絵を描きはじめたあの頃 目は口ほどに物を言う
19才。1999年3月。毎日、毎日、絵だけを描いていた。バイトも辞めて、彼女とも別れて、絵を描くことにのめり込んでいく。
「顔の絵、描かせて。」100均のスケッチブックとクレパスを持って、自分から声をかけにいく。 「良かったら気持ちをください。」
「言葉でもいいし、1円でもいいし、1000円でもいいし、だめやったりしたら、破ってもいいし、燃やしてもいいし。あなたの絵にたいしての気持ちをください。」
と描かせてもらう。1日5人から10人ぐらい。雨の時は心斎橋商店街や屋根の下で。三角公園で寝転びながら絵を描いていた。10人、20人と描いていくうちに、だんだんと人を選ぶ変化がでてきた。当時のアメ村は個性的なフッションの方達が沢山いた。最初は顔や服装などで選んでいた。だんだんとその人が持っている雰囲気や色、あとは目をみたらこの人すごい人やなーと、わかるようになってきた。目は口ほどに物を言うというけど、ほんまなんやなと実感。モデル、音楽家、編集者、カメラマン、画家、建築家、映画監督、美容師、舞踏家。こうして毎日絵を描く生活がはじまる。