在外邦人による親の死後の片付けその後+雑記
もう1年以上経ってしまったが、去年初めにこんな記事を書いてかなり多くの方に読んでいただいた。
上記で言っているのはシンプルに3点
一時帰国する前に在留証明をもらおう(in 大使館 or 領事館)
一時帰国したら法務局で出してくれる「法定相続一覧図」をゲットしよう
隙間時間に手続き系をまとめてくれてる便利サイトを見よう
そしてその後どうなったかと言うと親が加入していた「遺言信託」サービスにより全てが終わって私は遠くスイスで日常生活を送ることができたのだった(途中で2、3回メール連絡と、押印済みの書類が届いた。書類は自分で保管してる)。
去年の初めの2月頃に1度、税理士の先生と信託の方が母の住む家まで来てくれて私とオンラインで電話をしながら財産目録の確認をしたくらい。
サービスのグレードによると思うけれども今回お世話になったサービスのおかげで本当に何もせずとも全て片付いて心底ありがたかった。肝心の金額は数百万かかったけど、それだけの価値があると私は思う。
母の時もぜひお世話になりたいし、それで遺産がチャラになったとしても大変ありがたいサービスだと思った(その辺は価値観によると思うけど)。
ちなみに父の遺骨は母の暮らしている家に置いてある。火葬した後の骨はどうすべきかの規定はないらしい。知らなかった。
母は気が済むまでそばに置いておくのだそうだ。自分がなくなったら云々という話をたまにしているが対して気にせず流している(その度に言うことが変わるので…)。
話はガラッと変わるが、私が住んでいる集合住宅(といっても1棟に8世帯のみ)の最上階に住んでいる高齢の女性2人の話を書く。
去年の秋くらいまで80歳前後のその2人でよく散歩に行くのを見かけていた(仕事部屋から外がよく見えるので)。
会えば挨拶するくらいのご近所さん。秋以降あまり見かけなくなったのでちょっと心配していた。
私の夫が家の外で会って少し立ち話したところ、2人とも具合が悪いのだそうだ。お一人は腎臓、お一人は認知症だとのこと。
腎臓を悪くされている方はしょっちゅう入退院を繰り返しているのだそうだ。
ツイートもした(ツリーに詳細あり)。
今日朝、認知症だという方を久しぶりに見かけた。
「Bonjour! Vous allez bien?(こんにちは!お元気ですか?)」
と声をかけたけど、ちょっと通じてなさそうだったので
「サヴァ?(元気?といったちょっとくだけた言い方)」をしたら通じたようだった。
少し見ない間にお顔の印象が随分変わってしまっていた。
「元気よ。あなた、この家に引っ越してきた新しい方ね」と仰った。
「そうそう、そうなんです。」と答える。
「どちらのお国から?」「日本からなんです。」「まぁ、随分違うところに来たのね。」「そう、でも皆さん優しいのでありがたいですよ。」と穏やかに会話をして別れたけど、切ない気持ちになった。
彼女の認知症は随分進行しているようだった。
お年寄りの病気の進行は坂道を降りる感じじゃなくて、階段がガクンと下がるように悪くなると聞いたことがあるけれど、急降下といっていいくらい急激に進行しているように見える。
入退院を繰り返されている相手の方は随分心配だろう。
かといって私に何ができるんだろう?
気まぐれに、お料理を持って行ったり、買い物はできるかもしれない。でもそれを3日に1回継続するのははかなり難しいだろう。
認知症の方への接し方は?腎臓病のレシピは?もちろん軽く調べることはできるけれど、本腰をいれて調べる情熱はない。
家族じゃないから。
最愛の家族だったとしても、彼女たちはお互いにどうしようもできないでいる。
福祉の重要性をしみじみ感じる瞬間である。
この町の福祉サービスとは繋がれているんだろうか?そのような制度はどうなっているんだろうか?気になりつつも、私には何もできない。
半ば無理やり連絡先を交換して「ほとんど家にずっといるからなんでも言ってください」とは言ったけど、先方だって言葉がロクに通じない外国人に何か頼むのは気が引けるだろう。
私は来ないかもしれない連絡を待つくらいしかできない。もし連絡がきたら、全力で応えたいと思う。
あとは、せっせと働いてきちんと税金を納めるくらいかな。福祉がきちんと機能してそうな国ではあるけれど、ソーシャルワーカー的な人が訪ねているのを見かけたことがないので少し心配している。
自分はどうするんだろうとぼんやり考える日々が続いている。
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