見出し画像

丸和運輸機関(東証プライム/9090) 2023/3 Q1決算精査

 東証プライム上場(9090)の丸和運輸機関が2022/8/1に23/3期Q1決算を開示しました。私はIPOの時からの株主ですので、長きに渡り同社を応援している立場ではありますが、当記事で決算の内容を確認していきたいと思います。
 なお、当記事に記載している内容は、私の主観により記載されております。従いまして、誤認や事実と反する点が介在する可能性があります。その点、ご了承頂ければと思います。なお、お気づきの点があれば、ぜひなんなりとご指摘頂ければ幸いです。以下のツイッターよりリプライなりDMなりで頂けますと助かります。

1.参考記事

 同社に関連する記事として、先日開催された株主総会レポートと前回の決算精査記事を再掲しておきます。

2.決算概況

 Q1決算ですし、決算説明資料も今回は開示がないので、あまり論点もないのでさくっとみていきます。

 増収率が高く、一方で利益伸長は限定的です。元々、上期の伸長は1桁と同社のこれまでの軌跡からすると控えめな印象でしたが、それに沿うような利益伸長かと思います。当期純利益が減益になっていますが、税前利益までは増益トレンドで税金関連の増減による影響ですね。

 増収率が高いのは、既存事業の増収ももちろんあると思いますが、ファイズの子会社化による影響も半分程度ありますね。ファイズは同日の決算を発表しておりますが営業利益率が3%台ですので利益寄与が小さいことになります。

 EC事業では新たな事業の開拓だったり、アフコロでの需要回復に備えた増強を粛々と進めてきた様子が窺えます。

 各事業とも順調ですが、その中で低温物流が低位ですね。これは元々スーパー等の業績面からみても違和感がありません。センターの一部閉鎖等もあったようでこの部分だけでみると計画比ではやや遅れがあるような様相に感じます(根拠は一切ありませんが)。また医薬・医療3PLはもう少し回復基調になるといいな、とも思ってましたが、インバウンドの回復も緩慢ですから、本格的な回復はこの部分次第ってことになりそうですね。

 利益面のコメントがありますが、以前にも燃料費が高騰した時に燃料調達単価上昇という理由が書かれていたことがありますが、同社の原価明細をみると、そこまでコストの主導を決めるものではありません。なんなら、この部分はサーチャージによる調整が行われる部分もあって主因ではないでしょう。一方で設備投資や人財投資によるコスト増が背景として大きそうで、しかも戦略上、これらのコストは価格転嫁をしていない(特にアマゾン向け等)のではないかと思われますからね。営業利益率は5.8%となり、ここ3年は7.0%→8.4%→7.8%と推移してきた中で、ファイズ連結の影響もあり利益率は下がりましたね。

 その他はファイズの情報部門も寄与されているのですね。文書管理事業に対して積極的な営業活動をしている認識はないのですが、どういう新規拡大を果たされたんでしょうね。そもそもなんのために注力しているのかという辺りが気になります。元々埼玉県や中央省庁など自治体との付き合いの中での付随的な対応だと思っていて、リレーションって意味合いだと理解していました。
 
 一応PLの推移もみておきましょうか。
 粗利率は確かに前期Q1の12.5%から下がっていますが、こういうトレンドをみると特段違和感はありませんね。

 販管費は大幅に増加しています。売上が大きく増えており(連結寄与もあり)、販管費も絶対額で増えてますが、販管費率も違和感がないトレンドだと思います。

 経常利益もまぁ積み上がりが止まったようにもみえますが、投資等も増勢になっていますからね。

 純利は前述の通り税金関連でYoYでは微減ですね。

 BSについても軽くコメントをみておきます。

 賞与引当金が減少となっていますが、これは前期末との比較なので、この時期として比較しないとなりません。前年Q1末は189Mで今年Q1末は240Mですので、きちんと増額されていますね。


 とりあえず、目線は中計の先を見据えていますから、前述の細かい表面的な内容はまぁ定点観測として総論として順調、問題なしで良いかと思います。今回も設備などへの投資を進め、今後の成長の種まきをしっかりやる事が出来ているようですから、この点も含めてよいかなと思います。あとは人材獲得が重要となってきます。新卒も入り、育成も含めた体制面での強化という点は、今後決算という中にもより状況や期待を寄せられる情報が入るといいなと思います。

 直近で和佐見さんのインタビュー記事も出ていますので、最後にリンクを貼っておきます。

 あと、株価は今日の決算発表当日に大きく買われて期待感が高いことがわかります。よくわかりませんが、サプライズなどないので、まぁとりあえず今日の上昇分くらいは戻るんでしょうかね。まぁだいたいこういう時は今日の上昇分を超える下落に見舞われるのが常なので、今から覚悟しておきたいと思います(笑)。

 頑張れ、丸和運輸機関!

いいなと思ったら応援しよう!