2019年5月⑫ 引継ぎ

机の上には、「指図書」や「ピッキングリスト」と書かれた紙が何枚か置かれていた。

(これか~?俺がこれからやる仕事は。)

ア「よし、そしたら、これが出荷指示やな。」

富「ええ、そうです。大体前日に、このピッキングリストは出てるので。」

マ「はい、わかりました。」

ア「よし、そしたらこれらの商品出していこか?おーい、西さん、これどこにあるんや?」

西さんが、面倒くさそうにこっちを向く。

(アンタ知らんのかい!)

富「あ・・・、松谷さん、ここにロケーションがかいてあるので、そこにいけばあるかと。」

ア「お、そうか、そうか。」

アドバイザーは持っているリストの指されたところを見ながらうなずいた。

(「そうか、そうか。」って、アンタもしかして何も知らないんじゃ・・・。)

私も見ると、そのリストには、出荷する商品の品番と、「ロケーション D―1」と書かれている。

要は、そのD―1の場所に行けばその商品があるということで、リストに載っている他の商品も、「E―3」とかそれぞれロケーションの番号が書かれている。

西「あ、この品番のやつは、ここですわ~。」

先程呼ばれた西さんが来てその場所へ案内する。

マ「あ、これですね。わかりました。」

私が、その商品を取り出していると、アドバイザーが西さんに、

ア「そしたら、これはどこや?」

と、リストの他の商品の場所を聞いていた。

西「え~と、これは・・・、うん?ロケ(ーション)が書いていない・・・。え~と。」

西さんが考えていると、センター長が、

富「これは多分、これと違いますか?」

と言ってその場所を指し示す。

西「あ、そうですね、それです。」

そう言って、西さんはそそくさと自分の持ち場に戻る。

富「そしたら、後は・・・。」

と、センター長はテキパキと進める。

私は言われた場所へ行って商品を取り、パレット(木やプラスチックでできた、商品や荷物を乗せるための板)に置いてくる。

ア「センター長、これはどうしたらいいんでしょうか?」

別の出荷指示書を持っていた松谷さんは、センター長に聞いていた。

富「あ、これはね、ここにコードの束が入っているので、必要分切ってもらって・・・。」

センター長はアドバイザーに教えている・・・。

(ア、アドバイザー。アンタ何も知らんやん!大丈夫か~?『引継ぎは、ウチラでちゃんとします』って言ってるんちゃうの?)

ア「マルオ君、これな・・・。」

アドバイザーは、センター長から教えられた通り、私に説明していた・・・。










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