【企業調査(概要)】アスマーク(東証ST/4197)
昨年夏の日経IRフェアのイベントで初めて接点を持ったアスマークさん。昨日本決算でしたね。マーケティング調査会社という事で、いかにもシクリカルっぽい会社ですね。初対面の時のツイート。
では、早速1枚紙から。
時価総額27億と小さな会社です。無借金でネットキャッシュとして13億円程を保持しており、事業価値は14億程度という極めて低い評価となっているようにみえます。営業利益が4億程度、キャッシュフローも3億前後を安定して出している会社ですね。というわけでバリュー株という位置づけですね。
マーケティング調査といえば、マクロミルさんだったりインテージさんだったりが君臨しております。そしてアスマークさんはこれらの大手調査会社からの仕事も受託しています。一種の下請けのような構造かもしれませんね。一方で同社自身が直接事業会社へ営業をかけ、より実効的な調査活動の上流から介在しようとされており、ここに経営資源をシフトしている状況です。ここの成否が26/11期の成果を左右する状況でしょう。
特徴のところに記載しましたが、外注費を抑制している事で限界利益を高位に保つことを意識されている点が特徴です。流石にコロナの頃は赤字に転落していますが、その反省?もあってのことかと思いますがコストバランスを整理しているようにみえます。
加えてデータ分析などが進化している中で、調査方法の手段も多様化する中で、ひとつは同社も同じように高度化対応を行うことで遅れをとらないようにしているという観点。それからもう一つはそういう中だからこそ、定性調査に強みを持つ同社の調査力と提案力になるのかなと思います。
投資戦略としても大きなカタリストはありません。一定の成長意欲を持っているバリュー株ということですので、EPSが底堅く推移することを期待しつつPERがもう少し改善する目線ですかね。ただ、リスク項目にも挙げている通り、マーケティング調査市場そのものがシクリカルですから、EPSだって毀損する可能性も高いわけで、だからこういうPERということでぐるぐるしてしまいますね。
決算説明会では町田社長がなんともいえない不慣れな感じの中に野心のようなものを感じさせ、それを管理部所掌の飯田さんが丁寧にフォローされている様子が伝わります。
足元で鈍化した営業活動の停滞による売上鈍化は、外部環境や離職等の不遇が重なったようですが、足元では営業部長級の人事を一新し体制再構築をしたうえで今期を迎えられているようです。足元は順調とのことですが、色々変化がある最中でもありますので注視していく必要がある印象を持ちました。
今期ガイダンスは一定の保守性をもって策定されていること、直近の販売促進研究所の件は織り込んでいないことなどからアップサイドとしての期待という表現をなされていました。シクリカルで外部環境にも影響を受けやすい業態ながら、「地に足のついた経営」を志向されていることが改めて伝わる内容でした。
昨年秋には、長期保有を優遇する株主優待も導入されています。バリュー、配当、優待といったところで、案外シクリカルっぽい雰囲気を漂わせつつも安定的に推移してくれるのではないかなと感じました。
頑張れ、アスマーク!