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ほっといたら仕事は増える

私は社会人としてのキャリアを人事総務というバックオフィスでスタートさせましたのでこれは断言できます。

「組織は息をして存在しているだけで時間と共に仕事を増やす」

もう間違いない。

組織とは、ここでは特に企業の中に存在する何らかの目的を与えられて存在する集団を指します。新しい技術を編み出す(研究開発)、新製品を計画する(設計)、作る(製造)、お金の流れを管理する(経理)、人を管理する(人事)、といった具合です。その目的に向かって目標が設定され、日々そのタスクをこなしていくのですが、ただ目標に邁進しているだけのはずが、あちらこちらから横やりが入って仕事が増えます。

例えば

①会社の上の方から新しい仕事や目標を振られる(私がジェラートを始めたようなケース)

②社内の管理規定が厳しくなって書類が増える。(出張旅費精算の領収書提出が細かくなるなどのケース)

③官公庁などの規制が厳しくなり、届け出や書類が新設されたり、提出頻度が上がる。

④人の異動、新人の入社によってよかれと始めた作業が、しなくてはならない業務と後任に理解されてしまう。

などなど枚挙に暇がありません。そしてその結果どうなるかというと、組織は肥大化して人数を増やそうとします。「仕事が回らない」という申し立てが出てくるからです。

事程左様に仕事を増やすことは簡単ですが、減らすことは大変に難しい。「前任者の頃からあったから」「上司の指示だから」となってくると、それでも「この仕事は不要では無いですか?」と言うのは大変に度胸も調査も必要になります。そんなことをするくらいなら、我慢して残業する方が簡単なんですよね。しかしながら、仕事が増えるに任せていると、どんどん人員が必要になって人件費が必要になったり、残業が慢性化して社員が疲労していきます。

だから当社においては、全体を見ているはずの管理職に「この仕事は不要だからやめなさいと部下に言いなさい」と指示してあります。下から仕事を減らす提案は難しいのだから、上から仕事を減らしてあげないとダメです。また上から見ているのだからより代替が出来たり、纏めたり、無くしたりできる仕事が見えるはずです。そうしないと働き方改革はもちろんのこと、最優先の仕事に集中させて部下に成果を出させることが出来ません。必要であれば私の所に判断を仰ぎに来て、その業務を無くせばいいのです。社内で仕事減らし絶賛奨励中です。私が率先して稟議書を大幅減させようとしたら総務部長に怒られました。反省はしていません。

「仕事を減らすことはいいことだ」という文化を根付かせようとしている最中です。これはとても大切であると同時に、従業員に対しては実はとても厳しい内容になります。というのは私を含めた上司からすれば「これだけの仕事を減らしているのに、何故最優先の業務で結果が出ないのか」を詰められることになるからです。ダラダラやっているとすぐバレます。管理が行き届けばよく見えますからね。万が一減らしすぎたって戻せばいいのです。そう、仕事を増やすのは簡単ですから!

勿論、まだこの文化は完成していなくて発展途上ではありますが、残業して頑張ってる風の人を安易に評価せず、仕事を絞り込み、成果をしっかり問う組織になっていくことを目指しています。

私のポリシーは「同じ成果なら、人に聞いてでも早く終わらせて帰った人がエライ」です。社長なんか構わずみんな我先に帰ります。

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