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その29:ただの日記
ついに体調を崩してしまった。
起きた時から頭が痛い。首の後ろから後頭部にかけて、ゆっくり殴られるような痛さ。
ここ最近の不調はすべての前触れだったのかもしれない。だとしたら無駄に精神状態を深読みして悩んだのも、それが原因で揉め事になったのも、身体にわがままをいって負荷をかけたのも大失敗だったということになる。とにかく苦しい。
横になっていても調子は戻る気配はないけれど、薬より休息が全快への近道だと信じてなるべく通院を避けてきたこれまでの人生があるので、とりあえず水分だけ摂取して寝る。何度も眠りに落ちる寸前までいっては意識が戻ってきて、何度もイラっとする。
諦めてスマホで海外ドラマを見始めた頃にようやく本物の眠気がわたしを救ってくれた。体調悪い時に特有の、"逃げたいのに体が思うように動かない"系の夢と一緒に。
目覚めは最悪だった。現実世界の私がちゃんと生きててよかった。それに、私は夢の中の自分ほど勇敢な行動ができるタイプじゃなくてよかったと心底思った。
夜ごはんは、弱った身体に優しいものに惹かれた。思い出してみると朝からまともに食べていなかった。美味しいものを口にすることが日々の幸せである私としたことが、食べてないこと自体を忘れるなんて、、信じられない。どうしちゃったの。
身体に優しい定食はとっても優しい味がして、「普段ならこんな量じゃ満足できないなあ」って考えながらデザートのゼリーまで食べてあったかい煎茶を飲んでとっても満たされた。そういえばご馳走になったのは小学生の頃の後輩のお店で、常連のおばさまはずっとパリへの憧れを語ってた。あと外国人の男の話。名前はジョンソンだったかな。
夜中に「ポカリ飲みたい」と呟くと、10分後には枕元にポカリとコップが用意された。小さい頃から熱が出ると飲みたくなった、バヤリースのオレンジジュースの味と少し似ていると思った。果汁感が全く感じられないあの味。
体調を崩すと優しくしてくれ人がいて、当たり前の食べ物や飲み物と普段の生活のありがたみ感じる。そんな幸せに気づかせてくれるのだからたまにはこんな日も悪くはい。
そんなわけなかろう!
健康第一に決まってる!
はよ体調戻ってこってりラーメン食べたい!
ずっと寝てたから眠くないの!
おやすみなさい!おわり。
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