続けてきた組織が役目を終えた時
これちょっと言葉にするの難しいんですが、がんばって書いてみます。
長く続けていると意味が変わったり役目を終えたりする
最近とある公益社団法人のお仕事を無償でお手伝いする仕事をしているのですが、よりによって私がお手伝いするようになってから深刻な危機を迎えました。遺伝か祟りかな?ってくらい貧乏くじ引く力には定評のあるんですが、乗り掛かった舟には最後までちゃんと付き合うというのも信条ですので、ちゃんとやらせて頂いております。
まだ議論の最中なのであまり詳しくは書けないのですが、とどのつまりは「資金難」です。もう70年から活動を継続してきた歴史ある組織なのですが、その活動に加入してくれる方が減り続け、大手法人に至ってはコストになるからと無視し始める様になってしまい、何とかやりくりしてきたものの、ここに至って問題が表出しました。
他の方がどう考えておられるか分かりませんが、私個人はこういう事案に当たった場合「はて?これを維持する必要はあるのか?」ということをまず最初に考えてしまいます。「必要とされなくなったから破綻しかけているのでは?」と疑ってしまうからです。
色々勉強した結果、この組織については無くしてしまうと地域社会的にマイナスがある上にその仕事が全て別の役所に回ってしまうだけだと判明しましたので、何とか維持したほうがよさそうだという理解をし、他の方々と一緒に方策を模索しています。
世の変化は大きいですが、何十年も続けていると世間の価値観が変化して意味や役目を変えたりしないと残れない物がこの様に出てくることが往々にしてあります。少子高齢化で無理が来る場合もあります。私個人の経験に限って言えばここ数年でやたらとそういうケースに当たります。
やめてしまった例
止めてしまった例も挙げておきましょう。
当社では15年にわたって「エコアクション活動」という環境省の取り組みに参加して、省エネや廃棄物削減を通した環境保護活動をしてきました。毎年審査を受けていましたが、この度私の判断で退会しました。
退会の理由は「エコアクション活動を通した環境保護活動よりも、審査に対応するための仕事量のデメリットの方が大きくなった」からです。15年も続けたので「社員たちが審査なしでも自主的にエコ活動を続けることは出来る」ということが分かったこともあります。
当社も働き方改革は待ったなしであり、仕事を減らすことは上役から言ってやらないとなかなか難しいため、私の判断で辞めさせました。費用対効果と優先順位の問題です。
個人と組織の「長く続ける意味」の違い
以前このnoteでも触れたことがありますが、個人においては「継続は力なり」というのは間違いありません。運動でもピアノでも習字でも情報収集でもなんでもいいですが、長く積み上げたことにはとても価値があります。プロでなくとも上手になっていきますし、ノウハウであれば他人から見たらとんでもない高さに積みあがるからです。
他方、組織そのものであったり、組織の役割というのは全く別で、長く続ければいいのかというとそうとは限らないという事が非常に多くなります。要因は様々あると思いますが、組織内で利害関係や利権が発生してしまったり、メンバーが世代交代する中で設立当時の理念が失われてしまったり、持っていた機能が社会から必要とされなくなったりといったところが良く目にするところです。
最近「おー」と思ったのはこれかな。
昨今PTAという組織の在り方がよく話題になります。負担と効果のバランスや差別のようなものが問題になっています。今や子育て世帯の6割以上が共働きですから、まぁ地域活動のようなものは難しいのもあるのだろうなぁというのも想像に難くありません。
「こんなに負担しているのに我々だけ」「私達だって忙しいので無理なものは無理」「本来教師が負担すべきではないのか」「我々(教師)もこれ以上の負担は無理」「金銭で解決できないのか」まぁこんな言い分が飛び交っていて結論は出なさそうですね。
組織の再定義は難しい
一定の目的で設立された組織が役目を終えてしまっていたり、その役目そのものが時代に合わなくなってしまった場合、再定義して新たな目的を与えることは簡単ではありません。往々にして組織には約款といますか規定のようなものがあり、そこに様々なルールが定められており、新しい目的にそぐわないことが多いからです。また、関わる人たちが反対することも多いでしょう。
ではどうするかというと、やはり「一旦解散する」というのが正解であろうと私は思います。ところが、ある程度続いてきたものを解散させるというのはなかな決断できることではないですし、解散させようとするとコミットしていた人たちが反対するというのが定番です。じゃあどうしたらいいのよとなりますが、こういった形でそこら中で身動き取れなくなってしまっているのではないかと思います。先ほどのPTAも何らかの決断が出来た地域は限られるのでニュースになるわけです。
会社の場合は別
企業の場合は別です。権力がトップに集中しているからです。普通は社長が「右」と言えば右なのです。反対意見も出るでしょうし、嫌気がさして辞める人も居るでしょうが、組織そのものは右を向きます。ただ、割と大きな組織で権力争いをしているとこれもダメです。
当社は私の代になってから会社をすっかり変えてしまいました。安売りもどんどん止めて、取引先から恨み言もずいぶん言われたようで、営業担当には苦労させました。辞めていく人も居ましたが、そのままでは会社が死んでいく未来しか見えなかったので仕方ありません。これが正解だったのかもまだ分かりませんが、そこのリスクは取らねばならないのです。
会社組織の場合は合議制の組織に比べて変えやすい代わりに、「トップがポンコツ」というのが最大のリスクなのですが、そこはトップが勉強し続けるしか手がありませんね。私のことですけど。
最近経済環境の変化が激しいので、危機感をもって努力を継続せねばなりません。
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