ヱヴァQ解説・ダイジェスト文字起こし
先日僕の放送「山田玲司のヤングサンデー」で、問題の「ヱヴァQ」の解説をしたのですが、観てくれてた人から「熱い感想」と「放送の文字起こし」を送って頂いたので公開します。
(以下メール抜粋)
山田玲司ほどエヴァンゲリヲンを楽しんだ方は居ないのでは❗️
もう何と言ったらいいのか、あれほどの鬱映画が 山田玲司の解説で息を吹き込まれ、バラバラのパズルのピースがぴしーっと整列して、一つの生命体というか、何かが現れて来た感じがあります。
この解説を聞かなかったら映画を観ても時間の無駄になるところでした。
↑というありがたい感想と共に今回の放送で僕が語っていた「キーワード」を上げてくれましたので、いくつか紹介します。
⭐️『闘って来た男の象徴としてのアイパッチ』
⭐️「70年代は傷ついた男がヒーローで、何なら改造されてますからね。」
(これはアスカのアイパッチに関する言及です。70年代ヒーローは「傷を追っている」のですが、その引用です。)
⭐️『魂の全裸監督』
(↑最高の褒め言葉です。)
⭐️『メカと女とスノビズム大好き、そんな自分が大嫌い💔』
(↑これぞエヴァマインド。)
⭐️「ぬるいエコロジー思想へのカウンター」
(↑赤い海と海洋研究所などに関して)
⭐️「シンジって何かっていうと、イノセントなわけです。純粋な心を持った素直な少年な訳です。
80年代マナーではイノセントが一番強いんです。
どんなものよりも無垢な心があれば勝てるんです。
これが絶対なんです。
80年代のオタクカルチャーをずっと見てきた人たちは
何を根拠に勝てるかというとピュアな心な訳なんですよ。
それが良く無いんだよねーって言われてるんですよ、これは。
アラレちゃんがそうです。みんな無垢だから強いんです。
それでそのイノセントの否定
イノセントが絶対だという、
イノセント無敵主義の否定という
80年代完全否定だし、我々の存在の全否定
なんて恐ろしいことをやるんだろう。たまらない。」
(↑↓80年代に絶対正義だった「イノセント」への疑問について)
⭐️「ポストモダンがずっと言っていたの。逃げろ逃げろ、ずらせずらせなんちゃってで行け、真面目に考えるな真面目に巻き込まれるな。それが全体主義に対する戦い方だったんだ。ただし、それを肯定すると現実変わらないんだよ」
(↓は槍を抜けばいいと盲信するシンジが表現するコンテンツの問題)
⭐️「何かさえすれば、世界は助かるってアニメはやりすぎなんですよ。
あらゆるコンテンツが、聖杯さえあればドラゴンボール集めれば、とかわかりやすいゴールを盲信して直接突っ込んでいく
これが子供なわけガキなんです。世の中はもっと複雑なんですよ。」
(ここから先はカヲルの正体が「帰ってきたウルトラマン」でありという僕の仮説から、シンジ(=ウルトラマン世界から出られない永遠の14歳《庵野監督とそのファン》)を救済するために「自死」を選択する、という解説に関しての文字起こしです)
⭐️「助けに来たウルトラマン(カヲル)は隣にいるんだけど、壁があってさわれないわけです。ヒーローという偶像の限界について描いている。
隣にいるんだけど、壁があってさわれないわけですよ。」
⭐️「(帰ってきたウルトラマン・カヲル)はヒデの代わりに死ぬんです。槍を自分に刺すんです。帰ってきたウルトラマンは帰ってきたウルトラマンを殺さなければ、オタクは救われないんです。」
カヲルの正体に関してはもう1つ「イマジナリーフレンド」であり「バロム1」の相棒の少年、という話もしてます。
ここからは「ヱヴァ破」における過去作の否定と庵野監督の本当の気持ちについて。
「破は、異化効果のちょっとずれた嘘の演技と嘘の表現でね、『お前ら本当はこういうの見たいんだろ?』ってショーをやってる・・あれは完全に自虐ショー。本当のミサトは『愛よ』なんて言わないしね。
『愛よ』ってミサトにわざと言わせて『これに引っかかるやつバカだよな』って思っているとこあるんだと思うんだよ。
でも彼は「もっとわかってほしい」から嘘つくんだよ。
オタク第一世代は純度が高くて期待値が高いからわかってほしいわけ自分を。
庵野秀明はわかってほしいから嘘までつく。嘘の予告編までやる。
「なんちゃって」のノリでやるんだけど、その裏で泣いている俺わかる?ってやるわけ。
めんどくさいでしょ?そのめんどくささQで完全に出てますよね。」
以上 文字起こしの1部分でした。
前半は無料で観られます。https://youtu.be/9qVCac8ATVA
後半を含む僕の7年分の全ての動画はこちらから
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