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【企業調査(概要)】サーバーワークス(東証ST/4434)

 私は、基本的に決算や株主総会レポートをだらだら書く記事を赴くままにnote記事に仕立ててUPしています。そして、どうせ赴くままに記事にするなら、個社のライトな見立てを少しずつアウトプットするのも悪くないかもしれないと思い、3日坊主になるかもしれませんが試行してみようと思います。
 こういった発信は自己満足の域にしかなりませんが、たった1人でも厳しいご指摘を通して示唆を与えて下さればありがたいなと思いますし、企業への想いに共感し一緒にファンになってくれる方がいれば心強いなとも思います。ド素人な私の拙い見立ての恥を晒して笑い者になる恥より、示唆や共感により得られる利の方が勝るという判断です。それからこういう営みが費用対パフォーマンスにおいて優位ではない、むしろ効率は落ちると思いますが、それでもいいと思っています。


 それでは、思いつくままに書いていきます。本日3Q決算を開示したサーバーワークスさんです。

 本日3Q決算及び通期業績予想修正を出されています。

 元々、AWSのリセールを扱う中で、為替前提はドル円134円→153.74円(細かい)に変えています。1円で約20Mの利益作用があるということですので、為替の影響として約20円*20M=約4億の増益作用になります。従ってほぼほぼ織り込まれていた内容になります。実際、この開示は前場引けでしたが、後場はむしろ株価は下げて反応しておりました。

 今回の注目ポイントは、中計の開示予告ですね。

 これまで同社では一貫してトップライン成長重視、利益は後からついてくる、というトーンで中計を開示してきませんでした。しかしながら、市場からの厳しい評価を踏まえて、トップライン成長だけを声高に言うだけではなく、きちんと利益面も含めて将来見通しを開示し、対話をより強化していく方針に転化されました。

 先ほどの決算説明会の中で、「為替等によっても左右する業績、普通に毎期やってきた超保守的為替前提の大幅減益ガイダンスと同じ作り方ではまずいんじゃないの」という趣旨の質問をうまく言い変えて質問しました。
 すると、決して自社に都合のいいようなことを前提にすることはしないけども、だからといって全力で恣意性排除従の下で超保守的な手法で提示するという事もしないつもりであるという趣旨の回答がありました。利益成長をきちんと無理ない前提で感じてもらえる、自分たちの成長余地がきちんとあるんだということを示していきたいという豊富を述べられていました。従って、相応の中計の内容が出てくるのではないかと期待しました。

 また質疑の中で、VMwareの件に絡めてよりAWSへの移行の波が来ることを念頭に、そういった潮流をきちんと機会にしていきたいという趣旨の発言もありました。VMwareの件は詳細は割愛しますが、簡単にいえば、ブロードコム社の買収によって超強気な値上げが行われ、オンプレミス環境との共存を根底から覆させられるようなことがコロナ禍前後から本格化しており、多くのエンタープライズのシステム部門において移行が本格化しているということです。今後周辺サービスも更なる強気の値上げのような話も浮かんでおり、ITコストとのバランスや特に生成AIなどより先端ツールを活用していく流れからも大きな潮流があるわけです。
 そしてこれは中堅企業にも波及をしていくことになり、まだまだ市場は大きく拡がっていくという手応えが明確にあるように感じました。

 同社の株価推移とPER推移ですが、2020年から2022年の頃からみると何分の一になったんですか、という水準です。まぁ当時のPERが異常でしたし、なんなら、今のPERだって十分すぎる評価がついているともいえます。

マネックス証券さんの銘柄スカウターより借用

 最後に概要を書いてみたシートです。

 株価はだいぶ下がったとはいえ、バリュエーションはPER30倍超です(今日の上方修正前だと70倍を超えていました)。時価総額190億でネットキャッシュが70億とすると事業価値は概ね120億程度ということになります。営業利益が10億程度の会社としてはこれでもまぁ十分な値付けということになるかもしれません。

 特徴のところでは、何より専門性(技術力)が高いという事です。業界の中でも同社の技術力には大変定評があります。そしてその社員の士気が高い事でも有名ですね。openworkはもちろん、モチベーションクラウドの調査でも大変優位ですね。

openwarksさんのデータより抜粋
開示資料より抜粋

 一方で同社への投資のリスクですが、為替影響や不採算案件化などの影響などがあります。幸いにして財務はとても良い状況ですので心配はありませんが、PL面からみると浮き沈みはしやすいことはあるかもしれません。そしてAWSリセールの売上が大きいこともあり、利益率が低いということですね。これは本当にどうしょうもないことなんですが、率で縛られるのでどうしょうもないことですね。この辺りは表面的に見栄えが悪く投資家の心証を悪くするものかと思います。

 最後に、大石社長の声がとてもいいんですよね。(笑)。説明などとても流暢で聞きやすいのもありますし、本当に頭のいい方なんだな、というお話のされ方もするんですが、何より聞いていて心地よい。

 以上、サーバーワークスさんのメモでした。
 お前わかってないよ、でもいいですし共感できる部分があれば一緒にそれを育んで企業を見る目を養っていければと思っています。

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