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【定点観測】2025年1月の投資状況
2025年1月が早くも終わりました。今月の振り返り等をしてみたいと思います。これから、気分が乗れば毎月定点で振り返りをしてみたいとは思いますが、主観的過ぎる内容ですし、特に多くの方に見てもらいたいものでもないため、noteの中だけで細々とやってみようと思います。急にやっぱりやめたとお蔵入りするかもしれませんし(笑)。
なお、私はSBI証券でのメインポートフォリオの他、各証券会社において優待用や海外用などありますが、基本的にはメインポートフォリオのSBI証券のみの投資状況で日々発信をしております。ここでも同様の前提で記載します。
※年初来パフォーマンスは明記しません。ご容赦下さい。
■2025年1月の投資行動
約定数は買い9、売り2で金額ベースでも買い越しとなりました。
これだけ売買したのは昨年8月の暴落時を除くと、平常時としては相当稀な事です。買いは内需成長株にしています。元々ポートフォリオはその傾向がありましたが、より内需の比率があがっています。
いくつか具体的な売買について言及しておきます。まず買いについては、PR TIMESさんです。今月同社は決算でしたが、私には内容は良いものに感じました。しかしながらPTSでは無風でしたので、決算開示直後のPTSでありがたく買い増しをさせて頂きました。ピークからみると保有比率が下がっていたこともあり、少しでも回復をさせておきたかったのです。まだ想定した比率まで戻せていませんが、今後は時価が上がる事で一定の比率にあがってくれるといいなと思っています。ポイントは来期の利益部分の解像度が高まってきていることです。元々その兆候に変化が見え始めていたと思いますが、それがまた一歩進捗したようにみえます。真摯に経営に向き合われており、様々な面で未熟さもあると認識していますが、エンゲージメント投資の一角として見守りたいと考えています(だいたいエンゲージメント投資、みたいな時って苦戦するイメージが多いんですけどね(笑))。
それからイントラストさんも決算翌日に買い増しました。決算を受けての下落にはびっくりしました。進捗率投資とかQoQ増益警察とかいろいろあるんでしょうかね。桑原社長への信頼度は高く、特に成長への適切な意欲や還元に向けたマインドなど定量的にもコミットされていることから比較的下値が堅いうえで安定基軸を維持してくれると期待しています(下値が堅いとか言ってるとろくなことにならないのも常ですが(笑))。
売りについては、そもそも現金比率が枯渇していることもあり、現金確保の観点で苦渋の決断でした。その中でマニーを全売却しました。ポートフォリオに外需企業を入れておきたいと思っていたのですけどね。外需として数少ない組み入れしていた会社さんでした。しかしながら決算を受けて、その後IRさんともやり取りした結果を踏まえての判断です。根管治療手法の変化やダイヤバーの回収のその後の目途等を踏まえての懸念が台頭しています。確かに同社としてのバリュエーションは下限ですし、中計の見直しが本決算時にあるということですが、不確実な部分が増えていると判断しました。中国の景況感の一過性の問題なのか、構造変化なのかあたりの判断に迷いました。何より、私があまりに同社の先端・専門的領域への理解が甘いという所も大きいです。こういう時に業界の知識に乏しいと、投資先企業への保有の握力はどうしても弱まってしまいますね。
■ポートフォリオの状況
ポートフォリオの状況についてです。まず、投資先企業は42社と過去最大の分散ぶりです。これだと大きく資産を伸ばす気はないとみなされますね(笑)。実際その通りで、これはひとえに自分の自信のなさと漫然とした関心の拡がりに拠る所で、特に言い訳もありません。無能です、はい。
とはいえ、上位4社で全体の5割超の資産規模になっているので上位は比較的偏重している状況です。ですので上位の投資先企業において大きく騰落があると、それなりに資産も増減します。とはいえ、きちんとフォーカスして投資をされている方からすれば、ぬるいもんですね。
