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知らない人んち:赤色編3話

【あらすじ】
同じ施設で育った4人。実は同じ施設にもう1人ジェミの双子の兄もいた。
(兄役は栗原類さんを希望します。お写真のみの出演でも)
施設内で起こった不慮の事故により兄は昏睡していたが、目を覚ます。
「あれは事故ではなく故意だった。僕をこんな目に合わせた犯人がいる」
それを知った妹ジェミは真相を探る為にきいろに相談する。そこできいろは
YouTuberゆきりぬ、YouTuberエミリンに協力を仰ぐ。

〇アクの部屋
キャン「きいろ、覚えてるよ」
ア ク「なんでそう思う?」
キャン「だって、ココアに胡椒が入ってるなんて私も忘れてたのに」

アクが目を見開き驚く。
和室モニターをチェック、画面は暗転している。

〇和室
きいろ「どこまで見られてた?」
ジェミ「たぶん、私達は気づいてないはず」

きいろ、ため息をつき安心。

〇アクの部屋
ア ク「なんで?なんで映らないんだ?なんで!」
キャン「ちょっと、どうしたの?アク」

アク頭を抱えておびえる

ア ク「僕のせいじゃない。僕のせいじゃない」

キャンがアクを抱きしめる

キャン「アクのせいじゃないよ。アクは悪くない」

アクはハンカチで顔を覆い泣き始める。

〇和室
きいろ「それじゃ、予定通りの時間で」

きいろが電話を切る。

ジェミ「ホントに来てくれるの?」
きいろ「うん!しかも2人」
ジェミ「でも私、YouTuberさんと何を話したらいいか分からないわ」
きいろ「小さいバックに何を入れてるか教えて欲しいって言ってた」
ジェミ「?」
きいろ「ほら、よくジェミ持ってるじゃない」

× × ×
(フラッシュ)
ジェミが空き地で何かを埋めるシーン
小さい肩掛けバックを持っている
× × ×

ジェミ「ああ、確かに」
きいろ「インタビューしたいって」
ジェミ「……変わった人ね」
きいろ「だからYouTuber出来るんじゃないかな?」
ジェミ「もう一人は?」
きいろ「すーっごい才女。リケジョだよ」

〇アクの部屋
アクを抱きしめているキャン

キャン「アク、なんかいい匂いするね」

アク我に返り、抱きしめていたキャンの腕を離す。

キャン「え?どうしたの?」
ア ク「同情なんかされたくない」
キャン「同情じゃないよ。その…私のは…」

キャン照れたように

キャン「愛情だよ」
ア ク「どっちにしても僕には必要のないものだ」
キャン「そんな…」
ア ク「ちょっと頭冷やしてくる」

アクが部屋を出て洗面所へ向かう。

〇洗面所
アク、DOVEで顔を洗う。
洗面台にはAXEのフレグランスがある。
それを見つめるアク。

ア ク「大丈夫、大丈夫。僕はもう大人だ」

アク、階段に向かう。

〇玄関
アクが通りかかる。
ドアをドンドンとノックする音。
和室からきいろが出てくる。

きいろ「いらっしゃーい」

ドアを開けるきいろ。
ゆきりぬ、えみりんが入ってくる。

えみりん「ちょっと!インタフォーン壊れてるんですけどー」
ゆきりぬ「配線がおかしいみたいね」
きいろ「わ~本物だ!本物だ!どうぞ!中に入って入って」
ア ク「ちょっ、何ですか?誰ですか?」

きいろが、ゆきりぬ、えみりんを和室に通す。

えみりん「え?私の事、知らないの?」
ア ク「知りませんよ!」
ゆきりぬ「見たことありませんか?」
ア ク「知りません。人んちに勝手に入らないでくださいよ!」

ゆきりぬ、アクをじっと見つめて

ゆきりぬ「私も君のことをまだ何も知らない」
ア ク「は?」
ゆきりぬ「私に尋ねる前に、まずアナタ自己紹介してもらえませんか?」
えみりん「そうよ!そうよ!あんたこそ誰なのよ」
ア ク「……」

きいろが意味深な笑顔で

きいろ「どうしたんですか?アクさん自己紹介出来ないんですか?」

アクが怒って

ア ク「僕は誰でも泊めるなんて言ってないです」

きいろの後ろからジェミが顔を出す。

ジェミ「どうぞ、お二人とも中に入ってください」
ア ク「ジェミ?どうして?」

ジェミがアクに目配せする。
きいろがゆきりぬ、えみりんを和室に案内しふすまを閉める。
ジェミがアクに

ジェミ「勝手をしてごめんなさい」
ア ク「どうゆうことなんだよ?」
ジェミ「企画見てコラボしたいってYouTuberから連絡来て」
ア ク「反応が早すぎないか?」

アクが疑っている、ジェミ気づかないフリで

ジェミ「きいろ、あの2人のファンだからOKしちゃったらしくて…」

〇和室
きいろ「では、予定通り作戦決行します」

ゆきりぬ、えみりんが頷く。

【終】

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