むき出しの感情
ちょっとバタバタするとすぐ更新が遅れます…。
3月のライオン
さて今回は大好きなコミックの紹介から。
ご存じの方も多いかもしれませんが、「3月のライオン」という作品があります。
作者は櫻井翔さんと蒼井優さんでドラマ化もされた「ハチミツとクローバー」という作品でも有名な羽海野チカ先生です。私これまでの人生で1万冊はマンガ読んで来てますが、羽海野先生の作品はポジティブな感情もネガティブな感情も、感情という感情が、心の上に抜き身の刀を置かれるようにヒタリと、それでいて怒涛の様に迫ってくるのが素晴らしい所だと思います。優しい線の画なのに、心をグーパンチで揺さぶってくる、そんな感じです。
「三月のライオン」は居場所を失った主人公が将棋を通して心を取り戻し、大人になっていくお話です。主人公を取り巻く登場人物もみんな何がしか抱えていて、それぞれのエピソードでそのむき出しの感情を放ってきます。泣きそうになりながら読むこともしばしば。
こういうのって「勧善懲悪」型の作品(たとえばドラゴンボールとか)ではあまり起きなくて、「それぞれの立場があってむき出しの感情でぶつかる」お話の方が感動というか、影響されてしまいます。他に有名なところだと「スラムダンク」の「俺は今なんだよ」のシーンとかもそうでした。
むき出しの感情
マンガネタから始めてしまいましたが、むき出しの感情にさらされると、「あてられてしまう」ので感動したり同情したりするのだと思います。高校野球のプレーの一つ一つ、それがナイスプレーであれ、ミスプレーであれ、10代後半の子たちが感情を前面に出してプレーする姿(あるいは隠していたものが出てきてしまう瞬間)に「なんかいいなぁ」と思ってしまうものです。
しかしながら、大人になって社会に出ると、なかなかこの「むき出しの感情」というやつを出すのが難しくなってきます。上司や先輩への忖度ってのもあると思いますし、「わがまま」みたいに取られるのも嫌ですよね。
もちろん「怒る」とか「叱る」とかそういったネガティブな感情をむき出しにされると周囲は仕事がやりにくくなるのでダメですが、「こうした方が絶対いいですよ!」という様な前向きな感情でも難しくないですか?
言い出しっぺになって失敗すると恥ずかしいし、ウザがられるのも嫌だし、職場や仕事に特に期待もしていなくて、淡々とこなしたい人なら尚更感情を出すなんて面倒なだけなので猶更しない気がします。
ではどこで感情を出しているんだろう?と考えると、古くは給湯室や居酒屋みたいなところで、今では人によって使い方は様々ですがSNSに溢れています。SNSは匿名性が高いので良くない感情の爆発もよく見かけます。その他だと仕事柄良く聞いているラジオへの投稿なんかもそうですね。ネガティブなものは運営サイドで弾いているようですが、実は色んな投稿が来てるんだなということはちょっと垣間見たことがあります。それもこれも匿名性ならでは。
それでもやはり人を動かすのは感情の発露
ちょっと話が飛びますが、ユニバーサルスタジオジャパン(USJ)にはハロウィン・ホラー・ナイトというイベントがあります。丁度今年も始まるところですね。
今では複合的なイベントになっているようですが、当初は園内にアトラクター扮するゾンビが溢れて、来場者を怖がらせるという大規模なお化け屋敷みたいなものでした(今ではストリートゾンビという名になっている模様)。これを最初に考えたのはUSJを立て直している最中の森岡さんというマーケティングのプロですが、始めたきっかけは「人は普段なかなか大声を出すなんてことは出来ないから、イベントで園内でおもいっきり怖がってもらって悲鳴を上げたらスッキリする楽しいものになるんじゃないだろうか」という着眼点だったと本にあったと記憶しています。
結果これは大当たりして、今でもUSJの風物詩として続いており、この着眼点は流石だなぁと思うと共に、やはり人間感情はある程度出したほうが良いんだろうなと私が思う根拠の一つにもなっています。
声出してこー
また話がやや飛びますが、よくスポーツ系の部活をやっていると、練習でも試合でも「声出していこうぜ」というのがありますよね。あれは独特の効果があると思っていて、まず「早速割とどうでもいいことを声に出していく」のが特徴です。何故かというと、声を常時発していないと、もっと重要な指示を出さねばならないとっさの時に、声が出ないのです。
大人になって感情を出していくということも同じなんじゃないかなと思います。普段から感情を出すこと、声を出すことを是としておかないと「言われたことだけやる職場」になってしまいます。たまにあるじゃないですか「静かで誰もしゃべらない職場」「訪れた人まで気を使って静かになってしまう職場」というやつが。
私も前職で本社出張するとそんな感じで、「みんな働いてて楽しいの?」(天然ボーイの発想)とか思っていました。私は自分の職場(地方の事業所)でどうしていたかというと、面倒なメールが来た時に「チッ。みんな〇ねばいいのに」とかよく独り言を言っていました。(爆笑
それをたまたま背後で聞いていた他所の庶務さんが「ヒィッ」ってなって、私の先輩に「あの人頭大丈夫ですか?」って本気で聞いていたらしいのですが、先輩は「アレが通常営業なので気にしないでください。呪われた子なのです。」と言っておいてくれたそうです。よかったよかった。(よくない
やはり職場ではその長が積極的に声を出していくのがいいと思うのですよ。「アレが好き」「こんな楽しいことがあった」「こんな失敗をした(笑い話)」そういったポジティブなやつを優先的にです。特に部下と話す時には褒めたり、感謝したり、祝ったりすることを大切にしています。
まぁそれでも私のことが嫌いで斜に構えてる人も居るし、ネガティブ発言が多い人も居ますが、そんなものは全部置いてけぼりです。上がベラベラ楽しく喋っていれば、下も「ああ何でも言ったらいいんだな」と思うものです。前職の上司がそうでしたからね。
ポジティブな感情は出して行ったほうが良くない?
会社では半年に一度全社集会をやっています。対外的には休みになっていますが、出社扱いでやるイベントで、そこでは冒頭から私が半期の業績の簡単な説明と、これからやっていくべきこと、会社の方向の話をします。午後はまた別のプログラムがあるのですが、一貫して意識しているのは「自分のポジティブな思いをまき散らす」ことです。業績だっていつもイイことばかりなわけでは無いですし、その時見つけた良くない会社の傾向を指摘することも有ります。それでも全体としてはポジティブな感情に全員を引きずっていくことにしています。
まぁそれが「ウゼー」と思っている社員も少なからず居るでしょうが、ずっと愚痴ってたりキレイごとばかり並べる社長よりはずっとマシでしょうし、その感情に触発されて「自分も何かやってみたい」と思ってくれる従業員が少しでも居ればその人たちが次のベクトルを作ってくれます。それが狙いです。
学校などでもムードメーカーって居ると思いますが、組織でも家庭でも同じだと思うのです。良いものを作っていきたいならまず先頭からです。
「もっとどんどん発言してくれたまえよ!はっはっは!ところでさっきの提案はまだまだだよ!私の長年の経験ではね…」なんてやってる内はダメだということです。
そして、ポジティブに感情まき散らしてると、そうそう迷惑になることも無く、そして割と生きてて楽です。「他人の目が気になる」という方も、ちょっとずつやると慣れます笑
感情を押し殺して仕事をしていたり、意地悪な人がいるとかそういうネガティブなところにばかり集中しているとどんどんストレスが増えますので、自分からちょっとしたポジティブをまき散らしていくのはとてもおススメです。
従業員のみなさん、クレームは受け付けます。総務課までお願いします。
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