以下が投資先企業の分布です。ポートフォリオの加重平均PER13.9倍となっています。
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上位5社については以下の通りです。すべて内需ですが、B2BとB2Cではまだバランスしているような気もします。
1.ステップ(→)
2. eBASE(→)
3. 全国保証(→)
4. クラシコム(→)
5. PR TIMES(↑)
ステップさんは決算を受けて相変わらず何もすることがなく、株価も別に平穏のままでしょう。引き続き一定の配当を頂きながら応援していくスタンスです。
eBASEさんはちょうど決算が出ましたが、進捗率とかQ2までの推移からの業績ブレーキに見える状況などから懸念して2月からはまたしばらく長いトンネル入りになりそうですね。そもそも年初からも全くいい所なく売られており、再び500円台かぁ、という感じです(とかいってると来月400円台になってそうですが(笑))。同社は期末のQ4をみないとなりませんからね。
全国保証さんは、最近また子会社化のニュースがいくつか出てきていますね。保証債務残高の積み上げはMA含めて中計前倒しとなりそうですが、今後の周辺ビジネスの拡張がどう顕在化してくるのかってところでしょうか。何より同社は配当と優待の魅力という所が大きかったところで、2年後に優待廃止が決まっていますので、今後これを加味してより増配基調が出てくるかという所でしょうか。特に業績には懸念を持っていません。金利の影響や少子化影響など色々言われますが、ノイズだと思っています。
クラシコムさんは、1Q決算で上方修正により、とりあえず1,000円割れの危機は一旦脱した感じではありますが、株価の推移は緩慢ですね。レンジが多少あがっただけで、公開価格も大きく下回る水準に甘んじたままです。一方で先行投資部分でわかりにくくなっていますが、会社としての定性的な取り組みは絶好調という印象です。商材を拡げる活動も奏功しており、かつ受けもいい。まだまだ時間がかかるかもしれませんが、健やかな経営をされていることもあり、安心して託すことができます。(株価の鳴かず飛ばずから某掲示板などでは心ない声もありますけどね…)
PR TIMESさんは、足元でも小さなシステムトラブルなどにも見舞われていますし、とにかく多方面で課題が多いと感じています。特に顧客へのケアなどは頑張っていらっしゃるのはわかりますが、やはり少数精鋭で運営されている部分での限界でもあると思うのですが、より効果を発現し実感してもらうための施策が求められていると感じています。しかし、これはポテンシャルであるとも思っています。来期の見込みも解像度を上げて、きちんと投資家に向き合おうという機運も高まっているようにも思います。現中計より先の計画をどう描いていくのかも楽しみにしています。加えて人材の定着などにおいても一層配慮していく事が求められるなとも思っています。
■株式市場で気になったこと
今月株式市場で気になったこと、といっても私はあまり日々ニュースをこまめにチェックもしていませんし、勤勉とはかけ離れた投資家でもあり色々と疎いのですが、それでも気に留まった事をいくつか振り返ってみたいと思います。
・投資家が感じる不義理
一転下方修正と減配を発表したロゴスHDさんや、優先度の低いとされていたエクイティをMSワラントで実施する事を発表したタスキHDさんなど、個人投資家から多くの人気を集めている会社さんが、不義理だと指摘をされて株価が大きく下落するシーンがありましたね。私はこの両社ともホルダーではないですし、実際の所、非難されるべき論点なのかについてはよくわかりません。
よくわかりませんが、実際の声を眺めてみると、ロゴスHDさんについていえば、自信をもって示していたガイダンスを一過性理由という名目で反故にし、一過性なのに減配までするというあたりへの非難が多かったようです。この辺りは特に上場後間もない場合、どうしても会社の色というか社長の温度感のようなものが分からない点も多いですからね。会社側も下方修正に至る申し訳なさこそあったものの、そこまで悪意もなく天然でやったことかもしれません。
