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パティシエkiaの見た中国④・・・亜紀

 場所が変われば常識も変わるってよく聞くけれど、、今日は中国に行って不思議に思ったことを書いてみようと思う。
 中国の人は皆子供に優しかった。製菓材料の卸売り団地に行ったときには、娘を連れて歩いているだけで、ジュースやチキンを娘がもらったり。ある日なんか、オーナーが、突然「明日から友達との泊まりの一泊旅行にいくから、お宅のお嬢さんを一緒に連れて行きたいのだけど、、(私kiaは抜きで)」と言ってきてくれたり。毎日のように通った火鍋屋さんと仲良くなれたのも、きっと娘がいたからで、お店のお父さんが、「小朋友(小さなお友達の意)、学校は?」といつもニコニコしながら話かけてきてくれた。

 私が中国を好きになれた理由として、娘と2人で渡航したことにより、大人1人では決して味わうことはなかったであろう、沢山の人達の温かな声かけや、娘に向けてくれた愛情によるものがとても大きくあったと、今改めて思うんだ。私1人では、知ることのなかった、中国人の姿を見せてもらえたと思う。
 そんな中国の人達だけど子育て風景に関しては驚くことが多々あった。ロビーに噴水のあるような比較的立派な製菓問屋で、女性がノートを抱え書面に我々の意向をリストアップしてくれる。ふと見ると、そのあとをつかず離れず犬っころのように付いてくる、まだ歩き方も時々転びそうなぐらいのヨチヨチ歩きの男の子。女性は、その男の子に特段構うわけでもなく、何事もなかったかのように淡々と仕事をこなす。。
なんとも不思議な光景。帰り際、だいぶ経ってから、抱き上げたことでその人の息子さんなのだと分かった。また、小さなラーメン屋さんの片隅に、ケージが置いてあって、赤ちゃんがそこに1人でいて、泣きだしたりするとラーメン屋の奥さんがカウンターから顔をだしてあやす、みたいなのは、なかなか可愛かった。

 もう一つ驚いたのは、赤ちゃんを連れている8割方の人が、パパママである若者ではなく、おばあちゃん、おじいちゃんであったこと。マンションの公園にも、ママ友ならず、ババ友コミュニティがあって、私たちの朝出勤を横目に、それぞれベビーカーや抱っこで乳飲み子を連れた白髪のお婆さんが、四方から集まりだすのだった。平日の上海郊外、若い人が赤ちゃんを連れている方が珍しかったくらいだ。
 ちょっと日本では考えられない光景。「核家族」「待機児童」、、働きたくても働けない、そんな人も多い日本人のお母さん達。中国のお母さん達は、どうやりくりしているのだろう、、。滞在中、そんなふうな疑問がどんどん大きくなっていった。

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