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胃カメラの苦痛はヨガ呼吸でどこまで緩和できるのか

初めての胃カメラ検査。
鼻の奥のみ麻酔してもらう、鎮静剤ナシのスタイルです。

「口に比べると鼻はラクだから!」ときいていたのですが、「ラク」=「余裕」ではないのですね。慣れ親しんだバリウムへの懐かしさといったら!

とはいえ、せっかくの機会。一つ実験してきたので報告します。

ヨガの先生がいつもアドバイスしてくださる、

・丹田を意識し「深くゆっくりした呼吸」で集中
・いっときの喜怒哀楽に執着しない
・流れる雲をながめるように意識を手放す

筆者のヨガ歴=3年

…このような呼吸と心構えで、どこまで苦痛を緩和できるのか。

結論は「一定の効果アリ」でした!

鎮静剤に抵抗のある方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
(ちなみに私は、次回から必ず鎮静してもらいます…)

第一関門|検査前の処置

ソファのリクライニングを軽く倒し、鼻から麻酔スプレーとジェルを入れてもらいます。耳鼻科の診察と同じような処置なので、まだ大丈夫でしょう。

ただ、麻酔2セット目のスプレーからは「むせるかもしれないから、なるべく飲み込まないで」との指示が。不慣れな「~してはならない」というミッションに、やや、緊張感が高まります。

感覚が研ぎ澄まされた鼻咽腔に、ツーッと落ちてくる薬品の苦みとにおい。

【ヨガの先生の声】
良いこともも悪いことも、いっときの出来事です。
「こんなこともある」くらいに流しましょう。
評価したり、くよくよ考えたりしないこと。

諸行無常

ろうそくを消すような細く深い呼吸を繰り返し、処置は完了。

こんなとき、意外にもストレスを軽減してくれるのは、処置室の壁に飾られたルノワールの絵画だったりします。中高時代の美術の授業も、まじめに聞いておくものです。

第二関門|飲み込む瞬間

準備が整うとベッドに寝ころび、検査が終わるまで口元のティッシュに唾液を吐くよう念を押されます。いよいよ胃カメラ挿入。直径6ミリほどの管が、スルスルと鼻の奥にやってきます。

ついに違和感を感じ「ストレスかも…」と思ったところで突然、先生の「ハイ!飲み込んで!」という一声。

なるほど事前のレジュメには、「喉元をゴクンと動かして唾液は飲まずカメラを飲み込んでください」との記載がありました。

これがまぁ、不快というか不愉快というか。唾液なしで異物を飲み込む行為は、幼い頃からしつけられた「よく噛んで食べなさい」の対極にある非常識で、自我との決別ともいえる瞬間なのです。

【ヨガの先生の声】
執着は、いずれ苦しみへと変わります。
「~ねばならない」ではなく、「こんなこともあるのね」くらいの心構えで生きていくほうがラクですよ。

とらわれない人生

でも先生(涙)。私は苦しいです(涙)。異物を飲み込みたくはありません(涙)。しかし執着を捨てます……先生への信頼を胸に……(涙)

「のどに詰まるのでは?」という本能と、「早く飲み込んで終わらせたい」という理性との戦い。口元のティッシュが大分ふやけたところで、「コクッ」とカメラを飲み込めたのが分かりました。

第三関門|何メートルのカメラ?

それにしても、いったい何メートルあるのでしょう。あっという間にカメラでお腹いっぱになります。

掃除機コードのように力強く腹に収納したかと思えば、お茶を濁す程度に引っこ抜かれ、再び押し込まれることの繰り返し。つらい。キラキラと輝く川面に首を突っ込む、鵜飼の鵜が脳裏に浮かびます。

【ヨガの先生の声】
流れゆく雲をながめるように。ぱらりとページをめくるように。
悲しみも苦しみも「手放して」いきましょう。

全集中の深呼吸

…ふぅ~~~~~
…すぅ~~~

ずっと背中をさすってくれている看護師さんの掌に気づく。無。無になろう…

「終わりますね~おつかれさまです~」

ヨガを習っていなければ、自分でコードを引っこ抜いてリタイアしていたかもしれません。そのくらい、先生の言葉はストレスを緩和し、こころに落ち着きを与えてくれるものでした。

ただ、大切なことなので繰り返しておきます。

次回から必ず、私は鎮静剤で眠らせてもらいます!

(完)

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