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地球の自転周期はドレミのどれ?(問題)

 今回は音に関する問題です。まずは問題をご覧頂き、その後に必要となる前知識を説明します。

 音が波である事はご存じかと思います。波は周期があり、人の耳はその周期が高い(速い)程高音として捉えます。


 ところで地球の自転周期は24時間…ではなくて実は少し短い23時間56分4秒です:

仮にこの自転周期を上のグラフのような波の1周期だとしたら、いったいそれはドレミのどの音階に近いでしょうか?ただし音階の周波数は十二平均律とし、基準音であるラ(A4)の周波数を440Hzとします。

 この問題は高校生以上で解く事が出来ます。地球の自転の音、ちょっと素敵な語感ですよね(^-^)。この問題を考えるには音についての知識が少し必要になります。もしその辺りに疎い方は下記の説明をご覧頂ければ解く手がかりが掴めると思います。

解説はこちら

その他の問題についてはこちらからどうぞ:

音の高さ(ピッチ)とドレミ(音階)の関係

 音の高さはピッチ(音高)と言います。ピッチは音の振動数(周波数)と関連していて、ざっくり言えば周波数が高い(速い)程人の耳には高い音に聞こえます。周波数の単位はHz(ヘルツ)です。これは1秒間での波の周期数を表します。

上の場合1秒間で波の高い所と低い所のペアが4つ続いていますよね。なのでこの周波数は4Hzとなります。ちなみに人の可聴域(音として認識できる範囲)は20Hz~20000Hzと言われていますので、4Hzの音は聞こえません。

 音の高さと言うと皆さんご存じのドレミ。これは特定の周波数に名前を付けたもので「音階」と言います。その中でラの音は一つの基準になっています。具体的には440Hzの音を一般的にラと定めています(例外もあります)。この基準となるラは「A4」と呼ばれています。Aというのは音階の英語版で、ラを先頭に「A(ラ)B(シ)C(ド)D(レ)E(ミ)F(ファ)G(ソ)」とアルファベットが対応しています。

 同じラでも高いラや低いラがありますよね。そういう同じ音階で高さが異なる物を「オクターブ」と言い、Aの後ろの「4」はその音階のオクターブの位置を表しています。A4が440Hzの時、1オクターブ高いA5は880Hzになります。ではさらに高いA6の周波数は880+440=1320Hzかというとこれが違いまして、880Hz×2=1760Hzになります。不思議な事に人の耳はある音階の周波数が倍になると1オクターブ高い音階に感じるんです。逆に言えば周波数が半分になると1オクターブ低い音階に感じます。

 さて、ではド(C5)の周波数は何Hzになるでしょう?実はこれは幾つか考え方があります。その中で近代音楽の主流である「十二平均律」は1オクターブを12等分し同じ間隔ならその周波数の比率が同じになるようにします。ちょっと何の事やらかもしれませんので(^-^;、グラフで説明します:

横軸に半音単位の音階を”等間隔”に並べ(これが”平均”の由来です)縦軸にその周波数を取ります。グラフは各オクターブのAの周波数がちゃんと2倍になるように描いてあげます。つまりA2→110Hz、A3→220Hz、A4→440Hz、A5→880Hz…という具合です。勿論他の音階もちゃんと周波数が倍々になるようにしなければなりません。そういうグラフが描けた場合、ある音階の幅(音程と言います)での周波数の比率はどこでも等しくなります。例えば半音3つ分の音程を取ってみると、A4→C5、C5→D#5、F5→G#5などいくらでもペアを取れますが、これら1ペアの周波数の比率はどれも同じになります:

つまり今回の問題は「基準音A4=440Hzを通って上のようなどこの幅を取ってもペアの比率が等しくなるグラフ」を描く数式を考える問題という事です。それがあればC5に当たる周波数はさくっと求められますよね。

 音階と周波数の関係式があれば、その逆の周波数と音階の関係も導けそうです。それがあれば地球の自転というとんでもなく緩やかな周波数の音階も求めらる事になります (^-^)b

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