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【企業調査(概要)】薬王堂HD(東証PR/7679)
ライトに企業を知ろうと続けているこのマガジン記事。
今回は薬王堂さん。
岩手県の紫波郡で創業したドラッグストアです。
紫波というと、個人的にとても印象に残っている地名なのです。高校生の頃、とある出会いで高校生の頃、交流があった女の子が紫波の子だったのです。とにかく可愛くて、男子校の私にとっては衝撃だったのです。この頃はLINEとかないですし、そもそも携帯もなかったので文通をしていましたね(笑)。もうこんなセンチメンタルな気持ちにさせてくれる会社というだけで、株買おうかと思ってしまいますね。
では、まずサマリ。
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東北地方を地盤にしているドラッグストアですが、実際には医薬品(ヘルス)よりも生活用品(ホーム)や食品(フード)の方が構成比が大きくなっています。ですので、もはやドラッグストアと呼ぶにはちょっと抵抗があるくらいですね。例えば同じ東北地盤のツルハさんあたりをみるとこれらの比率がほぼ全体の25%ずつで均等くらいの感じです。
ですので、会社としても自社のコンセプトを「小商圏バラエティ型コンビニ・ドラッグストア」を志向していると表明されています。
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宮城は人口が多いので当然店舗数も多いわけですが、それ以外の県では創業の岩手以外ではまた出店余地が多いように思います。特に南東北の福島や山形ではその傾向が強いように思います。実際出店意欲はあるのですが、工期遅れ等もあり、足元ではビハインドになっているようですね。この辺りも一因なのか、株価推移は軟調です。
加えて足元で優待廃止を決め込み、個人投資家からヘイトをためていることも更に株価を押し下げているような気もします。配当に一本化という体なのに、配当は見直されていないですからね。とはいえ、会社側にも確認をすると今、店舗投資とのバランスを踏まえて検討されているようですね。あまり大胆な配当還元、ということにはならなそうなので、期待ももてなそうではありますが、それでも安定成長は継続してくれるのではないかなと感じています。
この会社は創業が面白いですね。社長が千葉出身で野球道を目指しながらも挫折し、高校でなぜか株の授業を受けて、自分も事業をして株を上場したいと思っていたようです。かなり変わっていますよね(褒めてます)。
その後、薬剤師の方とのご縁で結婚されたものの、その方のご実家の岩手に戻り、小さな薬局を開くことになるわけです。当時はまだ田舎には薬局などの整備もされておらず、地域の困りごとを解消していこうということで、コンビニのような形態でやったら面白いのではないかと夫婦二人三脚でチェーン展開をして大きくなった会社です。
リスク要因としては労働力不足や北関東への進出など成長持続に係る内容や還元方針についてIRさんともやり取りをさせて頂きましたが、労働力不足への対応については特段懸念はないように感じました。北関東はまだ未知数ですね。とはいえ、あまりリスクが高い印象もありませんでした。還元については、まだよくわかりませんね。なにせ、まだ出店意欲や店舗のリニューアルなどの意欲が高いですからね。もちろん借入金も同社は活用していますし、その金利も0.1%台と極めて低金利となっていますが、とはいえそれなりにレバレッジは効いていますし、あまり積極的に還元したいとは思ってないと思うんですよね。
他社比較を銘柄スカウターでもとってみました。確かにドラッグストア系みんな株価軟調なんですが、その中でも際立っているような気がします。
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株価チャートをみてもだいぶ下がっていますね。昨年8/5の下落(といっても同社はディフェンシブの一角なのでそこまで下がってないのですが)よりも遥かに下の株価となっており、コロナ禍直後の水準ももちろん割り込んでいます。
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色々理由も考えてみたのですが、出店計画の遅れ、優待の廃止、成長限界、労働力不足。競合の台頭などでしょうかね。まぁどれもそれはそうなんだけど、そこまで大きな構造変化があるようには思えません。他社と比較しても同社の株価だけが随分抑えられているんですよね。
まぁ確かに急激な成長なんてものは望めません。よくてもCAGR5%程度ではないでしょうか。そうなると2-3年後のEPSは225円くらいでしょうか。過去のPER推移や他社の状況などをみるとPER12-15位、PER14くらいで評価するとざっくり3,150円くらいの目線になるかなと感じます。時価総額にすると620億くらいになるでしょうか。足元の営業利益が57億となると、まぁそこまでおかしい水準にもみえませんしね。
以下、スキンケアブランドの創発とか、オペレーションの改善など色々なことをなされていて興味深いですね。地域のお店作りをより深化させて頑張っていってもらいたいですね。
頑張れ、薬王堂HD!