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ファミリープランの小冒険

 人口2万人ほども町で育ちました。

 ど田舎というほどではありませんが、東京などとは比べようもありません。家は駅の近くで、一応駅前には商店街もあります。

 その中には薬局もあり、店の前に「ファミリープラン」と書かれたスキンの自販機が置いてあります。

 子供の頃、これが何となくエッチな物だとはわかっていましたが、実物を見たことはありませんでした。

 どうしても興味を押さえられず、夜中に買いに行くことにしました。
田舎なので、夜は早いです。
両親も近所の家も11時を過ぎれば、寝てしまいます。
私は当時流行っていた深夜ラジオを毎日聞いていたので、夜中まで起きています。

 皆が寝静まった頃、100円玉を握りしめて、駅前の薬局に向かいました。周囲にひとけが無いことを確認して、緊張でドキドキする中、投入口に硬貨を入れて、レバーを回します。

 「ガチャン」と音がして、タバコの箱くらいの物が落ちてきました。
すぐにポケットに入れて、家まで大急ぎで帰りました。
実物はただのゴムの袋で、期待していた何かもっとエッチな物ではありませんでした。

 少しがっかり、、、一瞬で期待が霧散してしまいました。
その後、これをどう処分したか覚えてはいません。母親に見つからない様に捨てたのだと思いますが、、、

 自販機でお酒を買ったのが人生初の冒険という友人もいますが、私の場合、このファミリープランが人生初の「小冒険」でした。

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