Please Place Me②ぼくも帰ろ お家へ帰ろ
リクエスト旅「Please Place Me」やっとのことで第2スポットのご紹介でございます。
長すぎていきなりトリロジーになった第1スポット「ツアー予約・ジョンの家・ポールの家」レポの記事はこちらからぞうぞ。
そして第2スポットはこちら!
ジョン・ポールがお互いの家を行き来した道
お互いの家でギターセッションや曲作りに励むため、ジョンとポールがギターを担いで行き来した道ですね。徒歩で25分ほどです。頻度的にはジョンがポールの家に行くことが多かったと思うので、主にジョンが行き来したルートと銘打っても良いかもしれませんが。
ルートといっても無数にあるのでどの道を行くべきか、なのですが、これに関してピンポイントでリクエストをいただいたので、そのルートに絞りました。それは、ジョンがポールの家までの近道に通っていたゴルフ場の小道。ここ、私も以前行こうとしたのですが天気が悪くてやめたので、今回の機会に歩いてみることにしました。
ナショナルトラストツアー終わりからの移動になるので、改めて今回のリクエストスポットは20 Forthlin RoadからMendipsまでのジョンの帰宅ルートに決定します。
ルート捜査網!
このゴルフ場、Allerton Manor Golf Clubはまだ現存していて、営業を続けています。で、小道ってどこ?という話なのですが、ひとまず地図でルートを確認してみたところ、サジェストはやはりゴルフ場の外、敷地に沿った歩道が最短距離として表示されました。ゴルフ場内にへばりついているそうめん的な遊歩道もしくは林道のうち1本がMenlove Av.に続いているので、ここが件の小道の可能性もありますが、気になるのは…
このちぎれ何や!
これ非常に怪しいので、ストリートビューで事前に確認してみました。
ビンゴでした。通れなさそう。住宅の敷地とゴルフ場の敷地がフェンスの門で区切られている境があのそうめんのちぎれだったようです。この門に鍵がかかっている可能性も非常に高く、何よりこのそうめんルート、さほど近道ではないので、わざわざジョンが遠回りをして帰宅するだろうか?との疑問が残ります。このサジェスト通りに歩いたほうが確実に時短になると思うんですよね。まぁ、遠回りして帰りたい日もあったでしょうけど。
なので別ルートが該当の小道と見て、捜索を続けました。どこなのー?
余談
ところで、こう思っている方いらっしゃいますか?「ゴルフ場ってゴルフしない人でも入れるの?歩けるの?」
これがね、入れるんです!歩けるんです!
ゴルフの聖地St Andrewsくらい開けていてゴルフ場として見た目かなり独立しているところだと気軽に敷地内を散歩♪とはいかないかもしれないですが、Allerton Manor Golf Clubは敷地内にゴルフ客以外でも利用できるレストランやバンケット会場などが併設されているので問題なく敷地内に入ることができます。
また、自然公園の中にゴルフ場があるパターンもあって、それがこちら。ロンドンから電車で40分ほどののどかな町SevenoaksにあるKnole Park Golf Clubです。
このゴルフ場があるKnole Park、ナショナルトラストの自然公園なのですが、実はここ「Penny Lane」と「Strawberry Fields Forever」のMVが撮影された場所なのです。
スポッティングついでに何度かピクニックに行きましたが、特に公園とゴルフ場の敷地を分けていないどころか、ホールの間に遊歩道があったりするので、ゴルファーと歩行者が気を遣い合わないといけないのがめんどくさい。たまに歩行者に怒鳴っているゴルファーとかもいるので、そういうの見るのも嫌だなーとか。ゴルファーからすれば、歩行者に悠然と行く手を歩かれたらいつまでも打てないのでイラつくのも分かるんすけどね。でも”ボール注意”とか”ゴルファー優先”の注意書きも小さすぎるんよ。分らんよ。
しかもこの公園、野生の鹿もいるのでゴルファーは鹿にも気を遣わないといけないんですよね。グリーンにいる鹿を追い払うゴルファーを遠くから見るのは面白いのですが、もう、なぜ公園の中にゴルフ場作るん?
