「ファミレスを享受せよ」で飲んだことないドリンクバーを享受した
「ファミレスを享受せよ」というフリーゲームをやりました。
ブラウザですぐできる。これです。
やったので感想を書いていきます。
未プレイの人のためにどういうゲームなのかざっと説明すると、作者の方からは「永遠のファミレスに迷い込むゲーム」と説明されています。
ジャンルとしてはアドベンチャーゲームで、逆転裁判の探偵パートとかが近い。
テキストが主で、いろいろ調べ回って話して回って遊ぶ感じです。
全体的にミステリアスな雰囲気で、絵がおしゃれで、音が簡素ながらかわいい感じがして良くて、ちょっと怖いような、穏やかなような、確かに「永遠」の雰囲気が漂う不思議なゲームです。
プレイ時間30分って書いてるけどほんとはたぶん2時間くらい。まあ触るだけ損しないしすぐ始まってセーブもできるので、気になったらどうぞ。
とだけ書き残して以下ネタバレ有りで感想を書いていきます。
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言いたいことが一個だけあって、ドリンクバーが良すぎる。知らんドリンク飲むの楽しみすぎた。
しかも味が変な味する。飲む前に消えるとか、案外梨みたいで美味しいとか。
これが映画やアニメや漫画だったら、主人公が飲む姿を傍から見て、どういう味だった、と主人公が喋るのを聴くことになる。僕らは「変なジュースを飲む人を見ている」という体験をすることになる。しかしこのゲームはテキストベースなので、主人公は飲んだ感想をテキスト上で思考する。僕らは客観的にじゃなく主観的に、「変なジュースを飲む人になりきる」という体験をすることになる。これはすごいことである。文章ってすごいなと思った。創作ならどんな夢でも描けるし見せられるとは前から言うけど、文章はそれを追体験させることすらできる。どんな感覚でどんな気持ちになったか文章で書けば、その感覚を想像する助けになる。普通の映像よりVRのほうが臨場感あるみたいなもんで、うまい文章はそもそも臨場感がある。
……という深読みみたいなことを思って、うわあ~すげえとびっくりしたのでした。後半ストロー挿すとまた違った反応になるのも面白かった。
雑多に書きたいこと書いていくか。全体的に雰囲気がとてもよい。
シンプルな色使いとか、粗目に引かれた線とか、枚数の控えめな絵とかが、かえって味があって良い。情報量は少ないんだけどそれを不自然にさせないような、「制約の中で最大限表現してます」って感じがする。
作者の方がブログに書いてたが実際そんな効果がある気がする。テキストボックスの小ささもそうだし、ゲーム画面が小さいのもそんな気がする。引き延ばしてアップにされるより小ぢんまりとしているほうが良い。
ストーリーはそこそこ謎が残っている。いや考えればまあまあわかりそうなんだけど、あんまり詰めて考える気になれない。ミステリアスな部分が残った後味も含めてこのゲームの良さだとしたい。眠くて考えるのが面倒になっただけかもしれない。
キャラクターよかったな。ガラスパンっていう名前すごい。良きです。
間違い探しの難易度がヤバすぎる。後半しらみつぶしに画面クリックしまくった。
総当たりやんのまじか? と思ったが それぞれに数字みたいなのが10個あって16桁あるので、パターンは10の16乗で1000兆通り、仮に1回試すのに1秒かかるとすると3000万年かかることになる。1秒に100通り試せるとしても30万年。
これは総当たりではないなと確信したところで、今度はゲーム内にある16桁のヒントを探したところ、URL「oissisui.itch.io」が奇跡的に16文字であることを発見。これだ!と思いなるべくこれを再現する形でぽちぽち試していったところ、総当たりでやりますか?と聞かれてああなるほどと納得した。危うく存在しないヒントを探して数日悩むところだった。
ここ200年くらい考えてたTRPGが完成したから20年かけて遊ぼうの誘い、狂気が過ぎるんだよな。テキストがおもろい。
エンディング、王に薬を飲ませるかどうかの二種だと思ってたんだけどどうも違うらしく……もうちょっとやるかも。ちゃんとトゥルーエンドがあるらしい。寝る時間になっちった。
良い文章、いいな。良いゲームでした。おやすみなさい。
朝起きてムーンパレスにいたらどうしようか? とりあえずりんごジュースでも飲んで落ち着くかもしれない。