同様にタスキHDさんについても確かに優先度は低いとはしつつも、エクイティファイナンスを行う事が成長戦略の加速に資するという判断があり、天秤にかけてなされたのかもしれません。MSワラントもう99%非難の声の嵐ですし、私も心証はよくないとはなるのですけどね。ですが、スピード感だったり確実性だったり、何等か事情があったのかもしれません(決して会社側を擁護するつもりもないのですが)。
私も含めて投資家として発行体側の意思決定やプロセスにどうしても対峙せねばならないこともあります。発行体側のエゴだったりすると中々手の施しようがないのですが、表にはみえない様々な都合というものがあることもあるでしょう。ですので私はいつもできるだけ冷静に想像力をもって向き合おうとしています。不義理なことをしやがって、けしからんと罵詈雑言を投げかけることは簡単ですし、そういう気持ちになることは私もよく理解できるのですが、やはり冷静に向き合う方がいいのかなと思います(お前と違って資金量が違うんだ、冷静になれるわけないだろ、って突っ込まれそうですが…)。
コミュニケーション上、どうしても齟齬は生じ得るものです。ですからそういう齟齬が生じ得るという前提に立ち、その発行体との距離感だったり、自分が感じる信頼感とかをどう育むのかという問題な気がします。そうすることで咀嚼力が高まると思うわけです。
こういう顛末をみると、より自分が発行体に対してどういう温度感の気持ちを抱いていて、どういうスタンスでいるのか、取締役の方の顔を思い浮かべては自分の気持ちを確かめる、みたいな事を無意識にやっているのはそういう部分での自衛というか自らの納得感のようなものを自らが大切にしているということなのかなと感じています。
いずれにせよ、特に露出の高い発行体さんの場合、尚のこと、何を言っているかということより、より定性的な部分を多面的に見つめて、その会社や社長がどういうものを志向しているか、よくよく観察して、自らが納得できるくらいに想像しておくことが肝要なのだろうと思いました。安易な成長期待を誇張し、威勢のいい言葉に躍らせれることなく、地に足のついた経営をされているか、株主に向き合ってくれそうか、こういう所を大切にしたいなと思います。
・公開買い付けによる株価上昇
既に昨年から公開買い付けによる機会というものは注目されており、敏腕投資家の方の中には、職人のようにつぶさにその機会を伺い狙ってその機会をものにされる方もおられます。投資家としてそういう再現性のある目線を養い、実際に自分の利益とされている点に本当に敬意を抱いております。
そしてそういう勉強会のようなものもあるようですし、その技を盗んで自分でもその機会を狙ってみたいと思わなくもないです。ただ、私のような者がそう思い始めているということは、既にもう何万の投資家が先行してその技を実践して虎視眈々と狙っていることは想像に難くありません。もちろんこれは大げさで今からでも本気でその機会を取りにいこうと思えばそれなりの成果になるのかもしれません。
ですが、これは投資家失格かもしれませんが、あまりそういう機会を追求しようというモチベーションがありません。仮にステップさんがMBOするわ、ってプレミアムを2倍つけて買い取りするとなれば、きっと多くの投資家は喜ぶのかもしれませんが、私は悲しみにくれると思います。いや、投資家としての純粋な資金効率を考えれば、今2倍になるなら喜ぶべきなんです。しかし喜べないですね。投資家失格です。それより毎年じんわりと成長に寄り添い、配当も頂きながら経営陣の皆様、年に一度顔を合わせるスタッフの方々などと談笑しながら育める機会がなくなる方が辛いです。たぶん相当頭いかれてるんだと思います(笑)。
とはいえ、中央紙器工業さんのように3倍強以上のプレミアムが付いたやり取りを身近にみると羨ましいとは思うのですよね。これはこの会社にいわゆる前述のような特段の思い入れがないからであり、値段で会社を見ているから、シンプルにリターンで評価をして羨ましいという感情を抱くのだと思います。