「Strawberry Fields Forever」の現場なんか特にそうで、ゴルフコースなのか遊歩道なのか全く境目が分からないところがあって、あの木を探すために気が付かずにホールの上を歩いててゴルファーに何か言われた時にゃあ、なぜっ公園の中にっゴルフ場作るんっ?!としか言いようがなかった。ちなみに、あの木は嵐によってなぎ倒されたため、やむなく伐採されたそうで現存しておりません。
大きな自然公園なのでゴルフコースが全くない遊歩道だけのエリアや、ナショナルトラストが所有する歴史的建造物Knole Houseもあります。(建造物への入場は有料、自然公園は無料)春夏・初秋の時期は弁当を持ってちょっと長めの散策をするのにはとても最適な公園ですよ。
捜査に進展あり
ではルート捜査に戻りましょう。Allerton Manor Golf Clubのウェブ内にこんな記事を見つけました。
60年代というのがビートルズ史からして間違いではありますが、”当時、ゴルフコース内に公道があった”というのは施設側の証言として信じてもよさそうです。
また、こんな記事も見つけました。ゴルフに特化したウェブサイトのようで、ジョンとポールについても言及しているAllerton Manor Golf Clubの記事です。
ゴルフ記事なので出典が信用できませんが、ゴルフコースや ”遊歩道” との記述があります。なのでゴルフコースの間を抜けるような道が、先述のそう
めん以外にあるのかもしれません。
ちなみに上記記事でポールが語った内容は、「夜にギター弾いて歌いながらゴルフ場を歩いていたら警官に止められたので ”逮捕される” と思ったら”ギター教えてくれ”と言われた」という、マッカトニー・ポールすべらない話でした。
もう一度マップを見ます。今度はズームしてみましょう。
そうめん増えた!
しかも、当初のサジェストルートの道はゴルフ場の敷地外だと思っていましたが、これ敷地内っぽい。ゴルフコースを抜けるわけではないので、先に紹介した記事の記述とは異なりますが、20 Forthlin RoadとMendips間の最短ルートだということを考えると、ジョンとポールが歩いた可能性大。ここや!!!!!
ということで、このルートを歩くことにしました。
Mendipsに帰ろう
(以下、気持ち「はじめてのおつかい」ナレ風に読んでいただけるとありがたいです)
この日もレノン君はマッカトニー君の家で曲作り。そろそろ帰る時間です。マッカートニー君と弟のマイク君にバイバイを告げて、Mendipsまで愛用のギターを担いで帰ります。
マッカートニー君が住んでいるのはカウンシルフラットが立ち並ぶ地域。レノン君が住むMenlove Av.とは違い、ブロックのフラット(アパート)やデタッチド(長屋)の家が多いです。だけどとても静かな地域。バス停も近くて中心部に行くのに便利そうです。
バス通りを渡るとMenlove Av.に似た大きな家が並ぶ地域に出ました。奥の緑が生い茂っているのがゴルフ場です。
あ、ゴルフ場の入り口が見えてきましたよ。
敷地内に入りました。9月、暑さが和らいでもまだ緑が残る良い時期です。
二股になったところで道案内が出てきましたね。ここが増殖したそうめんのポイントのようです。あらあらレノン君、どの道を行くのか考え中。近道は青のルートですね。Menlove Av.に出るとも表記があります。ではここを左に行きましょう。
Once there was a way to get back homeward
ここからミミおばさんの家まで7分、直線の道です。
直線の道の始まりにPublic Footpathの標識がありますね。さぁ、レノン君早く帰りましょう。ミミおばさんが食事を作って待っていますよ。
なかなか細い道です。レノン君はギターをケースにちゃんと入れているんでしょうか?あるていど整備されている道ではありますが、ギターむき出しのままだと、枝がギターに当たってしまいそうです。
右手にゴルフ場が見えてきました。平日なのに何人かゴルフを楽しんでいる様子が見えますね。レノン君はこの数年後にここでマッカートニー君たちとフォトセッションを行いますが、今は先を急ぎます。
晴れてはいますが、足元が少しぬかるんでいますね。レノン君、気を付けて。
あららレノン君、少し疲れたようです。古い石垣に腰を掛けてちょっと休憩です。
車の音がかすかに聞こえてきましたよ。Menlove Av.までもうすぐでしょうか。道も広くなり、舗装されていて足元はもう安心。
街灯君に挨拶をしていると、、、
あ、Menlove Av.が見えてきましたよ!
Menlove Av.です!レノン君、見慣れた風景に疲れも吹き飛びます。
お家まであと少し、レノン君、頑張れ頑張れ!
