カメラに向かって歌うhyde。
客席いっぱいに赤白が明滅する空間。
赤い稲光の背景。
願いよ今この手を導け 偽りの輝き吹き消してみせよう
その力が汚れて見えても 真実の旗 振りかざせ!
「真実の旗 振りかざせ」で真っ赤になる世界。
ギターソロ中ずっと炎。
冷たく閉ざされた世界に堕とされた 変わらない痛みを味あわせてやるさ
「冷たく」で跪いて、正面向いて歌うラストサビへ。
アウトロは真っ白に染まる視界。叫びと炎の滲みを、ドラムが叩きギターが包む終曲。
片腕で掲げ続けていたマイクスタンドの旗を床へ叩きつけて退場。
白いレーザーと、真っ白に染まり明滅する客席の景色が取り残されて休憩時間へ。
ウェーブを挟み、後半へ。
バラの花束を抱えたyukihiroが花道を進み、サブステージへ。
いつのまにかサブステージに設置されたドラムセット。
花束をマイクスタンド前に置き、ドラムソロへ。
サブステージ左右からメンバーが上がってくる。
赤いライトのhydeがドラムセットの前に立ち、上手側にKen、下手側にTetsuya。
17. 真実と幻想と
※公式から音源が上がっていないため、ファンの方の動画を引用させていただきます。
サブステージ司法へ炎の燭台が設置。
hydeは白いファーの衣装に着替えフランス女優みたいに見えた。
この時、ギターが鳴らず、「演奏止めようかと思った」と後でhydeが涙声で語ったシーン。
運命と欲望を波打つ海に捧げた 入江に浮かぶ炎みたいに
マイクスタンドを用いて裏声で歌われるサビ。
赤一色に染まる二番。炎。
緑一色になる。青、緑に染まる視界。
真実と幻想と この目に映る全てを 血が枯れ果てるまで
この海とこの丘を渡る風に言葉をのせる それは私の証
裏声の美しさが、神様の声みたいに思われる。
ギターソロは真っ赤な景色。
hydeの姿に連動するようにブルーグリーンに染まる世界。
ギターになると赤一色に。
hyde「どうもありがとう。
ラルク34周年になりました。
僕の人生もいろんなことがありました。
考え方も、生き方も変わってきました
ずっと歌詞を書いていて、その時々の考え方があるけど
いつ終わるかわからないから、愛おしい人生、世界なんだと思います
さっきも、ギターが鳴ってなくて、止めようと思いました
それを」
嗚咽でマイクから一歩引いて深呼吸を挟み、再び話す。
hyde「何とか形にしてやり遂げてきたなと思って続けました。
だからこういう(客席の)景色が愛おしいと思います
〆切がなければダラダラと曲を作ることもなく過ごしてしまって
〆切があるからこそ、前に進んでいけると思うし
やりたいことはすぐにやって、会いたい人にはすぐに会って
そんなことを考えて書いた曲です」
18. ALONE EN LA VIDA
※公式から音源が上がっていないため、ファンの方の動画を引用させていただきます。
もう行く事も無い あの風景
道先に明日がどれくらい待つだろうか?
この命は まだ旅の途中 …and so I go
Fadeless 切ない日々、喜びの日と恋の記憶
そして知り得たもの 悲しみの哀を覆す愛
言葉のひとつひとつが意味と重みをもって、
肌に浸み込んで、肺の奥の方へ刺さっていくのを感じる。
貴方と出逢えて良かった それで十分
この命はまだ 旅の途中 …and so I go
「and so I go」で背中を向けるhyde。
抱え上げたバラの花束を抱いて、涙を両目にたたえて歌う姿が大写しになる。
道先に明日がどれくらい待つだろうか?
誰かの為に心を灯すだろうか?
華やかな時が寂しさ紛らせるよ
貴方への愛が私の証
足跡一つ 残せなくても
この命はまだ 旅の途中 …and so I go
終曲後、会場内を見渡すhyde。
hyde「ありがとうございます
みんな、来てくれてうれしい、幸せです。ありがとう
…何やったん? さっきのギターのアレ」
振り向いてKenに話しかけ二人で話す。
hyde「初歩的な。ピック挟まってたから音出なかったそうです」
Ken合掌して謝る仕草。
hyde「Kenさんのせいです」
ニコニコするKen。
hyde「クラッカーのやつ行きます
オーケストラがHAPPY BIRTHDAYが流れたら歌っていただいて
違う、歌えよ
で、3.2.1でHAPPY BIRTHDAYの文字、バースデーで引きます
昨日は結構ズレてました。怒りません、行けますか
お祝いするんですよ、東京ドーム!
Are you fucking ready?
