計量スプーンを同じ容量になるよう変形する(問題)
昨今は3Dプリンタがとても一般的になりました。僕も実は2台所持しています。主に日常でちょっと不便に感じる所を解決する一つの手段として使っています。どんな形にしたら良いかあれこれ悩んで設計し、出力して実用してみると良い点悪い点色々と発見がありとても楽しいです。今回はそんな3Dプリンタの実用品で先日実際に行った改善策から問題を作成してみました。
僕は普段インスタントコーヒーを良く飲みます。インスタントコーヒー1杯分の粉の目安は2gだそうです。で、容器の説明には「ティースプーン大盛り1杯」とあります。これを見た時「実際どういう容積なんだろう?」と思ってしまいまして、色々なスプーンで測ってみた所、なんと大さじ1杯がピッタリ4.0g。そこでコーヒー計量用に大さじ0.5の計量スプーンを3Dプリンタで作りました:
暫くはこれで満足。しかし使っていて少々不満も出てきました。インスタントコーヒーの容器にスプーンを格納する時にずぶーっと粉に刺すのですが、これ先が丸いと刺しにくいんです:
そこで先を細くしようと考えました。
下の図は元の大さじ0.5杯の計量スプーンの3Dモデルで、計量部は半球です。これを先細にしたいため、図の青い軸(半球の中心点を通る垂線)から左側の部分だけを左方向にびよーんと引き伸ばす事にしました。ただそれだと明らかに元の容積よりも大きくなってしまいます。そこで引き伸ばす前にモデル全体のスケールを0.9倍に縮小して予め容積を小さくしておくことにしました。
全体スケールを0.9倍にするというのは、縦横高さ(XYZ軸)の長さを0.9倍にするという事です。もし長さ10cmで直径8mmの鉛筆があったとしたら、スケールを0.9倍にすると長さは9cm(10cm×0.9)に、直径は7.2mm(8mm×0.9)になります。でも鉛筆の形は元の鉛筆と変わりません(相似になる)。
さてここで問題。モデル全体のスケールを0.9倍に縮小した後、半球の左半分を左方向に引き延ばしてモデルを変形した時、全体容積が元と同じになるにはいったい左方向に何倍引き伸ばせば良いでしょうか?
この問題は中学生の皆さんは頑張れは解く事が出来ます。高校生以上の方であれば問題無く答えを導けます。半球を引き延ばすと楕円半球になりますが、楕円半球の体積の求め方は…?などと考えるとドツボに嵌ります。考え方はもっとシンプルです。是非チャレンジしてみて下さい。
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