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Live2Dモデリングで大きく動く腕を作ろう!

こんにちは!marunaruです。

今日は、腕を作るときに個人的にオススメなパーツ分けと、
モデリング手法を紹介したいと思います!

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1. Live2Dでの腕表現手法

現在、腕表現の手法には大きく2種類あると思います。

①フェードでの腕切り替え(復数原画による腕切り替え)
②モデリングで腕を動かす


①フェードでの腕切り替え(復数原画による腕切り替え)

腕パーツの原画を複数用意して、フェード(不透明度の変化)で切り替える方法です。

Live2Dマニュアルでも紹介されているスタンダードな手法で、比較的モデリングも簡易です。

▶ Lice2D Cubism Editor Manual:ポーズ切り替えがあるモーションを作る
https://docs.live2d.com/cubism-editor-manual/change-pose/

■メリット:
 ・モデリングコストが低い
 ・腕の表現が原画に依存しているので、複雑な袖・装飾のある服にも対応できる(ex. 振袖など)

■デメリット:
 ・フェードによって、腕が消えるのが目視でき、没入感が損なわれやすい
 ・腕の種類分、原画が必要になるのでイラストレーターに負担が大きい
  (衣装変更などがあるモデル(運用されるモデル)だと、
   毎回その数分の腕を用意する必要がある)
 ・腕の種類数分、パーツ数やパラメータ数が多くなりやすい
 

②モデリングで腕を動かす
Live2D中級者にオススメな、モデリングでひたすらがんばる方法です。笑

■メリット:
 ・腕が消えるようなことがなくスムーズに動かすことができる
 ・パーツ数、パラメータ数がシンプル

■デメリット:
 ・モデリングコストが高い
 ・「回転腕」(後述)の問題や、実現が難しい服がある


・・・このように①②それぞれメリット・デメリットがありますので、
用途や目指したい表現、時間・技術的コストと天秤にかけて選択していくのがよいです。

本記事では「②モデリングで腕を動かす」場合、
私がどのように作っているかを紹介していきたいと思います!


2. そもそも腕のモデリングってどうやる?

スタンダードなのが「上腕」「前腕」の2パーツでモデリングしていく方法です。
上腕と前腕を繋ぐ形で腕を作ります。

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2パーツで腕モデリングする際の問題点
腕を大きく動かす際に、問題になってくるのが「肘」をどう作るか、です。
上記のような2パーツで作成していく場合は上腕と前腕の結合部分を整形して、肘を作っていきます。

肘は曲げたときの骨張りを表現するために尖らせたりもします。
「結合」と「肘の造形を整える」のを同時に達成しなければならないため、複雑なモデリングが集中してしまいます。
(※腕が大きく動かないモデルの場合は、この構成でも全く問題ないです)


3. 大きく動く腕を作ろう!

最終成果物はこちらです!

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約360度近く回る腕になります。
MAXまで反らせた状態の腕を静止状態で使うことはないですが、モーションの「予備動作」や「反動」を見据えて、可動範囲は大きめに用意しておいています。


円形の肘パーツを用意しよう!
腕を大きく動かす際にオススメしたいのが、円形の肘パーツを用意することです。
(私の場合、球体関節の人形のイメージで、肘だけでなく肩や手首など関節部分に用意します)

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こうすると、上腕と前腕は結合だけを意識してモデリングでき、肘形成は円形パーツがすべて担うことで役割分担ができるため、シンプルなモデリング構成にできます。

肘の造形を整える作業もこの円形の肘パーツが一身に引き受けてくれます。

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(ちなみに両端のグルーは上腕とくっつけています)


原画調整のタイミングでガイドも用意しよう
円形パーツを作っていく際、合わせて中心点を記した真円のガイドを別レイヤーで作っておきます。

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これで回転デフォーマの中心をどこに置いたらいいかと、あらかじめ腕を回したときの回転軌道がわかるため結合しやすく、スムーズで綺麗なモデリングができます。

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また、イラストレーターさんに衣装を作ってもらう際、「この回転ガイド付近には服の影を濃くつけないようにしてくださいね!」とお願いするのに役立ちます!
(影の連結は大変ですよね…!;;)


4. 腕のモデリングで気をつけるべき衣装

腕に関係する衣装の話もまとめておきます。

技術的に高コストになる衣装
・腕にチェックや花柄など一連の模様がついてしまっている服(模様が断裂しやすい)
・5分丈の袖(肘部分にかかる袖丈)
・振袖、浴衣袖、
 タッセルなどがついていたり垂れ下がる装飾のついたブレスレット、
 ロリータファッションなどにあるような大口の袖
 (重力表現が難しい)

▶モデリングで実現することもできなくはないですが…難易度が非常に高いです。
これらを実現したい場合は、通常よりも多めに工数を確保した上で実施するか、復数原画での腕切り替えをおすすめします。


モーションを制限する形で実現したい衣装
・すっぽり被るようなケープやストール(腕上げをさせないようにする)
・腰回りに大きな装飾(えっへんポーズなど腰に手を当てさせないようにする)

▶服への干渉が大きいと、服のシワや潰れ・たるみ表現などが必要になってきます。
とはいえ、衣装を優先したい場面もあると思うので、その場合はAポーズメインのモーション使用に制限するなどして実現します。


5. おまけ: 「回転腕」についての考察

個人的に、平面的に体の前をぐるりと回ってしまう2Dならではの腕の動きを「回転腕」と呼んでいます。
(さながら「ワイパー」と揶揄されることもありますね…)

私はこの動きが特に平面感を強調していると思い、どうにか緩和できないかと研究をしたことがあります。

人間の腕の動きを考えると、目的の位置まで手が立体的に最短距離で遷移しますが、Live2Dはそこが苦手です。

個人的な見解ですが、
Aスタンスのポーズをデフォルトと考えたとき
腕組みなど、手が反対の半身側に向かっていくときは違和感が小さいですが、手を上げるなど、手が同じ半身側で動くときに立体感が必要になってきます。

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この立体感を少しでも表現するため、前腕を限りなく潰す伸縮パラメータを用意して、適宜このパラメータを入れながら腕の回転軌道を小さくさせます。
この回転軌道が小さければ小さいほどスムーズに腕を上げているように見えます。(いっそ前腕がひっくり返るようなパラメータを用意してもいいです)

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立ち絵のような正対モデルでは、顔の次に腕(や手)の演技が重要だと考えています。
モデリングコストはそれなりにかかってしまいますが、この腕の伸縮パラメータを用意するとモーションのクオリティが劇的にUPします。

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また、伸縮パラメータを利用すると、体の前で念を込めるポーズなども作れるようになります★(おまけ)

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6. さいごに

今回は腕制作の手法を紹介しました!

個人的には、「①フェードでの腕切り替え」も、「②モデリングで腕を動かす」のも、どちらもメリット・デメリットがあるので、コストや制作環境に合わせて取捨選択が良いかなと思います。

実際に運用されるモデルを制作した際も、「浴衣や着物のときはフェードでの腕切り替えにしましょう」と場面によって選択し、両手法の折衷で対応していました。

少しでもこの記事がみなさんの参考になると嬉しいです。
稼働状況にもよりますが、随時ご制作・モデリング監修のご相談なども受け付けておりますので、お気軽にお声がけください。

marunaru
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メール:maru82naru@gmail.com

ではまた!