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【igawa taku】光と柔らかさを含んだ声で歌われる静けさの景色
◆igawa takuとは
滋賀県在住のシンガーソングライターです。
独特の柔らかく光を含むような声がとても美しいので知ってください。
京都や大阪でのライブが中心ですが、年に何度か東京にも来るので
チャンスがあれば足を運んでみてください。
空気に光が滲んで揺れるようで素晴らしいので。
◆曲たち
ネーム
ふと横切った街の隅で 君に出会った夜
はぐれ遠ざくように 歩くのを見ていた
いつしか呼び方さえ変わっても 忘れはしないだろう
かつてが振り出しに戻すのに 続きは溢れた 朝のように
水の匂いに浸されていた 星が動いた いま
何が途中かわからないけど 手を引いた
波打ちやがて凪ぎ消えるまで 声は響くだろう
それでも篝火を灯すのさ 次の日を開くさ あてどなく
果てもなく
この曲は「いつしか」の強さと美しさに息を呑みます。毎度。
静けさの中に耳を澄ますと、想像以上に柔らかくて繊細な音の塊を
受け取ってしまって、驚くような気持ちになります。毎度。
Collard
街では祈りが鳴り響くのに 君とはお別れ 夜が来たのだ
気付かれないところで拭き取れやしない 今からじゃ遅いかい
鉢にはサラダと有り余るフルーツ
彼らの言葉は針と糸のようだ
抗えない光だ 愛しても 愛されないとしても
抗えない光だ 愛しても 愛されないとしても
重さをもって沈澱する悲しみを、こんなに穏やかな曲に
美しく仕上げているの、すごいので聴いてください。
巣箱
幕が降りて また誰かの声が途絶えていく
それが見えた ここからなら
飛べる高さを知ったら
白い巣箱の中に潜り込めばいい いつかのように
人が立つと点く灯りは誰を照らし出す
それが見えない ここからでは
窓は明かりに満ちてく
どれも僕のじゃないから 崩れそうだ
足早に歩いていく彼らは往った
僕を残して この丘の上に
飛べる高さを知ったら 君の形がわかる 夜の底まで届く
白い巣箱の中に潜り込めるよ いつかのように
これは「一番古い曲」とご本人が言ってたのを記憶しています。
Igawaさんを初めてライブで見たのは、2012年のkyoooさん主催の時でしたが
その時に演奏していたと記憶しています。
no place to hide
息を深く吐いて 正しさを纏う
波は高く立って また僕を誘う
僕らは決してやり直せやしないぜ
なのにまだ願ってしまうのは どうして
no place to hide キリのない痛みも 受け入れるから
no place to hide 行き先まで戻ろう 暴き出すまで
霧は濃く煙って 視界さえ奪う
それでも目を凝らす また割り出すまで
心はいっそ千切れてしまうくらいがいいぜ
汚れごと砕いてしまえたら なんて
no place to hide キリのない光も 受けて立つから
no place to hide 行き先まで帰ろう 辿り着くまで
「no place to hide」の発声が、息を呑むほどプライスレスです。美しい。
枠
忘れないで 痛みも 余白も 生き繋いで 見渡す景色も
注がれて飲み干して 空の居間に取り残されて
その視線で温い血が満ちた
君の枠の中なら 何も無いことないような
交わさないで 進めば潰えた なびかないで 見据えたひとつを
安らかな無為を捨て 何かがある街に放たれて
そのせいで時が扉を開けた 嘆く声より冷えて息を伝えた
その視線で温い血が満ちた
君の枠の中なら 何も無いことないような
これ聴きながら散歩したら、自分の内側が
静けさを取り戻せるように思います。
遠泳
選べない 波が押し寄せれば 泳ぐだけ
叶わない願いが叶えていた この場所で
僕ら いずれ ひとりきりな訳ないし
傷もすぐに 風で乾いてしまうだろう
涙の跡から 夜の底に待たせた 朝が染み出した
止めどない波と光抱いて きみの元へ帰るまで
部屋で録ってるっぽい動画が一番音が良いってどういうこと。
「いずれ」「すぐに」のフレーズが、息止まるくらい好きです。良き。
◆サブスク
ここで紹介していない曲も聴いてみてください。