本番行きますよ、準備した?音楽スタート」
5万のクラッカーと、金テープ、銀テープ、紙吹雪がきらきらに視界を埋める。
hyde「ありがとう。感謝の気持ちを込めて次の曲を歌いたいと思います。聴いてください」
19. 雪の足跡
※公式から音源が上がっていないため、ファンの方の動画を引用させていただきます。
吐息がすっと昇って冬めく空溶けだした
澄んだ空気に心は洗われてさかのぼる
大聖堂のステンドグラスのような模様が、ドームの天井に投影され
オルガンの音が響いていく。
立ち止まったり、回り道もしたけど 一つ一つが大切な記憶
今日のように いつの日も 君と共に…
君が居たから今でも前を向いて進めるんだ
彩る冬を歩いて心から そう思う
客席を埋めるライトは真っ白。
hydeに落とされるピンスポット。上からの空撮。
バラの花束を抱えたまま、噛みしめるように歌うhyde。
降り積もる雪と白い足跡 二人で描くように歩いてく いつまでも
そっと寄り添うみたいに もう少しゆっくり 一緒に帰ろう
噛みしめるように歌われる歌と重ねられるコーラスがめちゃくちゃいい。
息を呑んで体をこわばらせたまま聴き入ってしまう。
ギターが力強くて、優しくて、涼しい。
この歌を、噛みしめて聴くことができるのは、
この今だけ、ということに気付き
終わりに近づいて、このまま流れ去ってしまう時間にハッとする。
(私の人生に、今日があって良かった)
(今日の、この時間の、この歌のことを、多分ずっと憶えている)
(現実の記憶として、自分の人生に刻んでいかなければ)
そんなことを考えてしまいながら、目の前の景色と演奏、歌を確かめるように聴く。
hyde「ありがとう。やっぱクラッカー早かったよね
でもうれしいです。ありがとう
たくさんの人が集まってくれて
でもここからはパーティーらしくアッパーに上げていきますんで。
あ、ウェーブカオスだったんだけど!
ちゃんとでもないけど、できるんだね、ありがとう!
花束、バラとか良いですよね、Kenちゃんは好きな花あるんですか?」
Ken「びらびら。花びらの話ですよ」
hyde「あはは、Tetsuyaさん、好きな花とか」
Tetsuya「これ、全国の映画館で流れてるよ
これ、宣伝になっちゃうんですけど、
お花を定期便で届けてることをやっていて、今度、hydeにも送るね」
hyde「そんなことしてるんですね、お花届くの楽しみですね
では、yukihiroさん、
もしお花飾るならタンポポかチューリップどちらですか」
Yukihiro「チューリップです」
hyde「チューリップいただきました。Yukihiroさんで遊んじゃダメですよ」
hyde「では、次の曲、YOU GOTTA RUNをやろうと思うんですけど
関係ないけど、この間、お風呂ためようとしたら、
お湯のメーターが底を尽きてて
「湯が足らん」なあってなりました」
20. YOU GOTTA RUN
1階スタンドの背後から、大きなボール状の風船が客席の上に。
客席を埋めるライトは7色。
不可能に見えた fight to the edge (Shout it out!)
君は乗り越え迎える (No more doubt!)
目に見えない最大の敵は Deep in your heart
君は走る 迷いも切り裂いて 放つ閃光 流星のように
君を見つめ 希望を見つけ出す 僕を救う
Getting closer to the top To be with you
21. Caress of Venus
※公式から音源が上がっていないため、ファンの方の動画を引用させていただきます。
曲の開始と同時に花火が上がる。
hydeは上手の花道に。Kenは中央、Tetsuyaは下手の花道へ。
君が笑うと嬉しくて 明日が無くてもかまわない
caress of venus 素直なまま 口づけたら
さぁ お気に召すがままに
「お気に召すがままに」で投げキス。
青レーザーと、色とりどりに染まる客席。
Kenが満面の笑み。hydeと向かい合って踊るように歌う。
君がいないと苦しくて 何がおきても放さない
君が笑うと嬉しくて 明日が無くてもかまわない
君をキレイなあの場所へ 連れて行けたら素敵だね
hyde「東京!騒ごうぜ!Are you fucking ready?」
22. READY STEADY GO
緑と白に染まる客席。
吹き飛んでゆく風景 転がるように前へ
苦し紛れでも 標的はもう見逃さない
あてにならない地図 焼いてしまえば良いさ
埋もれた真実 この掌でつかみ取ろう
夢中で-早く-駆け抜けて来た
うるさいくらいに張り裂けそうな鼓動の高鳴り
響いて-呼んで-いる君の声
ここで立ち止まるような時間は無いさ READY STEADY GO
先ほどのhydeの話していた「いろんなことを乗り越えてきたから」
ということが不意に思い出される。
バンドとしての34年間。
ひとりの人間として生きてきた55年間。
「夢中で駆け抜けてきた」という歌詞の言葉が重なって見える。
「立ち止まるような時間はないさ」というのも
ALONE EN LA VIDAの時に話していた
「人生には限りがあるから、愛おしい。
やりたいことは今すぐやって、会いたい人には今すぐ会って」
という内容と重なっていると感じる。
それはhydeの人生哲学だろうと思うし、死生観でもあると思う。
そしてこの場所に、自分たちを信じて愛して集まっている人たちに
一番確かに伝えたい真実なんだろうとも思う。
客席を見渡し、一人一人の目を覗き込むようにして歌う
「ここで立ち止まるような時間はないさ」という姿に
胸が詰まって泣きそうになるのを感じる。
良く知っているギターリフ、ギターソロで涙が出そうになる。
君まで-届け-きっと後少し 熱く日差しが照らすこの道の向こう
READY STEADY GO PLEASE. TRUST ME.
