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個人的な趣味嗜好の話

最近のエントリが、なんだか説教臭くめんどくさいものになってるので、今回はただ個人的なお気に入りの話をします。オッサンの説教なんて飲んでて聞かされても不快なんだから、こんなところで書かれてもウザいだけですよね。なのでオタクの細かい話をします。(全く解決してない

「波よ聞いてくれ」

マンガが好きです。どのくらい好きかというと、その作品の世界にどっぷりつかりたいので雑誌は買わずに単行本だけ読み続けて、かれこれ蔵書は5000冊はくだらないだろうってくらいには好きです。大学入学時に実家に置いていくマンガの数数えただけで3000あったので(迷惑)、5000どころの話じゃないかもしれません。今はkindleもあるからセールもあれば大人買いも安易にやりますしね。いくら使ったかとか計算したくもないので正確な冊数はわかりません。

そんな私なのでお勧めしたいマンガなんて山とあるんですが、最近ハマった作品が沙村広明先生の「波よ聞いてくれ」。

実はこれはラジオを舞台にしたラブコメ作品です。Kiss FM KOBEさんでお世話になり始めてから「聞きやすいラジオってどんなだろうなー?」とか時々考えるようになって、そういえばラジオのマンガがあったなぁと思って手に取ったんですが、まぁこれが面白いのなんの。

ラジオのノウハウなんて皆無なんですが、ラジオを扱っているせいか、比較的台詞が多い作品です。台詞が多いと説明的になってしんどくなるんですが、これがテンポがメチャクチャ良くて全く気にならない。というかコントみたいでむしろ台詞回しが最高に面白い。そこがまず凄い。

主人公は鼓田ミナレという女性で、彼氏と別れて飲み屋で荒れてたら隣に居たナイスミドルのオッサンに絡んでしまい、実は彼がラジオのプロデューサーで、それを隠れて録音されてラジオに流されたことからラジオの世界に巻き込まれていくというストーリーなんですが、そこからはラブ要素は控えめに、心霊現象を確認しに行ったり、宗教団体と争ったり、引きこもりを家の外に叩き出したり、地震が来たりと、ラジオのネタを探しに行けば大事になるという展開が続きます。

割と重たい内容に触れながらも、主人公の直情径行にして他人に影響してしまう圧倒的パワーで「皮肉は入りながらも、なんとなく悪くない」終わり方をさせるところがとても魅力的で、沙村先生の懐の深さを感じます。

ラジオ局にもしっかり取材をされているので、放送ブースやオフィスの感じなんかがキッチリ描き込まれているのもいい。(ホントにあんな感じです。)

まぁ実際にあんな内容でラジオやったらえらいことになると思いますが。(爆笑   まぁちょっとやってみたい気もする(やめろ

沙村先生といえば代表作は傑作「無限の住人」です。敵討ちをテーマにした時代劇作品ですが、とにかく殺陣の迫力とスピード感が凄まじく、それでいて画力の高さでデッサンが全く崩れないのが本当に素晴らしい作品です。

そんな血生臭くてカッコイイ作品を描かれていた沙村先生がラジオを舞台にしたコメディで最高な作品を描かれるとか、どんだけ才能をお持ち何だろうとほれぼれします。

というわけで、沙村先生の作品はどれもおススメですが、「波を聞いてくれ」、興味が湧いたら是非手に取ってみてください。作品をそのまま載せることは出来ませんが、最後に物語冒頭の主人公が絡むシーンのセリフ回しを少しだけご紹介して今回の結びとします。笑

「麻藤さん歳当ててみせましょうか?53でしょう?!」
「いや、49。どっからきたんだその端数…」
「眉毛の形が私の父親と同じなので同い年かと…いやぁお若い!!」
「光雄はね…あ、別れた彼ですけど、福岡の出身だったんスよ」
「へぇ…俺と同じだ」
「マジですか!私今ちょっと麻藤さんのことキライになりかけました!この手羽先くれたら元に戻ると思います」
「…こういうタカられかた初めて見るね」

ずっとこんな調子です。そして時々すごく知的教養的なツッコミが入ります。最高です。コロナのお家時間を彩りあるものにするために、いかがですか?




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