会社のことを知り、魅力を感じる中で会社にエンゲージしてはじめて買い増しをして、一定の資金投下ができるわけです。そうなると、資金投下量に比例して、その会社へのオーナーシップ的な気持ちが高まります(たぶんこの辺りで、それとこれとは話は別だろう、ってなる人が多いはずです)。そうなると、そのさみしさというものも大きくなってきます。ですから、各投資先企業が公開買い付けみたいなことになって、自分の感情がどうなるかというのを自らの踏み絵?のようにしてみると興味深いなと思います。
多分ちょっと何言っているかわからない、という方が多数と思いますが、結局隣の芝生は青くみえる的なもので羨ましいとは思いつつも、いざ自分がそれを志向したとしても十分なリターンにはなりえないし、それによって素直に嬉しいと思えるかはまた別問題だなと感じた次第です。
・定量データに従順に
決算などが出ると株探さんなどでは要約記事が出ます。銘柄スカウターなどのツールの充実もあり、即座に定量データを得られるようになりました。最近では生成AIの台頭も大きいと思います。プロンプトさえある程度工夫すれば、決算サマリなんかもサクッと抑えられますからね。そして特に若い優秀な投資家の方の台頭もあり、特に定量データは即座に織り込まれ、投資家の判断もより従順になっているとも感じます。
YoYやQoQなどで増収増益基調がバリュエーションから許容できるか、通期ガイダンスに対する進捗率からみて上方修正期待を内包しているか、期待が持てるか、あるいは受注状況の情報があればそれが先行指標として期待先行であるかといった感じですね。
もちろん、これはとても正義ですね。株価はEPS×PERで決まります。EPSが伸びそうかという定量点と、それがコンセンサスとして市場の期待を集められるかというシンプルなものですからね。その両面が即座に織り込まれ従順であるという事は合理的です。
とはいえ、この従順な挙動を素直に受け止めつつも、時間軸を長くするなどいくつかの工夫で定性的な部分をどう自分の投資判断に反映させるかという事も大切にしたいと思うわけです。当然、時間軸を長くすることや、定性的な部分を評価するというのは主観的でセンスが問われ、むしろ難易度があがると思います。長期投資の方が難易度が低いなんて言われることもありますが、実際には逆だと思っています。そして私は自らが無能だと認識しつつ、その難易度の高い事を志向しています。ちょっと頭おかしいかもしれません(笑)。
これから決算が進む度に、ツールや生成AIの活用によってより定量データの評価は従順になっていくものと思います。そうなった世界線見たとき、より会社を定性的にも捉えて、独自の評価軸(ほとんどの場合、的外れになりそうですが(笑))をもって投資している事に充足感をもっていたいなと思います。これを一定の結果を伴って語っていきたいのですけどね…。
■今後に向けての対応
2025年、最初の1ヶ月が過ぎました。今後についても特に大きく投資行動を変化させるつもりはありません。決算も全企業の開示を通読するということもしませんし、四季報も通読のようなことは特にやりません。とはいえ、多くの企業を広く浅く知って、その中でご縁が生まれる機会が拡げられる行動は地道にコツコツやっていこうと思います。
とりあえず投資先企業や監視先企業さんの決算やホームページを巡回しながら、適切なモニタリングをさせてもらいながら、自分が納得しうるポートフォリオ、投資行動になっているかを確認していければと思っています。
トランプ大統領の誕生による様々なリスク、日本の金利や為替動向の不透明さなど不確実性を取り上げればきりがありませんし、それがどうなるとこうなる、みたいなことを確定的に言えるほど知識もありません。特定のセクターの強弱などを決算から読みとることもありますが、それをもとに緻密な投資戦略を立てるというようなこともしません。これらのことは、もう自分が思い浮かぶよりはるかに先に誰から気が付いていて、自分が認知した頃にはもう枯れていると思うわけです。
ただ、これは希望に近いのですが、ここ数年一貫してグロースは弱く、それは金利とか色々マクロな環境からやむ得ないとも思うのですが、そろそろいい加減に復調して欲しい一年であってほしいなと思っています。