人生の走馬灯の時に、「夢中で駆け抜けてきた」と
悔いなく思える人生であるように。
その時に、この曲を思い出して、今日のこの日のことを、思う出すように。
hyde「次で最後の曲になりました。
みんな、こんなにたくさん、集まってくれてうれしいです
普段世界中それぞれの生活があって、
ラルクを聴いてくれていると思うんですけど
昨日今日2日間に集結してね、お祝いしてくれるなんて光栄です
幸せ者だなと、つくづくグッときましたが、乗り越えてね
あと1曲で終わろうとしています、本当にありがとう
かわいらしいです、みなさん
僕の誕生日ですけど、あなたこそ生まれてくれて、ありがとうございます
出会って、ここに集まってくれて、それだけで最高のプレゼントになりました
最後に『あなた』を聴いてください」
23. あなた
※公式から音源が上がっていないため、ファンの方の動画を引用させていただきます。
青一色に染まる客席。
その景色を見渡しながらドラム前で手持ちマイクで歌うhyde。
嵐の夜が待ちうけても 太陽がくずれてもいいさ
もどかしさに じゃまをされて うまく言えないけど
たとえ終わりがないとしても歩いていけるよ
胸にいつの日にも輝く あなたがいるから
涙枯れ果てても大切な あなたがいるから
客席からの合唱を、イヤーモニターを外して両手をひろげて受けるhyde。
サブステージの中央で、会場の真ん中に立ち見回して
その場に膝をついて、あおむけに横たわり、目をつぶって
合唱を浴びる姿がメインスクリーンに映し出される。
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暫くの時間の後、起き上がって、歌に戻るまでを
息をするのも忘れて見守る客席。
メインステージに羽が降っているように見えたのは、
左右の花道脇に設置されたミラーボールの反射する光の粒だと気づく。
hydeが後ろを向き、ギターでハッピーバースデーディアhydeと鳴って
振り向いての大団円。飛び跳ねている姿を遠くに見る。
EnyaのBook of daysが流れる中
Kenからの赤い花束を受け取って抱え、
Tetsuyaからの花束を受け取って抱えた上に、
背負わされたレッサーパンダのリュックをしたままhydeが話しはじめる。
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hyde「たくさん、遠くから、来てくれたね
最後の『あなた』を歌っていただいて、歌ってもらって
いつも、こちらがみんなに歌ってるんですけど、
『自分って生きてていいんだな、みんなのためになってるのかな』って
思いながら聴かせていただきました
最後のサビは、みなさん一人一人に向けて、
『生まれてきてくれてありがとう』の気持ちで歌いました
今日は、来てくれて本当にありがとうございました」
壮大な誕生祭でした!
— Hyde (@HydeOfficial_) January 20, 2025
お祝いしてくれてありがとう☆
感謝してます。#hyde#LArcenCiel #ラルク #東京ドーム#hyde誕生祭 #誕生祭2日目 pic.twitter.com/jvMgYM732N
𝐋'𝐀𝐫𝐜〜𝐞𝐧〜𝐂𝐢𝐞𝐥 𝐋𝐈𝐕𝐄 𝟐𝟎𝟐𝟓
— L'Arc-en-Ciel (@LArc_official) January 19, 2025
𝐡𝐲𝐝𝐞 𝐁𝐈𝐑𝐓𝐇𝐃𝐀𝐘 𝐂𝐄𝐋𝐄𝐁𝐑𝐀𝐓𝐈𝐎𝐍
-𝐡𝐲𝐝𝐞誕生祭-
2025.1.19 @ TOKYO DOME
THANX!
See you in “35th L’Anniversary Year”#LArcenCiel#ラルク#東京ドーム#hyde誕生祭#hydeBIRTHDAY#ハイ誕祭2025 pic.twitter.com/0RBz9EAfVR