旅の終わりに向かって〜踊り子ヴェナを追って〜
「旅の終わりに向かって」
神々の「聖なる館」から出発したポコラたち、自分たちが後にしてきた国を思うと、自然と足が早くなります。
イグニ:あぁ〜早く火の国に戻りたいな・・・今ごろ火の国はどうなっているだろう・・・
シルフ〜休むのはやめてどんどん前へ進もうよ!
シルフ:だめだよ、今のうちに、しっかり食べて、寝ておかないと、国に帰ってからはとっても忙しくなると思うよ
アクニ:シルフのいう通りだと思う。気持ちが焦るのはわかるけど、あともう少しで水の国よ。先ずは水の国に入り、水のポコランに話を聞きましょう。「踊り子ヴェナ」にはどうやったら会えるかをお聞きしましょうよ。そこからは、それぞれが自分の国に戻って、ポコランに話を聞くのはどうかしら?
テライ:そうだね、私もそれを考えていたんだ。シルフはどう考えているの?
シルフ:その意見に大賛成だよ!先ずは水のポコランに神々の言葉を伝えて、どうすれば少しでも早く「踊り子ヴェナ」に会うことが出来るかを聞きたいよね。
イグニ:そうだよね・・・ごめんね。
3人:謝らないでいいよ!!気持ちの底の底はイグニと同じ気持ちだよ
そうは言っても、自然に自然に足取りが早くなった4人は遂に水の国に帰ってきます。
「かつては水の国だった」
ようやく水の国の門に辿り着いたポコラたち4人、かつての水の国の姿が殆どないことに
愕然とします。
かつての「水の国」は湖の水は枯れる事なく、川はどこまでも清らかに、緑多きところには水涌井でる豊かな国でした。
アクニ:これは!
アクニは一言言うのが精一杯でした。川は最後の一筋を残すだけの流れしかなく、湧水は止まり、緑は枯れています。清らかな、澄み切った空気はどんよりと重いものに変わっています。「神の聖なる杯」から流れ出た神の聖なる水も乾き切ってしまっているようでした。
イグニ:これは!
イグニもテライも言葉に出来ないほどの衝撃を受けました。
シルフ:ホモラたちは?他のポコラたちは?ポコランはみんな無事でいるのか!アクニ!水のポコランはどこにいらっしゃるのだ?
アクニ:では案内しましょう!もう少し進むと「絶えることなき水の森」があります。ホモラたちもポコラたちもそしてポコランもみんなそこにいるはずよ!
テライ:よし!ではそこへ行こう!
「絶える事なき水の森」ではホモラたちとポコランとポコラたちがアクニたちが帰って来るのを待っていました。
水のポコラン:よくぞ、帰ってきたね、待っていたよ。
アクニ:はい!ただいま戻りました。それよりも私が旅に出てから水の国はどうなってしまったのです?
水のポコラン:アクニが旅に出てからの話をしよう。とても大事な事もわかったのだよ。あれからドモラはますます凶暴になっていき、国も荒れ果ててしまったのだ。きっと他の国もそうだろうと思うよ。ポコラたちも音楽を奏でる事が出来なくなってしまった。全てのホモラたちがドモラに変わってしまうかと思った。心の中に音楽を愛する気持ちが少しでもあるホモラたちはドモラにならないのだ。そして、そのホモラたちがいる限りポコラたちはポコラでいられるということなんだよ。
シルフ:他の国もきっとそうなんでしょうね。
イグニ:よ〜〜し!今の話を聞くと、望みがある事がわかって嬉しいよ!
悲しんでいる暇はないよ。どんどん前へ進もう!
では水のポコラン、神々の話を聞いてください。
イグニは神々の住む「聖なる館」で神々から聞いた話を全て水のポコランに伝えた。
水のポコラン:そうかぁ〜〜神々はお怒りになっているのではないということがわかってよかったよ。そして踊り子ヴェナは2日前までここにいて、ホモラたちやポコラたちに踊りを見せてくれていたよ!大地の国に行くと行っていたからすぐに追いかければ大地の国で会えるかもしれないぞ。
テライ:なんだって!
テライは今すぐにでも駆け出しそうな勢いです。するとシルフが言いました。
シルフ:アクニ、君は僕たちの誰かが戻って来るまで、ここで待っていてくれないか?
ヴェナに話を聞いてから、又全ての国へ行くことになるような気がするんだ。
アクニ:わかったわ。私は水のポコランを助けます。
シルフ:よし!では大地の国へ行こう!テライ、水の国から大地の国へ行く近道ってある?
テライ:あるに決まってるでしょ〜〜案内するよ!ヴェナよりも早く大地に着くかもしれないよ!
イグニ:やった〜〜〜!!