着きました!レノン君、24分の道のりをギターを担いで1人で帰りましたよ。おや、ミミおばさんが玄関先でしかめ面。レノン君が家に入る前に眼鏡をかけているところを見ていたみたいです。
ミミおばさん、大丈夫ですよ。レノン君は10年後、ちゃーんと毎日眼鏡かけるようになりますから。
実際に歩いてみて
ということで、20 Forthlin RoadからMendipsまで、ジョンとポールが歩いていたであろうゴルフ場の遊歩道を歩いてみました。写真やメモを取りながらで35分かかりましたが、普通に歩けばマップのサジェストどおり25分ほどだと思います。
で、思ったのが、多分ここ2人はそんなに多頻度で歩いてなかったかも。というのも、プチ獣道だったんですよね。いくら最短ルートでもここを毎回通るのは厳しいかなと。舗装されている部分もほんの一部なので、雨が降ったら一発で泥道になると思いますし。さらに640メートルの道中、ひとつしか街灯が無かったんですよ。これ日没後は真っっっ暗になるはずです。当時はほかに街灯があったのか、もしくは夜間営業のゴルフコースから漏れる明かりで十分だった可能性もありますが、どちらにしろド近眼のジョンが眼鏡かけてなかったら、めっちゃ危ない!
なので、やはりゴルフコース内の何らかの道を近道として歩いていた説が有力だと思います。しかしその道、今は存在しない可能性も高いですが…。先ほどの道案内をもう一度見てみましょう。
やはりゴルフコースを抜けてMendips近くのMenlove Av.へ出る道というのはない、というかゴルフ客以外がゴルフコースに入ることを推奨していないように思えます。もちろん入場パスなどが必要というわけではなさそうなので、コースに入って公道の有無を確認すること自体は可能だと思いますが、ゴルファーとのトラブルにつながりかねないので私はコースの中まで入ることは控えます。また、これから個人でスポッティングをしようとする方にもあまり推奨はしません。中まで入って万が一トラブルになった場合、どう考えてもこちらがゴルファーの邪魔をしていることになるので、詰められたら公道を探すどころか逃げ道もなくなりますからね。
また、今回紹介したこのプチ獣道を歩いてみようかなという方。以下の点ご留意ください。
・晴れの日でも湿っていたので、雨の場合は足元かなり注意。布靴・ヒール・パンプスとかだと後悔する。ビーサン?サンダル?汚れたいの?ケガしたいの?
・夜は行かない、昼間でも曇りの日などちょっとでも暗かったら絶対行かない
・できるだけ1人で行かない、後方に注意
・閉所恐怖症の人にはおすすめしない
といったところで20 Forthlin RoadからMendipsまで、ジョンの帰り道レポを終えたいと思います。
もいっこ余談
ジョンがポールの家から帰る時の、このマンガみたいなエピソードがめちゃくちゃ好きなのでレポのシメに残しておきます。
Paul McCartney on Buddy Holly and writing with John Lennon
バディ・ホリーが出てきたのはジョンにとっては良かったことだよ。ほら、それまで眼鏡ってダサいって感じだったから、女の子なんかいるとジョンは眼鏡はずしちゃってさ。そうなったらコウモリみたいに何も見えないのに。でもバディが出てきたら、「俺も眼鏡かける」って。
ジョンはよく僕の家に来て一緒に曲なんか書いててさ。あれはクリスマスの時期で、その日も僕の家から自分の家に帰ろうとしてたんだけど、帰る途中で女の子に出くわした時に備えて眼鏡かけないんだよ。で、その次の日にジョンに会ったらさ、、、
J:Booker Avenueに住んでるやつら知ってる?あいつら頭おかしいよ。俺、昨日の夜何時にお前んちから帰ったっけ?
P:知らんけど、23時半とかじゃない?
J:やろ?昨日Booker Avenueのその家通ったら外でトランプしてたんだよ!家の外でよ?夜よ?なのにまだトランプしてんだよ!!
P:やば!
で、見に行ったらさ、nativity sceneだったんだよ!
マリアとヨセフがベイビーキリストを取り上げようとしてるとこなのに、トランプしてるって何だよ!もう、ジョン眼鏡かけろやー!
ロン:そら、コウモリだなー。
ちなみにポールの家からBooker Avenueを通ってMendipsへ帰る大体のルートはこちら。
わりと大きな道なので、当時もばっちり街灯完備だったと思われます。ド近眼&裸眼の夜道でも安心ルートを選んでいるレノン君でした。
Please Place Me③へ続く。