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Shopifyの管理画面自体のカスタマイズに対しての限界と対策
Shopifyは非常に柔軟で安価Saas型のECプラットフォームであり、アプリやShopify Plusを利用することで多くの要件に対応できます。しかし、いくつかの特定のカスタマイズについては、アプリやPlusをもってしても対応が難しい場合があります。
以下では、その例と理由を詳しく解説します。
1. Shopifyの管理画面自体のデザイン変更
問題: 管理画面のUI(ボタン配置、配色、レイアウト)をカスタマイズしたい。
理由: Shopifyはクラウドベースの標準プラットフォームとして設計されており、管理画面自体のカスタマイズはセキュリティと一貫性の観点から制限されています。
代替案: Shopifyの管理画面をそのまま利用し、外部のERPやCRMシステムと連携して、独自の管理インターフェースを構築する。
2. チェックアウト画面の完全カスタマイズ(Shopify Plus以外)
問題: ユーザーごとにカスタマイズされたチェックアウト画面や、複雑なフロー(例: 商品選択後の個別承認)を実現したい。
理由: セキュリティと決済プロセスの標準化を守るため、Shopifyのチェックアウト画面は大幅なカスタマイズができません。Shopify Plusでは一部の変更が可能ですが、それでも完全な自由度はありません。
代替案: Shopify Plusを導入するか、サードパーティのチェックアウトサービスと統合する※ただしこれでも制限あり
3. 商品オプションやSKUの大幅拡張
問題: 複雑な商品オプション(例: 何百種類のカスタムフィールドやオプションの組み合わせ)を設定したい。
理由: Shopifyの商品管理機能には上限があり、あまりにも複雑なSKUやカスタムフィールドの管理には現状対応できてません。
代替案: アプリ(Infinite Options など)を使用。ただし、完全な独自仕様は外部システムの活用が必要。
4. 複雑な価格計算や通貨設定
問題: 商品価格をリアルタイムのデータや顧客ごとの条件に基づいて動的に設定したい。
理由: Shopifyの価格設定は静的ルールを前提としており、複雑な動的価格計算は標準機能ではサポートされません。
代替案: 外部の価格管理ツールを利用して価格を計算し、Shopifyにインポート。
5. 多言語管理の完全自由化
問題: 管理画面から言語ごとに異なる商品説明やキャンペーン内容を完全に独立して管理したい。
理由: Shopify Marketsや多言語対応アプリでは、言語ごとの柔軟な運用には限界がある。
代替案: 言語別に個別のShopifyストアを作成する。
6. 特定の法規制に完全準拠
問題: 特定国の法規制(例: 中国の電子発票、ドイツの税務報告)に完全に対応したい。
理由: Shopifyはグローバル向けに設計されており、各国独自の規制への完全準拠には追加開発が必要です。
代替案: 法規制に対応した外部システムをShopifyと統合。
7. 特定の業務フローの完全統合
問題: 見積書作成、承認プロセスなど、BtoB特化の業務フローを完全にShopify上で管理したい。
理由: Shopifyは主にBtoCに特化しており、BtoB特化の業務管理には制限があります。
代替案: CRMやERPとの連携で部分的に対応。
以下弊社では上記のような要件に対応するべく別プラットフォームであるMagentoでの対応を提案させてもらっています。
Magentoならできること
Magento(Adobe Commerce)は、高度なカスタマイズ性を持つオープンソースのECプラットフォームであり、Shopifyでは難しい以下の要件にも対応可能です:
完全なUIカスタマイズ
管理画面やチェックアウト画面を含むすべての画面を自由に設計可能。
必要に応じて、管理画面自体に新しい機能やセクションを追加できる。
SKUや商品オプションの無制限管理
商品オプションの数やSKUの制限がないため、複雑な商品構成でも運用が可能。
動的価格設定
顧客の属性やリアルタイムデータに基づいて、動的に価格を計算するロジックを実装可能。
完全な多言語・多通貨対応
多言語、多通貨の完全独立管理が可能。国や地域ごとの完全独自仕様で運用できる。
高度なBtoB機能
見積書の自動生成、カスタマイズされた価格リストの提供、顧客ごとの特別な契約条件の管理などを標準機能で提供。
特定国の法規制対応
柔軟な税計算設定や、国ごとの特定の法規制(例: EUのGDPR、中国の電子発票)への準拠が可能。
結論
ShopifyはBtoCや小規模で特別な要件が少ないBtoB運営には安価で最適ですが、ある程度の規模や複雑なワークフローなどが存在する事業者様で完全独自仕様を求める場合やにはMagentoの方が開発費/運営費ともに嵩みますが適しています。